森の異変
※メルを幼女から、少女にしました。(意味不明)
爺さんから剣を貰った俺は、村の近くにある大きい森にやって来た。森は日が落ちているためか、かなり不気味な雰囲気が漂っている。
さて……来たのはいいが、正直どこを捜せばいいのか見当もつかなかった。そこら辺をしらみつぶしに探索するか、それか森の奥まで行ってみるか、おそらく後者がアタリだと思うが、さすがにこの雰囲気で奥まで行こうとは思えなかった。
とりあえず辺りを捜してみる事にする。入口の近くには、木の実や枝が落ちていて、それ以外は何も無かった。
「やっぱり奥へ行ったのか……」
俺は意を決して奥へ進んでみようとした。
けれど、俺は足を止めた。
奥の方から何かがこちらに走ってきている。
早速この剣が役に立つかもしれない。俺は剣を抜こうとしたが、
「あれ?抜けねぇ……」
錆びているのだろう。どんなに力を入れても鞘から抜けなかった。
何かがもうそこまで来ている。もう頭が真っ白になってきた時、
「ワン!」
どこかから犬の鳴き声が聞こえた。よく目を凝らしてみると、こっちに走ってきたのは少女に懐いていた犬、タロだった。
「なんだよ、お前かよ。おどかせんなよ……」
「ワン!ワン!」
何だろう、タロは必死に何かを伝えようとしている、気がする。
「ワワン!」
タロは元来た道を戻っていった。ついてこい、って言ってるのか?
そう思い、今度はタロを追いかけていった。
どのくらい歩いただろう。歩いても歩いても木しか無い。もしかしてループしてるんじゃないかと不安になってきた。タロはどこまで行こうとしているのだろう。あの少女の元まで戻ろうとしているのだろうが、どれだけ奥へ行ったんだ?
それに………
さっきから何か別の視線を感じる。それも複数。
どうか何もおこらないでくれ、早くついてくれ……
タロが急に走りだした。タロが走っていった先には、小さな洞穴と、そこに倒れている少女、メルがいた。
「おい、大丈夫か?」
「………」
へんじがない、ただねむっているようだ。
ホッとした所で早く村へ戻ろうとメルを抱き抱えた時、
「グルルル……」
タロが唸っている。何だろうと思い、振り返ると。
草葉の陰からゾロゾロと何かが出てくる。
それは暗くてあまり見えないが、緑色で、丸っこくて、ゼリー状の何か。
それが集団を成して転がってくる。
この世界で初めての魔物、スライムが現れた。