行方不明
その後朝メシを食べ終えた俺とヤサンは、村の畑仕事を手伝った。畑を耕す事なんて初めてだったが、意外と楽しく、気がついたらもう日が落ちはじめていた。
「よし、今日はもう切り上げるか。しかしサカザキユウ、あんた中々上手いじゃないか。才能あるぜ。」
「ははは……それはどうも。」
二人で話していると、畑の持ち主のお爺さんがニコニコしながら、
「二人とも、手伝ってくれてありがとな。これは小遣いとしてとっておきなさい。」
500円玉よりちょっと大きいコインを渡してきた。
「おい爺ちゃん!これ銀貨じゃねぇか!こんなに貰えねぇよ。」
「いいんじゃよ。老いぼれが持ってても何の得も無い。未来ある若者にあげるのが一番じゃて。」
な、なんていい爺さんなんだ。しかもヤサンの反応からして、この銀貨は結構な価値らしい。
ありがたく貰っておく事にした。
「まったく、爺ちゃんはなんでもかんでもあげすぎなんだよ…………ん?」
ヤサンが辺りを見回して何かを探している。
「おっかしいな。メルの奴がいねぇ。いつもなら暗くなる前に帰ってくるんだが。」
「なんじゃと?またメルちゃんが迷子になってしまったのか?」
「そうかもしれないな。ちょっと行ってくるよ、爺ちゃん。」
そう言ってヤサンは走っていってしまった。
「お主」
追っていこうと思ったら爺さんに話しかけられた。
「ヤサンだけじゃちと危険じゃ。ワシの家に来なさい。」
ヤサンを追いかけたがったが、仕方なく爺さんの家に行く事にした。
爺さんの家に来たが、爺さんが床下から何かを探している。早く森へ行きたかったので、もう行ってしまおうかと考え始めた時。
「おおあったあった。これじゃ。」
爺さんは床下から古そうな剣を取り出した。
素人の目からしても、剣はかなり古くて、鞘がところどころ欠けていた。
「ワシのお古じゃが、何も無いよりはマシじゃろう。危なくなったらそいつを使え。」
そう言い、爺さんは剣を差し出した。初めて持った剣はかなり重かったが、確かな感触を感じた。
爺さんにお礼を言いつつ、俺はヤサンが行った森へと走って行った。
「しかし、本当に渡すときが来るとは……」
あの青年に渡した剣は、かなり使い古した剣じゃが、青年があの力が発揮することができれば、あの魔物をなんとかする事ができるかもしれぬ。
「もし言い伝えが本当じゃとしたら………」
爺さんは床下の物に目を向ける。
そこには緑色の輝きを放っている、薬ビンが置かれていた。
お金の単位はこんな感じです。
銅貨100枚→銀貨1枚
銀貨100枚→金貨1枚
銅貨や銀貨などは500円玉より大きめ
お金に関しては何も思い浮かびませんでした。