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5.ワールドガイド~5.1【-人材応募要覧-】

5.ワールドガイド


5.1【-人材応募要覧-】


[国内組織]


1.神処


【広報内容】我が国の国土が危ないッ!! 君の戦いが人々を護る糧となる!! そう、これは物語やゲームではないのだ!! 凶悪な犯罪能力者!! 迫りくる未知の恐怖!! これらに君も沢山の仲間と共に立ち向かおう!! 君の力があれば、きっと共に困難を乗り越えてイケるはずだ!! 神処は皆さんが健全な能力者として育つよう全力でサポート致します。恵まれた職場環境業界NO1は伊達じゃない!! 何と今なら、好きな消費アイテムを3個、無料で進呈致します。これは今だけ!! 今入る方だけの特典です!! 神処AC広報部門


解説 国内最大にして世界規模でも最大に近い国家機関神処は前身であるコウカケン時代より人事に関しては極めて合理的な判断と人材のハントを行っていた為、他の弱小組織の人員からは畏れられていた。仮にも司法と警察という二つの顔を持っているに等しい彼らの要請で実際に各市町村から県、自衛隊、あらゆる一般的組織が動員され得るからだ。過去には複数の集団が本部を襲撃しようと企てた事もあったが、その反抗は彼らが集まって2分後の強制突入部隊による蹂躙で幕を下ろした。現在、Karma能力者が吐いて捨てる程いる為、国内の新興組織や海外の集団が大挙して人材確保に動いているが、殆どの覚醒者の大物は既に神処によって確保されており、彼らが得る人材はお零れというより神処から見捨てられた、もしくは狩られる側と認識された人々だけである。これらの危険な人材を放置している理由は単純で暴れてくれた方が処分する大義名分が立ち、国内のkarma能力者の統制に役立つ、ただそれだけの事だからだ。何故か、近年はテレビショッピングのような広報をしているが、理由を問い合わせても担当者がいないとしか返されない。


2.金融連合


【広報内容】土日祝日残業免除、歩合制、夜型勤務出来る方、経理能力がある方、JC優遇。人事部広報


解説 金融連合は新興組織と言うと語弊があるものの、今まで表立ってkarma能力者を雇うような存在ではなかった。また、金融連合という名前も能力者達の仮称であり、実体は国内の投資家と金融証券会社、電子決済の関連業務を行う企業群やダミー会社の総称に過ぎない。彼らの連帯の理念となるのは市場の制御とコントロールによって、利益を稼ぎ出すという一点に尽きる。karma能力が儲かりそうだから、彼らは近年になって合同で資金を拠出し、今まで表立って行ってはこなかった能力者による巨大市場の制御に乗り出したのだ。それまで能力者の絶対数の少なさと神処による人材の乱獲から、殆ど手が付けられなかった長年の夢。あらゆる市場と名の付くものの支配に彼らは動き出したわけである。彼らに雇われた能力者達は大抵『金払いは良いし、神処程口煩くも無いが、刃向かったらヤバい……主に普通に生きていけなくなる』と口を揃える。。karma関連の企業や神処にも出資する彼らはフィクサーとしてGNなどを雇う事もあるが、それよりはJCによる運のコントロールというものに目を向け、実際にそれを実践する巨大ネットワークとして成立している。また、彼らを統括する理事会もJCで占められているという。


3.教王会


【広報内容】OrderStyleでESPを持つ者のみ入会を許される。教王会人事部局


解説 教王会は日本従来の宗教界内で影響力を示して来た年期の入った組織。所謂、新興組織とは本来言えない組織である。ただ、殆ど表に出て来ず。日本国内で神処が行ってきたようなkarma能力者の犯罪に対して、私刑リンチという形で罰を与えて来た自警団連合組織のようなものであった。神社や寺の神主、住職が連帯して法で裁けぬ悪と誅する、という仕置き人が出る時代劇のような事を合議制の下でしていた彼らはしかし近年の爆発的な覚醒者の増加に危機感を覚え、組織の抜本的な見直しと合理化が断行された。結果として新興組織として整備された教王会は背後に旧来の組織を形成していたバックボーンである宗教界との繋がりを保ったままにkarma能力者から市民を守る自警団というよりは私的武装組織に近い特性を得る事となった。神処が国家的にkarma能力者を統制する組織なら、教王会は民間最大手のkarma能力者の見張り番、セキュリティーを提供する警備会社と言えるだろう。実際にそういった業務を行う表向きの会社も設立、規模を拡大中である。実質的に治安維持に関連して二つの組織は歩調を合わせるが、神処の能力者を危険な爆弾として処理するというような組織内部の思想とは相成れない事も多く。こちらはあくまで人情、人道、倫理、最後に御仏の教えや八百万の神々の導きは許す事である、という思想に基づき、karma能力者の犯罪者専用の矯正施設なども手掛けている。そして、実際そのような人々が会の末端で働いているという。ただ、基本的に求人されている人材は将来の幹部候補生であり、将来の実働部隊の指揮者である。その為、こちらは厳しい基準が採用されているのだという。


4.SF同好会


【広報内容】ロマンの分かる方待ってます!! 工作機械、電子工学の分かる方優遇。


解説 SF同好会はSF同好会である。だが、実際に彼らが単なる宇宙世紀なストーリーにロマンを感じるだけの同行会であったなら、世界は実際今よりもきっと幸せであったはずだ。この世界におけるSFのMainOrderを持つkarma能力者達の形作るSF同好会は一言で言えば、マッドサイエンティストの集まり、あるいはそんな連中の学会のようなものと言える。個人間の連帯はまるで無いが、彼らが提唱する明らかに物理法則に反した疑似科学の数々は実際にkarma能力者界隈では有名である。ANIMEやMANGAにありがちなスーパーロボットやリアルロボット、アンドロイド、ガイノイド、セクサロイド、メイドロボット、無限機関(制作者が使う限りは恐らく本当に無限)、サイバネティクス、あらゆる物語に出て来るSF技術は現実の単なる一部分に過ぎず、彼らはこれを用いて、更に自分達の技術を磨く為に迷惑極まりない実験などを平気で行い、神処や教王会にしばき倒されては技術や現物を没収され、それでも懲りずにコツコツと事件を起こし続けている。彼らの何気ない技術が没収された後に研究され、数兆単位の商売に発展する事もしばしばであった事から、敢て見逃されているところがあり、金融連合などは興味を持っているようだが……彼らの望む研究費用は正しく天文単位の世界である為、スパイ行為に比重を置いて監視しているのだという。彼らが近年になって生み出した様々な成果は最先端科学の成果として発表されたりしており、多額のパテント使用料が入って来る仕組みとなっている。その内部に貯め込まれた資本は所属者達の寄付だけでも十兆円単位とされ、世界中のSFが学会での発表を目指して研究に勤しんでいる。


5.紳士淑女同盟


【広報内容】紳士と腐―――淑女の嗜みに付いて語れる方を歓迎致します。


解説 今日の晩御飯から派生した日本国内の下部組織の一つである。彼らは本家とは違って、極めて紳士淑女であり、犯罪行為なんてまるで興味も無い単なる同好の士の集まりだ。本家が日本をリスペクトしまくったHENTAIやギャラクシーサイコレズの巣窟ならば、こちらはアニメと漫画と自分の性癖にクリーンヒットした一品を推薦し合う仄々とした愛好会の雰囲気である。ただ、JCが主体として運営する珍しい組織であり、彼らの理不尽な程の幸運が作用する為か。ラブコメ漫画のようなエロコメの巣窟と化しており、人間として有り得ないようなラッキースケベによる極限恋愛環境を煮詰めた、恋愛モンスター達の盛り場でもある。本家よりも控えめな内向きに閉じた彼らの世界に染まったら最後、誰もがその餌食となり、誰かと結ばれる事だろう……無論、そんな彼らに近付く者はkarma能力者界隈でもそういうのが好きなHENTAIか、そういうのに歓喜するHENTAIしかいない為、彼らと接触する人物は大抵『……住んでいる世界。いや、雑誌が違う』と零すのが常である。障害物が何も落ちていない通路で転んで女性のパンツに顔を突っ込んで許されるのが彼らで、突っ込んだら能力で殺し合いをしながら説教合戦か不幸自慢大会するのが自分達という自嘲を込めた呟きはkarma能力者専用のSNS界隈で数千回も共有され、話題となった。


6.グリーンネバー商会


【広報内容】二十歳以上、AT免許取得済み、PCの使える方大歓迎、事務職優先。


解説 グリーンネバー商会は老舗のkarma能力者達が使う品を販売する総合小売業会の巨人である。巨人と言っても、第二次大戦期前後から運営されていたこの商会は日本国内でならば、近年になるまで潰れるかどうかという状況であった。それはkarma能力者の覚醒が極めて限定的であり、取引先の分母が年々縮小……要は死んでいく能力者が多かったからだ。しかし、世界規模での大覚醒事件が発端となり、再び需要の増加に見舞われた商会は全力で人材確保と商品開発に動いた。この事が後に彼らを国内最大手のkarma関連企業、商品開発事業の成功へと導く事となった。年々倍々規模で大きくなっていった同商会は現在、その規模を世界にまで拡大し、アジアから欧米まで小さな支店を出すまでになっている。だが、それでも商売相手の規模に比例してすら、かなり人員が少ないというのが実情らしく。実際に働く人員は数百人程度で他の組織に比べても小さいという。ただ、選り抜かれた人員の意識と質は極めて高く、神処に次ぐ程に優秀な人材だけが集まっており、殆ど超人と言って差し支えない彼らは日々、大勢のお客様へ非合法商品を売り続けている。その仕事量からブラック企業と一時期は言われたが、福利厚生そのものは悪いというより“働きに見合わない”と評価されているらしい。また、元々の前身となった商会は江戸時代にはもう成立していた事も相まって、歳を喰った極めて高階梯の能力者がいたりもする。


7.冥王を見守る会


【広報内容】我々と共に未だ覚醒せぬ冥王様をお迎えする準備を致しましょう。SFの方にはSO【冥王防御】を教授致します。会広報担当


解説 この一風変わった名前の会においてよく知られている事は以下の事だ。1.この会に所属する者の大半は若年層である事。2.この会の趣旨は嘗て冥王と呼ばれた巨大な能力者が復活する事を信じ、世間で能力者として覚醒した少年少女達を生まれ変わりと崇め、日夜冥王の素晴らしさを説きながら、その真なる覚醒……冥王となるのを見守る、つまりは会に招き入れて保護するというものである事。3.発起人達となる人物達が極めてヤバイ人物達である事。日本の一部の地域に拠点を持ち活動している姿は傍目には同好会的なノリのサークル活動にしか見えないのだが、基本的には歴とした宗教団体、宗教法人として登記されている。しかし、本人達の極めて人道的な活動……登下校の見守り活動や町内の清掃活動、ボランティアへの集団での参加などから、周囲への風聞は良い。また、若年層の能力者の教育に力を入れており、拠点が無い地域でもネットなどで繋がった子供達は様々な指導を受けているようだ。彼らが本当にそういう邪神復活!! みたいな目的を持った集団なのか。それは今現在のところハッキリとはしていないが、彼らにちょっかいを掛けたならず者の能力者集団が全滅したという情報もあり、その実力の程は未だ闇のベールに包まれている。一部では高階梯SFが密かに冥王の復活に向けて人類を滅ぼせる最終兵器を開発しているとも、そんな冗談にしても苦笑するしかないデマがジョークの種として重宝されているという。


8.黒の一睡会


【広報内容】現状の神処の管理を否定し、世界にDisCoderの存在を知らせる人材募集中。


解説 元々は日本国内で政治活動をしていた政治家や資産家などが所属していた由緒ある団体であった。それが近年の大規模覚醒事件後に内部で何かしらの諍いがあったのか分裂……現在は過激派となった一派を黒の一睡会と呼び、彼らは国内でのkarma関連企業や組織集団に大規模なテロ活動を仕掛けている。この事実によって現在は神処とは抗争状態であり、常に事件の種が絶えない。本拠を潰そうという試みはされているが、過激派の指導層が極めて高階梯である事が確認されており、その拘束や殺害までには至っていない。以上の事から、神処は黒の一睡会に懸賞金を掛けており、下っ端から上層部まで顔が割れた能力者の大半はお尋ね者として多くの組織集団から狙われている。それでも一行に捕まる事なく。それどころか活動を活発化させる組織の全容解明の為、神処は国内組織のみならず、他国の組織などにもテロ活動の撲滅という大義名分を掲げて、協力を要請しているようだ。ただ、彼らの主張はkarma能力者を一般人の中に帰し、通常の免許が必要な技能取得者と同じよう扱うように、というものであり、一概に大半の能力者が彼らを敵視しているわけではない。また、そのテロ活動の大半が能力者をこき使う組織集団、能力者を研究材料にしていると噂の研究所や機関などに限定されている事から、義賊的な一面もクローズアップされており、一部のアウトローの間では爆破された研究施設などが人体実験を公然とやっていたと吹聴されてもいる。真実がどうであるか……それは直に接触してみなければ、見極められない事実に違いない。


9.白の一水会


【広報内容】テロ行為を憎み、その蛮行を止めたいと願う方々のご協力を待っています。


解説 分派した黒の一睡会は元々がこの白の一水会のメンバーで構成されていた。過激派を内部から出してしまって以降、その政治力と発言力は落ちており、脱会する者も相次いだが彼ら自身がテロ活動の抑止として無償で企業や組織集団に対してガードを敷き始めた事で組織の縮小には一定の歯止めが掛かったとされる。ただ、規模が縮小して以降は殆どの人員がそういった無償の防衛活動に従事しており、まるで人手が足りていない事が周囲の組織から指摘されている。そのせいか、テロ活動そのものを阻止するまでの力は無く。後手後手の対応で時折、被害者などからは避難される事もあるものの、全体的には組織の後援者は増えているようで何とか、分派した過激派への対応は破綻していない。karma能力者関係の情報は神処が一般公開を完全に否定している為、彼らに面と向かって損害賠償を吹っ掛けるという事も関連企業や組織集団は出来ない。その為、襲われたところは何処も渋々ではあるが、矛を収める事を余儀なくされている。そもそも黒の一睡会に襲われた大半が黒い噂と疑惑が業界で囁かれていたところばかりであり、その内実を知る者は口を噤むのが大半である。神処もまた被害を受けた場所を調べる事が多い為、表立って事件を避難して、声高に追い詰めようという被害者側の動きはない。やぶ蛇になる事を畏れたテロの標的組織は何処も被害は最小限だった、と口を揃えている。


[国際組織]


1.軍事同盟ARTER


解説 欧米が主軸となった西側先進国のkarma能力者版NATO。それが軍事同盟ARTERである。事実上、米国の主導下で成立した。その力は本物であり、世界各国で活発化するkarma能力者のテロ活動への従事や軍事利用に対して目を光らせ、小国やレジスタンス、無政府主義者、原理主義者、宗教家、企業体などなど……幅広い相手を監視対象として睨みを利かせている。殆どの西側の国において現地国家から選抜した実働部隊を持ち、大国は実験部隊や現地研究機関などを立ち上げ、彼らを要して各国と連携している。米国主導であるだけはあり、活動予算は潤沢で各国に支部や関連施設を多く持っているが、これがよく野良の出来立てホヤホヤなkarma能力者の組織などに狙われる的となっている。理由は単純でARTERそのものが能力者界隈にそういう襲ってくれと言わんばかりな情報を流しているからだ。これは餌の役割を果たし、危ない組織、それもアウトロー集団のような、情報管理や諜報活動に疎い蒙昧な輩を検挙する為の一方策である。正しく蟲のようにホイホイされた彼らはその後、犯罪者としてARTERの非合法研究や非人道的実験に付き合わされる事となるのだ。このようなグレーよりは黒い内実を嫌って個人単位では離反者や脱隊者も出ているが、彼らが処分される事は無い。そして、反抗しようという者もいない。彼らもまた組織の巨大さと内実を……本気になられたら、自分がどれほど優れた能力者であろうと狩り出されるという事実を、肌身を持って感じているからだ。実働部隊は主にスカウトで定員を満たしており、実力者の給料は一月で1万ドル程になるという。大抵はその国の米軍基地などに間借りしている事が多い。


2.総合国際研究機関NAMED


解説 ARTERが西側諸国の雄ならば、NAMEDは東側諸国の二大巨頭である。主に旧ソ連系の中核団体と中国系の中核団体に分かれ、共産圏や独裁国家、独自研究を行うユーラシアとアジア全域で活動を行っている。彼らの専らの仕事は傘下にある組織末端での研究実験と実用化出来たkarma関連ノウハウの祖国への献上、そしてソレを餌にして集まる有象無象のテロ組織や非合法組織、研究者集団などへの関連商品の販売……要は武器商人的な活動と新技術の開発兼卸売兼パトロンである。特に西側諸国との間にある勢力圏、第三世界などにおいては非合法活動が活発でARTERとの現地組織などを使った間接的な抗争が後を絶たない。テロリストやパルチザン、反政府組織、それと争う政府などの機関に顔も広く武器としてのkarma能力者そのものは元より、関連商品も廉売、大量に売り捌いている。西側も現地政府などに働きかけを行っているが、賄賂攻勢などが明確な彼らの方が受けは良く。非人道的な行為を平然と一般市民に対して行う権力者などには西側もあまり良い顔をしない為、内戦地域などでは西側の方が勢力的に劣勢となっている。ただ、明らかに西側の技術の方が高い事は見て取れる為、NAMEDと関係を持つ事を望むのは現地側からすれば安く済ませたいから、という理由が主となる。NAMEDは西側よりも内部での権力闘争が激しく、参加する各国や各国内の派閥という具合に細分化された勢力図を持ち、一体的な行動を行っている末端部隊などは極少数である。人材も一律高階梯な西側と違ってピンキリであり、構成員の大半が普通よりはマシ程度でしかない。ただ、その中には西側の通常部隊を圧倒するような恐ろしい能力を持つ存在も確認されており、単騎でARTERの駐留基地そのものを潰す程の実力者すらいる。彼らは畏敬を込めて味方からは神の代行者たる天使の名を冠され、西側からはブラックリストの最上位抹殺対象として常に動向が探られている。


3.財団


【広報内容】秘密を護れる方、精神分析を受けて頂ける方、ゾンビや蛸の邪神やアメリカ大統領や核スライムや不死身の男などを前にして発狂しない強い精神力を持つ方、時には終了を了承して頂ける方、MainがJCの方大歓迎。D以外の待遇をお約束致します。財団広報


解説 財団に付いて詳しい事を知っている組織は彼らと対等に渡り合うという同じモノを管理する組織のみであろう。彼らは超高階梯のETを複数人所属させており、その内実は一向に外へ出て来る気配もない。ただ、彼らが求めているのは何か人類にとって不利益になるような、人類そのものを滅ぼしてしまう可能性を秘めた代物であり、その事物の隔離や収容、保護がメインの活動となっているようだ、とうい事は朧げにkarma関連団体にも周知されている。触らぬ神に祟りなし。一部のモノ好きと彼らに興味を持った者だけがその門を潜るのである。無論、その先に待っているのが如何なる非業の死であるかは彼らに関わって死ぬ運命を持つ者だけが末期の際に知るだろう。


4.黒幇


【広報内容】MainがSFの方、大大歓迎、JCも大歓迎、MWも歓迎、GNの方はご遠慮下さいア―――[この情報は削除されました。内部コード処理]。


解説 国際組織というものは大なり小なり、各国で共通の認識を使って、多種多様な人材を纏め上げているが、世界規模で展開する彼らの共通認識とは清々しい程に一言、金で統一されている。元々、中国国内においてkarma能力者は黒力と呼ばれる不思議パワーを持つヤバい集団、くらいの認識で近代まで存在していた。しかし、第二次大戦後の文革などを機にして組織化された複数の若い組織が各地の共産党勢力と結託。暗闘を繰り返しながら、昔ながらの非合法組織を駆逐していくとやがて多くの組織が裏社会における内紛に嫌気が差し、時代が国際化の波に浚われると同時に世界の外へ金の生る木を探して身一つ漕ぎ出していった。彼らは実際には一つの組織ではない。また、彼らそのものはばんとは呼ばれこそすれ、徹頭徹尾においてkarma能力で金を造る事にしか興味がない、国際的な華僑系集団を基軸とするようになった拝金主義者の互助組織だ。面子を大切にする祖国の流儀は今や薄れてきており、彼らの横の繋がりは大抵、取引先の下請けか元請けかくらいのものとなっている。ただ、karma関連技術の現代に入ってからの飛躍とそれに伴って増大する関連商活動の規模拡大は彼らにとって順風満帆な追い風であり、殆どの黒幇と呼ばれる小組織の集合体は今や表向き各国の大企業や大商会という事も少なくなくなってきている。アジアとユーラシア全域で幅を利かせ、NAMEDがお得意様で中華街や華僑が生存可能な国家ならば、何処でも、どんな仕事でも金次第で受ける彼らを便利屋として使う者は数多い。確実にそのシェアは広がり続けている。ちなみに何故か彼らの中には不文律があり、何語を話していても語尾にアルを付けるという常識的には考えられない何か呪いにも似た冗談の類にしか見えない慣習を守っている。それを指摘されると彼らは大抵、恐ろしく精神的ショックを受けた様子で押し黙るのだという。


5.破道財閥


【広報内容】ボクシングが出来るMWの方、工作機械を動かせるSFの方、ESPの方を歓迎致します。学者の方なども幅広く当財閥では雇用しております。勤務時間は応相談。


解説 本拠地をアメリカに置くkarma関連企業や研究所は数多い。だが、その中でも特に成功し、財閥にまで伸し上がった者は、成功者と呼ばれるようになるのはほんの一握りだけだろう。そんなアメリカン・ドリームを実現したのが、破道財閥である。この1920年代に一人の男が立ち上げた小さな商会が現代ではアメリカに存在する商取引の8%を占める巨大コングロマリットに成長するとはその時代誰も思っていなかったであろう。彼の男は最初は山師のような仕事をしていたらしく。最初期に無数の事業に先行投資して先駆者としてシェアを確立、大成功を治めた。後に結婚し、彼の一族は破道家という名前を売りに売り、第二次大戦期こそ日系として大規模な国家規模での資産の剥奪にあったものの、10年を待たずして復興する事に成功した。その後も規模の拡大を続けた財閥は今や米国内に多数の関連企業を持つ主要Karma関連企業の花形であり、ARTERなどから大事業の受注を軒並み勝ち取り、連結決算は百億$単位である。表向きも裏のkarma関連も順風満帆な財閥の現在の当主は若くして両親と祖父を失くした一人の少女が担っている。彼女は自身もまたkarma能力者であり、非人道的な研究などを嫌って、本来ならば、そうするだけで今の倍以上の資産と地位を得られるという噂に肩を竦めながら、家庭環境に恵まれないDiscoder達を保護し、自立支援、就職支援などを通して、彼らの日常の為に働き詰めであるという。そんな財団にも黒い噂が一つ存在する。それは亡き彼女の祖父、恐らくはDiscoderであっただろうと言われた財団の開設者であった男が曰く付きのKarma関連やそれ以外も含めて大量の発掘品を集めており、それを使って極秘裏に何か……米国政府にも極秘で強力な《《何か》》を造っている、というものである。この噂を財団広報は一笑に付しており、現当主を擁護する財団所属のDiscoder達はそういった者達を前に猛烈な反発を見せるという。曰く、あの方の悪口は許さない。もし、そうだったとしても、我々はあの方に命を捧げるだろう、と。


6.白欧主義連絡会


【広報内容】白き清浄なる世界の為に!!! 戦って頂ける正義に熱い方を大歓迎します。MainがGNの方は好待遇でお迎えする事をお約束します。広報事務室


解説 元々、白人至上主義というのは米国でこそ活発に議論され、排されてきた経緯を持つが、その本家である欧州において大戦後に勃興したkarma関連の差別原理主義は主にこの会の存在へと集約される。同じ白人同士の大戦争。然る後、敗北した国家には大量の移民が、もう一方の勝利した国家には人権の波が、どちらも遺憾ともし難く到来したのである。これに憎み合っていたはずの国家に属す者達の大半が一つの結論に辿り着いたのはまったく以て、必然であろう。そもそも欧州の中核を担う大国の一つ、独逸は第一次大戦前から移民や別の国を祖とする民族が多種多様に混じり合う人種の坩堝そのものであった。対して、米国もまた人種というものを人一倍労働力として集めた結果、南北戦争から始まり、奴隷解放、黒人差別の禁止と歴史的に苦労した経緯がある。これらの国家に勝敗があってすら、内実の変化を拒絶する者はいた。それが法律的に禁止され、社会的なイデオロギーとして悪と断じられるようになれば、そこには感情的な発散の場が必要であった事は言うまでもないだろう。そういった反人種差別の波は連合国を軸に少しずつ広がっていく事となるが、連絡会はそのような時期に生まれた組織であった。彼らの主張は単純だ。住分けられるだけの国家を……真に『あの人種は根絶するべき』というガチガチの差別原理主義者も混じってはいたが、概ね彼らの主流派は『彼らの住む世界はあってもいいが、我々の住む世界も用意して欲しいものだ』という穏健なものであった。現在に至り、彼らは近年の戦争に端を発した歴史に残るだろう民族大移動、移民、難民の増加と共にその勢力を順調に増しつつある。内部でも強硬論を唱える者が多くなっている、という実情を抱えてもいるが、それは未だ大問題とはなっていない。グローバリゼーションによるローカルという枠の破壊、国家を国家よりも大きな規模のものが変えていく事態が齎す、歴史的な経済、軍事、政治、人口の変化は確実に欧米の人々へ反移民、白人至上主義への足掛かりを提供し、それを差別的だとポリティカル・コネクトレスによって攻撃する正義を標榜する人々の意見の増大が更にそれで不利益を被る人々を“であるべき論”へと走らせるのである。karmaの大覚醒が起きて以降、第三世界からの能力者の流入は恐ろしい勢いで始まっており、各国はこれを抑止するべく、人道論を脇に置いて動き出したものの、時既に遅く。無政府状態の地域が拡大するに連れて、会もまたバックに付き始めた巨大な資本を元に現在の社会の変容を嫌う社会層からの厚くなりつつある支援で更なる行動へと動き始めた。彼らは人々に問い掛け、二つの道を示すだろう。それは二元論的ではあるが、生物の本能であり、社会がどれだけ成熟しようと無くなりはしない根源的な欲求への問い掛けだ。今の生活を融和という言葉の為に捨てるか。今の生活を破壊から守る為に抗うか。総じて……彼らの支持が集まる知的インテリ層や中流層、移民や難民との摩擦が多いダウンタウンなどの人々はこう応える。今こそ、我々が住み良い国を!!! まず、政府は国民を護り、まず政府は国民を第一とせよ!!! それは《《まだ》》少なくないはない我々白人!! そして《《祖国人》》の事である!!! と。彼らの活動地域と構成員の出身地域が西側主要先進国に偏っている事は当然であるが、彼らの標的は人種のみならず、そういった無政府地域と化した区画で犯罪を起こす同人種もであり、一種の自警団的な側面も持ち合わせる。移民、難民へのテロリスト的な側面や地域での《《元々の国民》》への福祉支援など、社会福祉団体的な側面もあり、彼らはその国家の枠内でならば《《誰にでも成り得る》》事だろう……それこそテロリストにも被害者にも加害者にも支援者にも……。このように意図的な他民族のkarma能力者狩りは反白人、反国家、宗教原理主義、テロリズム、人権擁護の波となって逆に国家を襲う事となるが、それもまた彼らの力として蓄えられ、それはまるで尾を互いに相食む蛇を想像させる構造であろう。特にDI、ETに偏って所属能力者達は増えており、彼らの主義主張がその人員構成からは透けて見えるのである。


7.世界邪眼愛好会


【広報内容】日本製のANIMEが好きな方で幅広く語れる方を募集しております。また、当会の趣旨と致しましてGNの方はご遠慮願います。『邪眼』と名の付く能力を持つESPで女性の方ならば、当会の秘儀によって更に順化数+1の儀式を行えます。SNS広報アカウント


解説 日本に端を発する中二病文化は今や世界共通言語である。昔から中二病ぼくのかんがえたさいきょうのきしを発症していた欧州各国は正しくこの一大ブームに乗った。彼らはハッキリ言えば、能力者としては三流、市民としては四流、納税者としては論外、そして家族にもうそろそろ卒業したら?と諭される人々の集まりである。karma能力者として覚醒していながら、その大半が恐ろしく弱い力しか発現せず、また未だに関連組織や集団からのお声も掛からないという人材の底辺でありながら、他とは違うという存在意義(アイデンティティー)を確立してしまっている。彼らは正しく能力者を表現する最高の現物であるアニメや漫画の聖地である日本へ重いものを馳せる極めて善良な限りなく一般人に近しい大別された第四の勢力である。シリアスでもコミカルでもリアルでもない、学校に通っているならば、スクールカースト最下位間違いなしの日本被れの何かだ。だが、しかし……彼らが近年のSNSの流行によって横の繋がりを獲得していく過程で何かオカシイと気付いた組織や集団もあった事だろう。単なるネット上の集まりに過ぎなかった彼らは今や世界中で勢力と規模を拡大し、成人前の若年層と成人後の若者層を取り込んで、愛好会を名乗っては彼らに対して誘いを掛け始めた組織や集団に敢然と言ってのける『―――僕らは単なる一般市民ですよ?』と。そんなの知った事かと各国の特殊部隊や能力者達が彼らを狩ろうとした時、何が起こったか。それを記録する情報はあまりにも少ない。それはとても当然の事であったが、大覚醒が引き起こされた世界において殆どの若年層にとっての幸せとは正しく《《自分達が脅かされない事》》であった。自警団や自衛の為の組織というものは大半が他の既存組織によって潰されるなり、吸収されるなりという中……能力を使う場所も無いのに能力に自己の拠り所を持つ彼らのような子供や青年層は社会の異物として孤独を味わう事が多く、内心ではこれを忌避していた。そこに情報社会の到来が重なった。これが何を意味するか? それは《《何処にでもいる人々》》の連帯という極めて恐ろしい《《規模の拡大》》を招いた。能力が日本文化の広めた娯楽と相性が良過ぎた、という事もあるだろう。その中で語られる道徳や価値観、今現在の大半の国家において達成されない現実、勇気、友情、努力、根性、恋、愛、そして護るべき何か、それを《《仲間》》という別の自分に投影した層が一斉に動いた時、何が起こるか? 彼らを狩り出そうとした特殊部隊、能力者部隊の多くは殆ど何も語らないが一つだけ確かなのは目に関する恐怖を口にする事だ……無数の目が、彼らを見ていたのだという。あらゆるものを見通す瞳……その国家において確実に弱者であろう能力者達の決死という名の瞳……そこにはどんな能力者だろうと関係なく圧殺する《《数の暴力》》という一点において国家すら転覆させるだけの力を持ち得た組織集団があった。彼らは表向き小規模な各国の中では目立たない存在である。だが、その輪に入る事が可能なSNSには今も別組織に入ってすら入り浸る者が後を絶たない。彼らは何処にでもいる。そして、どんな組織にも存在し得る。その数が明確にならない限り、彼らを無理やりに勧誘し、狩り出す事は不可能だろう。何故なら、その国の能力者組織にどれだけ彼らのシンパがいるのかなど……調べるだけで彼らの逆鱗に触れるはずだからだ……彼らは言う。日本に行ってみたい、と。きっと、そこでは漫画とアニメにあるような日々が、少なからず存在しているに違いない……そう無邪気に笑うのだ。それは文化の勝利であり、日常に近しい者に非日常の象徴が敗北するというkarma能力者の世界で初めて観測された極めて重要だが、価値の無い事実である。第四の勢力……それはシリアスでもコミカルでもリアルでもない……《《彼ら》》というサブカルなのだ。


8.火星自治独立共栄圏


【広報内容】ワレワレハ、ジンルイトオナジタイヨウケイジンデアル。ワレワレノ、ジチドクリツヲ、シエンシテイタダケルカタ、ボシュウチュウ。イマナラ、アイテム『嬌星円盤群』もしくは『虚船』ヲシンテイ。モクセイケンノエンジンコウジョウ、カセイチカノダイヒョウカイ、オハナノナマエノジゲンチョウヤクキカン、多様な観光スポットなどを回るツアーも行っております。共栄圏広報部門


解説 宇宙人、というものを人々は信じているだろうか? 信じてるという者もいれば、いや全ては政府の陰謀だという陰謀論者、あなた疲れてるのよと相棒を気遣う捜査官みたいな顔でオカルト好きを諫める人もいるかもしれない。だが、厳然としてkarma能力者界隈で燦然と輝くオカルトそのものが存在する。それが火星自治独立共栄圏、俗称カキョウケンである。黒幇辺りから紛らわしいとクレームも付く彼らは世界規模で活動しながら極々小規模な商業活動を行う正体不明のSFだと思われている集団である。その殆どの人員が目撃されこそすれ、捕らえられた事はなく。実在を怪しむ国家機関すらあるのだが、事実として彼らは200年前から同じ名前で各国のあちこちで活動していた事が確認されている。大抵の国家で能力者はそれなりの認知を受けて来たが、彼らに付いては大昔から何らかの形で歴史上の痕跡が残っており、南米の滅んだ帝国や中東の大国の紀元前の物語にすら出て来ると主張する研究者もいる。そんな彼らがやっているのは主にSFが作ったと思われる極めて非常識もしくは規格外と思われる商品の販売だ。SFの創った疑似科学の産物がそのSF個人の手を離れても機能する、という事を近代の科学者が事実として記録したのは主に彼らの創ったアイテムを手に入れた事に由来する。これが現代のSF関連の技術取得と人類の科学の発展に寄与しているというのだから、彼らの言っている事が間違っている、と判断するのも早計だろう。と、多くの研究者達はその冗談のような名称を前にして黙考する。無論、彼らは紀元前から疑似科学を発展させて宇宙に旅立ったSFを種族的な発症傾向に持つ人類の一部だ、という最もらしい説もあるにはある。が、彼らの姿がそもそも黒いローブ姿で顔を覗き込んでも真っ黒い空間だけが見えるという極めて精神衛生上よろしくない代物であり、各国が保有する殆どのkarma能力者よりも高位階梯にあるという事実を持って、多くは宇宙人という夢物語を有り得る可能性の一つとして留意するのである。彼らの組織に入ったという人々は地球上に極少数だが、存在する。そして、何らかの活動もしているようだ。しかし、それらの大半がよく分からない鉱石を掘り起こして《《本部の人》》に渡すだとか。よく分からない海底遺跡を探索させられて、そこから第二次大戦中の潜水艦を引き上げるだとか。よく分からない極点近くの山脈でよく分からない生き物を倒して連れて行くとか。本部から来た人にkarma業界での生活の仕方を教えたり、仲間になってくれそうな人間を紹介するだといか、そういうのばかりで実際何がどうなっているかを知っている者は殆どいない。ただ、幾つかのkarma組織、機関は彼らの正体について知っており、その隠蔽に関わっているとも目されている。財団や月面第四帝国、冥王を見守る会等とは友好関係にあるらしく。彼らが時折、支部や本部で出店している姿を見かける事もあるという。


9.月面第四帝国


【広報内容】某動画サイトで閣下の字幕動画を作って頂ける方を募集しております。更にJCの方とライヒの科学力は世界一だと思われるSFの方、MWとして働いて頂ける方などは近年の映画成功に続いて新作を出す為のスタント役として優遇致します。第四帝国広報


解説 世の中には知らない方が良い事もある。その筆頭こそが、月面第四帝国である。この組織は第二次大戦終了とほぼ同時期に世界各地に支部を儲け、近年になるまで数多くの諜報活動を非合法で行ってきたとされる。時にアメリカで赤狩りの際に誅罰と称して共産主義者を狩り、時にイギリスで裏切り者に死を、と彼の国に亡命した工作員を暗殺し、時に南米で連合国に与しない国家に武器を流しながら、資源開発に手を出すという具合であった。その跳梁は南米を拠点として世界各地へと行われていたらしいが、現在は拠点の細分化が行われ、世界に存在する国家の大半で彼らの子組織が乱立しているという。彼らが何をしているのか? それを知る者はそう多くない。欧米のkarma関連組織の大半が彼らに関わる事を大抵拒否しているからだ。その理由は彼らが単純に強大な力を持っているから、というだけではない。彼らの子組織の中でも指折りの規模を誇るようになった国などが米国の戦争に巻き込まれる事がこの数十年で数回。更に戦争の裏で能力者同士の大抗争が起こったというのは裏社会でも公然の秘密である。関われば、それだけで米国関連のkarma機関に目を付けられる。大小の差はあれど、今現在ARTERとまったく関わっていないという組織はとても限られている。そこからの圧力などが掛かる事を避けたい殆どの人々はそれ故に彼らとの関係を大抵忌避するのである。そのせいで米国や欧州の組織もまた実態を把握し切れておらず。現代では地下に潜った組織の狩り出しは極秘裏に行われるARTERの恒例行事であるという。しかし、それでも彼の組織の力を欲するDiscoderは存在し、近年ではリクルーター達の勧誘も巧妙化している。日本などでは動画サイトなどでリクルーター達の上げた動画によって彼らの象徴が概念化、普遍的な悪の象徴として逆に人気を集め、それをネタとして大きく勢力を伸ばしているらしい。その大半は何も知らない人々であるが、だからこそ嘗て彼の国で主張されていた、歴史の闇に葬られようとしている事実や真実に触れる機会は大抵の欧米各国の人々とは比べものにならないくらいに身近で多いはずだ。フリー素材として彼らの象徴が一つの分野を形成し得る日本の土壌において、第四帝国はありのままの真実を人々に提供し得る。それは欧米が今まで自国民へロクに教えて来なかった事実であり、全てが悪と教えた故に降りかかる連合国への猜疑となって、人々の意識に拡散していくだろう。絶対悪など戦争には存在しない。過去の戦争で人々が民族を一掃する事などそれこそ本当によくある話であった。そして、それは翻って欧米の侵略や入植、征服の歴史であり、彼らの人道的な主張はまだ生まれて数百年も経たない国家の一時的な思想に過ぎないのかもしれない……という疑念は戦勝国の何処も認めはしない仮定だろう。誰も国家の決める明日の人倫など保証出来はしない……今日、米国が世界を滅ぼしても……明日、欧州が世界を滅ぼしても、勝者が歴史を書く限り、常に正しいのは生き残った者達だ。それを人々に布教してこそ、彼らの壮大な復讐劇はやがて身を結ぶだろう。勝者が歴史を書く限り、それを検証する者達もまた存在し、反逆の芽が決して潰れる事は無い。タブーという名の蓋で己の正義を勝者達が主張する限り、月の裏側で胎動する国家もまた嗤い続ける。目指すべきは相手が悪で自分達は正義だという勧善懲悪の体面や主義主張ではなく、ありのままの事実を受け入れる覚悟だといつになったらあいつらは悟るのだろう、と。


10.今日の晩御飯


【広報内容】共に満員電車に乗って頂ける方、学校に入って頂ける方、共に絶対領域に付いて熱く語り合える方、警察官僚と顔見知りの方、国会議員に繋がりを付けられる方、カメラマン、漫画家、イラストレーター、同人誌販売に協力して頂ける方、夏と冬に東京で永い行列に並んで頂ける方、ポリコレ棒を叩き折れる方、お待ちしております。フィクションとリアルの区別が付かない方、高階梯GN、警察権力の狗、ヲタサーの姫になりたいメンヘラ、怪しい人権団体、自称有識者の関係者はオカズにもならないので御遠慮下さい。今日の晩御飯一同


解説 彼らを一言で言えば、過激なHENTAI集団である。その性癖を満たす為にあらゆる非合法行為に手を染める犯罪者集団として一部の所属者達はICPOなどの指名手配などを受けている。元々、欧米で彼らは古くからある黒魔術を行うカルト集団であったとされる。しかし、近代から現代に続く時間の中で日本文化などが発信されるに連れて、その内容は非合法のカルトと言うよりはより欲望に忠実なHENTAI行為を肯定してくれる存在の吹き溜まりとなっていった。その際たる理由がサブカルチャーの発達であった。輸出された多くのANIMEやMANGAは彼らが今まで認めて来られなかった時代的な背景や倫理を一部肯定していたのである。日本の性産業や表現規制そのものが他国と大いに違っていた事も理由の一部であろう。巨大で多種多様な性癖を満たすだけのマーケットが存在する日本に引かれた彼らは自らが要する秘儀などは受け継ぎながらも、それを自らの欲望を満たしてくれる文化の蒐集という目的に特化して使用洗練させていった。結果、インターネットが普及した現代、彼らはネット上にて世界最大のHENTAI性癖共有集団へと変貌し、合法非合法を問わずに出来る限り己の性癖を満たす映像、画像、現物を手に入れようとするヲタクの集まりと化している。無論、非合法な手段も問わないので各国では犯罪者である者が大半であろう。しかし、それと同時に彼らの中に生まれた流儀は一見して偏っているが故に見過ごされがちだ。彼らは真の意味で犯罪者だが、真の意味で《《政治的な平等》》を標榜するようになったのである。それは彼らが欲するのものが表現の自由であると彼ら自身が気付いた事に端を発する。自分達が非合法行為を犯す程に自分達が求める性癖に対して世間が厳しくなっていく。ならば、そういった世間が凶悪と判断するような非合法活動は控えめにして、政治的な意見がバランスの取れた部分で均衡を保つように誘導しよう。そうすれば、多くの国家で規制される表現にもやがては行き過ぎたリベラルや保守的な考え方を是正する波が押し寄せ、全てを押し流してくれるはずだ、というのだ。その為、彼らは積極的に国家の倫理を預かる公的な組織やそれを動かす者達、つまりは政治家や官僚などに接触を持ち始めた。それをあらゆる手を使って自分達側に引き込み、堕落させる。ついでに極端な表現規制を行おうとする全ての集団に対して敵対的な攻勢を掛け、公的な自滅や秘密を握っての脅迫で社会基盤上の主要意見から脱落させる。このような活動は世界規模で秘密裏に行われており、あらゆる国家で陰謀論者の語る秘密組織張りに活発な動きを見せている。ARTERを始めとしてNAMEDや神処、他にもkarma関連の国家機関では彼らのせいで性癖が暴露されて左遷されたり、過激な表現規制を行おうと主張する人々が次々に顔面蒼白の事態で権力の座から遠くなるという事がよく起こっている。ただ、彼らにも活動を休止する日が年に二週間程あり、夏と冬は大抵日本で行列に並ぶらしい。彼らにとって政治活動など、今日の晩御飯(オカズ)を確保する以上に重要な事では無いのである。


11.光導黄昏教団


【広報内容】邪神の復活を助けて頂ける方、共にこの醜くも残酷な世界に反抗したい方、この世界の神を打倒し、共に新たな世界を築いて頂ける方、組織の介入にも動じず、時間跳躍を行って頂ける方、カノッサ機関について知っている方を優遇。MainがSFで【スーパーハカー】の能力を持っている方、MWの【洗脳耐性】を持っている方にはアイテム『2036』を進呈致します。教団人事部


解説 光導黄昏教団こうどうたそがれきょうだんは世界中に支部を持つ能力者専門のカルト宗教の一団である。その教義は邪神の打倒。そして、新世界の構築という正に役満のキチ○イと多くの組織集団からは思われている。ただ、それでも彼らの活動が公になって酷評された事はまったくない。何故ならば、彼らの大抵の活動が社会福祉活動であり、よく分からない主張をしてはよく分からない団体と抗争し、特定の機関への諜報を行っているだけだからだ。殆ど世間様に迷惑を掛けていない、どころか。表の顔では超超超優良なNPO法人、社会福祉の新たなる担い手なんて報道までされるくらいであり、老人介護分野では巨大な介護職産業の一部を担う事となっている。このような点で教団は他のkarma関連組織よりも大人しい部類だろう。ただし、彼らが真に畏れられているのはそういった闘争の分野ではなく、もっとオカルト的な部分でだ。公然と自分達は時間跳躍を行っていると明言し、その上で実際、彼らの預言などが当たっている事はkarma業界の常識だ。活動資金の大半が公的な賭博で出た儲けであるという信じられない事実が平然と税務調査でも明らかになっていたりする。未だ、時間の完全な跳躍能力はESPやSFの疑似科学などでも確認されておらず。その可能性を秘めた彼らに対する各国の諜報活動は恒常的だ。だが、まるで全ての未来を見通しているかのように彼らへの諜報活動が身を結んだ事例は一度足りともない。それが益々彼らの神秘性と公言する情報への信憑性を高め、各国を躍起にさせるらしい。しかし、一部の高位階梯者達は周囲の者達へ彼らと極力関わらないよう伝えているという。その理由を訊ねれば、答えは一律にこう返って来る。『あの《《抵抗者達》》に関わるのは邪神との大戦争が見たい奴だけにしておけ』と。


12.コモンズの護り手


【広報内容】環境破壊が許せない!!! 企業活動言語道断!!! 美しい自然と地球の未来を守る為、SFやMWの能力を持つ方を歓迎致します。MWの方には我々のマスターからアイテム『ビーム布』を進呈!!! キマイラの方がいらした場合はアイテム『シャッフル・キマイラ同盟証』を進呈致します!!! コモンズ広報


解説 コモンズの護り手は簡単に言えば、環境テロリストである。先進国内ではよく主義主張で環境保護を題材にして大きな関心を集める人々がいる。彼らもその類であるが、他の団体とは明確に違う事が二つある。それは一切資金を所属者個人や寄付に求めない事。そして、本当に環境を守る為に犯罪行為に手を染める事が出来るか試す事だ。このコモンズの護り手を始めに興したマスターという人物は公表されている限り、中国人であり、祖国の環境汚染を止める為に立ち上がり、世界各国での環境破壊の実体に触れて、テロ以外に留める術はないと思い立って現在に至るのだとされる。この団体がテロを行う標的への行動は三段階に区切られる。1段階目はその企業の体質を見てから、現地での事務所や機械の爆破を行う。2段階目はその現場での環境破壊がどれ程の災害となるかを綿密に調査した情報を送り、開発の自粛か縮小を求める……これが受け入れられなければ、その情報をネット上に公開し、世論を動かす。この際には内部情報が大量に盗まれて、その企業が実際に行おうとしている事がどれだけ悪辣な乱開発であるかをバラすのだという。そして、それでも開発を諦めない場合、開発企業とその指示を行う大手の役員や会長職の人物を拉致、監禁する。これで手を引けば良し。それでも手を引かないならば、殺害する。そして、同時に更なる拉致殺害を仄めかす。このスタイルを貫き続け、その上でkarma能力者である彼らは通常の公的権力からは一切追及を受けない。その国家機関に属する組織からの追撃を受けはしても、逮捕されるのは末端ばかりで全ての情報を握る幹部級はまったく一人も捕まっていない。一部の情報では幹部級は全てキマイラで構成された選りすぐりの集団であり、殆どの機関が返り討ちや手痛い損害に合うのを恐れて本気で潰しに行けないという話もある。更に彼らの狙う者の大半が乱開発をする業者や悪辣な環境破壊を行おうとしている者に限られる事や、その情報をネット上でばら撒いている事から、追及しようとする組織への世間(裏社会にだって世間はある)からの風当たりを気にする空気もある。karma業界でも環境破壊は話題のトレンドの一つであり、一部には義賊的な行いに同意する意見もある為、組織内の統制を保つ為にも大っぴらにはテロリストだと追撃はしても、本気での検挙は考えていないというのである。また、彼らの大半が大抵、karmaとは関係ない一般人の組織に対してちょっかいを掛けるだけで他組織との大規模な抗争や大きな野望や大義、技術や知識や秘密を持っているわけでもない事も検挙側のやる気を削ぐ要因だろう。簡単に言えば、彼らはkarma業界に対して大きな迷惑は掛けていない。国家機関の組織にしてみれば、仕事を増やしてくれる面倒な人々であるが、そこに確執のようなものは一切無いのだ。人を殺すのが目的ではなく。行為自体も段階を踏んで相手に警告しての環境保護活動という名の犯罪行為に過ぎない。これで彼らを捕まえようとキマイラの集団相手に喧嘩を売るなんてモチベーションの下がる事甚だしい話である。裏社会において利益は最優先にされる代物だ。組織の内部統制に影響し、自分達に直接喧嘩を売って来るわけでもなく、世間からは一部義賊的に見られている組織を自分達が人員に大ダメージを負う事を承知で潰しにいく、なんてのは正気の沙汰ではない。これを知ってか知らずか。環境テロリストは今日も温い追撃を撒き、世界各地で自然の守護者と人々に言われながら、環境の破壊者と戦い続けている。


13.シャンバラ技研


解説 世界のkarma研究の潮流は主に主流派、非主流派、機密派に分かれているが、その中でも機密派最大の個人研究所こそ正式名称シャンバラ技術研究所である。彼らはARTERにもNAMEDにも技術提供し、見返りにパトロンとしての協力関係を構築しており、極めて平等に新技術を世の中に伝播させる事を目的とした技術開発集団である。karma能力者の所属者はSFに限らず多様であり、職場環境も良好、研究職で働きたいマッドサイエンティスト向けの現場と言える。ただ、彼らの研究は殆ど非人道的なものばかりであり、大抵人間を素材にしている事が多く。それを察している中小のkarma関連組織とは折り合いが悪い。しかし、彼ら研究所も一枚岩ではなく。複数の派閥に別れており、内部での暗闘も行われているとされる。欧米と日本の大覚醒を促した研究にも一枚噛んでおり、神処とは現在も技術交流が行われていて、人員の相互派遣なども続いている。特に非人道的な研究による医療技術分野の進歩は凄まじく。大脳生理学を軸としたkarma研究においては脳のスペックを上げる改造技術が大きく飛躍。他にも人体の欠損を補う機械や人体そのものを置き換える機械、人間の脳内情報の抽出と入力を行う機械などが次々に開発、精度の向上を期待されているという。実体としては完全に物語としてのSFを地で行くようなサイバネティックスの領域に片足を突っ込んでおり、ガイノイド、アンドロイド、メイドロボ、セクサロイドなどの研究にはkarma関連企業から多大な期待が掛けられている。いつの時代も労働力、性産業、人材は高価な代物であり、これを安価に大量供給出来るようになる事が企業にとっては夢なのだ。パトロンの半分は国家機関、更に残りの半分の半分は企業体、後の25%は死にたくない資産家の老人達からの寄付で技研の運営資金は賄われている。ちなみに求人は行われておらず、彼らは専門のスカウト部門を持っており、リクルーター達が各国の有力なSFなどに声を掛けて回る姿が確認されている。


14.ニューオーダー・ゲームス


解説 karma関連業界においての企業組織としてのBIG3。つまり、金を稼ぐ事に掛けて3本の指に入るのがこのニューオーダー・ゲームスという娯楽産業の雄である。彼らは元々、普通のゲーム会社であったとされている。欧米で今にも潰れそうだった会社が持ち直し、現在のような大企業に昇り詰められたのはたった一人のDiscoderが入社した事に端を発している。それがJCの能力を持つ者……現在、会長職に就く男である。彼は会社に入るなり、社運を賭けた最後の商品を大ヒットさせ、次々に娯楽分野で大手の二番手や三番手に付けるヒット商品を連発。挙句、その開発予算は極めて小さくコンパクトにまとめる事へ成功した。結果として企業体力と技術を身に着けたゲーム会社は娯楽産業全般へと業務を拡大。現在はカジノ経営を主軸とし、関連企業を複数傘下に持つ化け物企業へと変貌した。彼らは規模の拡大途中からkarma関連企業として名を馳せるようになり、特にRDを用いた現代の決済システムを具体化した事で多くのDiscoder達の生活に革命を齎した。その際たるものがRDを増やせるカジノの開業である。様々な国で現在運営されるDiscoder御用達のRDカジノは能力の増強、RDの増加、更に各種アイテムの取り扱い、RDの現金化等を行えるシステムを有し、先進国内では複数地域で、第三世界でも数か国で開かれる最大のDiscoder用賭博現場である。無論、賭博である以上、敗者もいれば、勝者もいるが、企業が儲かるようになっている。しかし、この点でニューオーダー・ゲームスが画期的だったのは利益をカジノで追及していながら、その利益の半分以上を使用者にアイテムや様々な特典として還元しているところだ。表向き普通のカジノも経営する彼らはそちらの本業で十分に儲けており、Discoder達に対しては平等で良心的とすら言える企業活動でその生活や娯楽分野を支える唯一無二の存在となった。これが会長の示したDiscoder関連の娯楽市場への基本理念であった事は後に英断であったと語られる事が多い。Discoderを誰だろうと味方に付ける事で市場全体の独占を狙っての事と言われているが、それに大半のDiscoder達が悪感情を持つ事はない。現在Discoderとなった人々の大半がニューオーダー・ゲームスに対して抱く感情と評価は『この世界に無くてはならない企業』というものであり、もしテロリストなどがカジノなどを襲撃したならば、彼らがどんなに憎み合う組織同士の所属者であったとしても、協力して敵を撃滅するだろう。賭博の現場で殆ど問題が起きないというのも彼らがニューオーダー・ゲームスを争いの場にしたくないと考える故である。ちなみに彼らは一私企業に過ぎず上場などはしていない。また、人員の確保も自前で行っており、求人は表向きの業務を行う企業本体ではされているが、裏家業であるkarma関連企業としては一切行っていない。


15.ラスト・パーティー


解説 正体不明の無頼集団。それがラスト・パーティーを名乗る謎のkarma結社である。彼らは日本で言うところの侠客、中国で言うところの武侠、アメリカで言うところの映画の主人公の集団と世間的には言われている。その所属者が結束する主な理由は強さを求める同志だから、という何とも曖昧な代物であり、組織への所属には現在の所属者からの紹介と試験の通過が義務付けられる。だが、所属者の得られるものは強くなる秘訣の伝授やら強くなれるアイテムの授受やら、大半大雑把な代物であり、必死になって所属した者でも初心者は生活に困窮して抜ける事が儘あるとされる。ただ、所属者の中でも数人いるとされる幹部級は全員が超高階梯能力者であり、ほぼ人類最強の上澄み層と他の組織集団から言われて久しい。また、karma能力者関連組織の中で唯一、抜ける事に何ら恐ろしい罰があるわけでもなく。抜けたら放置している事が大半の為、彼らに認められて入りながら抜けた能力者は自分の力が強くなるに連れて、よく抜けたのは若さ故の過ちだったと今の柵で雁字搦めな自分を悟り、過去の行いを恥じるという。また、彼らは所属者が別の団体に所属する事となった後もその相手を一応は仲間だった者として認めており、その脱退者が任務で死に掛けるなどした時、颯爽と何処からともなく顕れ、その者を紹介した人物が己の命を賭して敵を退ける、という事例が時折確認されている。結果として彼らは多くの団体から人情の人、義理堅い人物、その上で強く気高い奴らという称号を受けている。であるから、彼らを死なせるわけにはいかないと秘密裏に支援する団体や団体の一部個人などが後を絶たず。そのkarma関連集団において異様とも言える組織力の無さにも関わらず、今も己の強さを極めるという信念を諦めぬまま戦い続けられている。彼らはその自らの行いの誇り高さ故に多くのDiscoder達にとっての憧れとして語られる者達なのだ。彼らの活躍を描いた漫画やイラストなどが専用SNSなどには溢れており、英雄視する幼年者も多い。ただし、彼ら自身はこのような現状をあまりよく思っておらず、自分達のような強さしかない人間になろうなどとは露程も思うなと憧れから組織に入りたいと希望する者達をあしらうのが常だと言う。


16.カノッサ機関


【広報内容】我々の組織はラ・ヨダソウ・スティアーナとは一切関係ありません。無言電話、何処の並行世界の話か分からない意味不明のイタ電、我々を弄る為にやっているとしか思えない迷惑行為はお辞め下さい。機関で働く人々にとってそれは間違いなく犯罪です。ラ・ヨダソウ・スティアーナについてはしつこく訊ねられた場合、機関指定の弁護士に対応を検討して頂く事にもなりかねません。永遠吹雪さんの事をディスる行為も頻発しております。本人の精神安定の為にもそっとしておいて下さい。我々は健全なGNの集団です。ラ・ヨダソウ・スティアーナ!!! カノッサ機関本部入口前の張り紙より


解説 正体不明の謎の組織。それがカノッサ機関である。karma能力者界隈で謎とか秘密とか機密とか真実とか言われると大抵知ったら知ったでトンデモな類やよくある~と言われるような想像の範疇な出来事が多い最中、この組織に付いてだけは本当に何処の組織も実体を掴み切れていないところがある。ただ、機関そのものは日本国内の都内某所に置かれており、普通の雑居ビルに入っているとされる。そのフロア前の階段のドアには広報内容のような張り紙がしてあり、何やら物凄く迷惑を被っているらしい事が伺えるのだが、事実は外部に出て来る事も無い。自称GNの団体という事で多くの組織が間諜や諜報活動を行ったが、雑居ビル内部には黒電話が一台置かれた机があるのみでペーパーカンパニーの一種だと多くの組織で結論付けられた。だが、現実にカノッサ機関が関わっていると言われる事件は起こっており、カノッサ機関本部から冗談としか思えない人数が普通に《《何もない室内》》から飛び出していく様子を監視カメラが捉えていたりと組織が何か強大な力で実態を隠蔽しているのは確定的と噂されている。だが、一度監視を引き上げた組織は何処も不自然な程にカノッサ機関に対する調査を打ち切る事が常であり、既に様々な組織が高階梯GNの集団による洗脳や情報誘導によって操作されている、と見る向きもある。結果として多くが不気味に思いながらもその機関のエージェントだと目される人物からは遠ざかる事が一般的なDiscoderの生存方法の一つとして認知されるに至った。彼ら機関の事に付いて一つ分かっている事があるとすれば、それは代表者が『永久吹雪(とわ・ふぶき)』という名の人物である事だけである。エターナル・フォース・ブリザード、相手は死ぬという名言がどうやら本人を苦しめているらしい。


5.2【-支部俯瞰図録-】


【代表的な支部・本部】


此処では神処が日本国内において設立した支部の中でも代表的な場所及び本部について言及する。神処に所属する者達はこの支部の何処かと繋がりが出来ているだろう。それはつまり彼らの保有するリソース、所属NPC人材やその支部関連の施設、貸与されるアイテム、周辺に集まる組織へのコネクションなどにアクセス出来るという事である。


1.北海道/函館支部


北海道全域の支部へと人員を派遣する北の主要支部、地理的に共産圏や旧ソ連との関係性が大きく、冷戦下では侵入してくる工作員であるDisCoderの処分や亡命の幇助などを行い、米国との関係が東京本部の次に大きかった。そのせいか、米軍との合同研究施設を有し、東側諸国との玄関口として折衝先に選ばれる事から、やたらと福利厚生兼接待用の箱ものがバブル期から造成され、現在も削減される事なく使われている。全国の支部からは安心して寛げる慰安旅行先や強化合宿の訓練先などに選ばれ、本部のお偉いさんなどはよく来ているという。本部の次に外国籍のDisCoderの駐在が多い。karma発現率がメインのMWとSFに偏っており、中には物語の中に出て来るようなトンデモ兵器を振り回す者もいる。ただし、彼らの使う兵器は本人以外が使ってもまったく使い物にならないどころか。リバースエンジニアリングも出来ない、未知の構造となっており、科学の範疇での再現性がない。


2.東北/青森仙台合同支部


第二次大戦中は本州最北端の護りとして、冷戦中は北海道が落ちた場合の本土最終防衛ラインとして整備されたkarma関連施設が紆余曲折を経て統合された合同支部。そのせいで技術力のみならば、本部に並ぶ程のものと噂される。だが、支部の中で最もkarmaの軍事利用、DisCoderの軍事組織化が進む合同支部はさながらPMC《民間軍事会社》のような趣であるという。ただ、表向きは目立つような部分もなく、単なる本部の下部組織とされる。しかし、本部が何らかの理由で使用不能になった場合の本部機能の遷し先として予定されているという事実もあり、ハード面ではひっそりと地下が拡張され、他の支部を呑み込む程に広大な施設群が建造されているらしい。東北は煽情的なカルマ案件などが少なく、国内で見た場合でも殆ど事件らしい事件が起こっていないという極めて安定した地勢を誇る地域であり、またその事件発生件数の少なさから人員を持て余し気味で他の支部に転属となる者が半数以上とも言われる。この事から各支部の東北からの出向者に関する評価は粘り強い兵隊、そして本拠地である合同支部は軍人みたいなDisCoderが多い場所という程度の認識に過ぎない。米軍関連施設が密集する地域でもあり、米国との関係は北海道の次に大きい。karma発現率はメインがMW、サブがDIとSDに偏っており、北海道支部のような有名人や個人的能力の高い者はほぼいないが、黙々と超人的な働きをする人材が眠っている。


3.関東/東京本部


日本最大のkarma研究機関である神処の前身組織-国立中央カルマ研究所-通称コウカケンの設備がそのまま敷地内に存在する霞が関の一角にあるビル。其処こそが本拠地として日本中の各支部に物資と人員の手配、活動資金を提供している中枢である。各地の支部は大抵表向きは独立行政法人やNPO、非上場企業として登録されている為、資金は補助金などの名目で送られる事が多い。この本部には各地から集められた選りすぐりのDisCoderが各オーダー毎に選出されている為、所属者の偏りなどは無い。世界最大のメガロポリスである東京でのカルマ案件の発生数は他所の比ではなく。外国から来訪するDisCoderも極めて多い為、恐ろしく忙しい勤務が続くと転属してきた各支部の人員達は地元へ愚痴るのが日課になっている。東京はメインもサブもほぼ全てバランスよく発現している為、各地のオーダーが偏る地域に大量の人員を転属させるくらい余裕がある人材の宝庫でもある。また、中規模、小規模の国家なら1晩で転覆させるだけの戦力があるとも言われており、それは多くの組織が認める事実でもある。この為、大体の事件はどのような高階梯のDiscoderが起こしていようと早晩解決される運命にある。一つだけ各支部が共通して思っている事があるとすれば、それは本部が魔窟であるという事であろう。本部を率いている神処の現理事会は全て元国会議員や元大企業の会長など、高階梯のGNである事が確認されており、他の主要な要職に付く人間の大半が超人より超人してる《《ほぼ一般人》》などで占められている。人間や社会を操る事に長けた人材や超技術を独占する技術者や高位階梯能力者ばかりではなく。《《完全無欠の普通の超人枠》》で組織中枢を固められている本部は正しくあらゆる争いにおいて最前線を直走るkarma能力者関連業界の最先端なのである。


4.名古屋/名古屋支部


戦国時代から続くkarma関連の名家が軒を連ねる一帯であり、戦国大名から大豪商まで幅広い歴史上のDisCoderと目される人物達がいた地域でもある。この為、そういったkarma関連の史跡や戦国時代から江戸時代までのkarma関連資料には事欠かない。神和かんなぎという神処の人員の呼び方も元々はこの名古屋支部が管轄する一帯でのDisCoderの旧い呼び名であった。その為か、発生するカルマ案件もそれに習うかのように歴史的な要素が絡む極めて旧い時代からの禍根である事が多く。一部では怨霊を討伐するとか。死んだ戦国武将と共闘したとか。坊主と世界を救ったとか。とても香ばしい臭いのする秘匿された事件が多いらしい。karma発現率はメインがGNとESPを中心に比率が高く、サブが満遍なく発現している。karma関連の人員の大半は大抵口が上手い人物として評判であり、東京に次いで高い政治力を持った支部として福利厚生も充実しているらしい。ただ、近年に起こった大事件を皮切りに支部の多くが一時的ながらも弱体化しており、立て直しが急務だと別地方からの転属者が次々に配属される目まぐるしい人員の動きが特徴の場所でもある


5.関西/京都大阪合同支部


平安時代からkarmaが様々な呪い事として発展した地域であり、大阪の発展後は共通して歴史と商売にDisCoderが関わって来た一帯を管轄する東京についで二番目の規模を誇る支部。この近辺のみが未だに収束した大規模覚醒の状態にあり、一万人辺りの覚醒者数は世界平均の10倍にも昇る。そのせいで常に人員が溢れており、潤沢な人材が揃えられると周辺支部や他の地方の支部には羨ましがられているが、同時にそれはカルマ案件も多発しているという事であり、支部の下にぶら下がる小規模な支部やその人員の離反や独立騒ぎ、テロ活動などが活発化する兆候を見せていて、要注意の地域でもある。karma発現率はメインがESP、JC、GNで偏り、サブがETに極振りされているのではないかという程に偏っている為、主に内政が極めて円滑であるが、攻撃、防御、援護、どの分野を取ってもイマイチで小粒な人材ばかりが目立つ。器用貧乏成金支部と妬む支部からは陰口を叩かれているが、当人達は気にしていない。支部の小銭稼ぎに作った八橋の製造会社が表向きの看板という珍しい支部でもある。


6.中国/出雲支部


日本の始まりに位置するkarma関連の古代史は全てこの地方を源流としている。神社庁との繋がりが強い支部でDisCoder関連の考古学研究に秀でた学術機関として他の支部からは見られている。独自に編纂されたDisCoderに関する知識の大半が旧い神社、もう消えた神社痕地などに埋没しており、世界的に見ても旧い時期からkarma能力者が運用されていた事が伺える。この地勢である事が関係しているのか。海外からも同様に旧い時代から続くDisCoderの組織や集団がよく接触を図っているという。関西圏とは違って近辺での覚醒者数の割合は一万人ではなく10万人に2人程という極めて低い水準で推移し、世界で唯一大規模覚醒が起こらなかった地域でもある。この事から何らかの覚醒を押し留めるkarma関連の知識が眠っているのではないかと古代史専攻の学者や企業体、国家規模でも考古学研究関連の発掘が進められている。karma発現率はメインがESP、MW、JC、GN、で固定されており、やはり何かしらの干渉する力が働ていると考えられている。サブは満遍なく発現しているようだが、その低い覚醒率に比例するように覚醒した人物が漏れなく高階梯となるとの事で少数精鋭を地で行く支部である。実力は東京を凌ぐかもしれない程の断トツとされ、近年現地で起こった大きな事件以降は本部から極めて優秀な人材が複数人配属されるようになった。本部や周辺区域の支部との合同演習、合同訓練、交流試合がよく執り行われている。覚醒する人物が神社関係者などの血統に固まっており、実際に10万人に2人という覚醒率は一般人の発現率であり、彼らは例外的に血族毎に十人以上の能力者が覚醒している。血統の保持を名目に御見合い婚や小さな頃から許嫁が決まっているなど、現代でも少数派であろう格式や仕来りの多いkarma関連の家が軒を連ねている。


7.九州/博多支部


この地域のkarma関連の歴史は江戸幕府の終幕と明治維新の時代から表舞台に現れている。第二次大戦まではほぼ全域で東京に次ぐ多さのkarma関連研究が国策で主導され、複数の成果が戦時中は陸軍などのDisCoder部隊に応用されたという。戦後は一貫して研究が関東、関西、名古屋に移り、神処が発足するまではパッとしない昔はkarma研究が盛んだった地という場所でしかなかった。ただ、この地域で覚醒するMWとJCは軒並み高階梯な上にサブがAIに極めて偏っている為に戦闘部隊としての実力は極めて高く、東京や名古屋、関西へ攻撃力強化の為に配置転換される人材が後を絶たない。その上で実力からして隊長などを務める事が多く、日本全国津々浦々、支部のバリバリな主戦力は博多支部の○○というパターンが普通。ただし、大抵の場合、猪武者も真っ青な防御投げ捨て攻撃型である為、多くの支部で周囲の人々をハラハラさせている。ちなみに彼らを教育した支部の伝統は『振り返るな。死んでから悔め』であり、本部から是正勧告を受けたが、一向に改善される兆しは見られない。特記するべき事柄としてMWで覚醒したDisCoderの大半が最初から習っているわけでもないのに刀剣類を使った戦闘スタイルを得意とするようになる事が確認されており、何故なのかは未だ以て分かっていない。

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