這い上がり
戦闘シーンないじゃん!
どうしてくれんのこれ?(自問自答)
ヤバい。鉱石達の攻撃から逃れられたのはいいが、今度は溺れかけている。早く陸に上がらないと。
上まで泳ごうとするが、浮かばずに沈んでいってる。どうやら手に持っているロングソードの重さで沈んでいってるようだ。
(手放すか? でも銅貨70枚が……)
今はそんな所を気にしてる場合ではない。ロングソードを手放して水面まで必死に泳ぐ。
(あと少し……!)
溺れるのが先か上がるのが先か。
「ぶはぁ!」
ギリギリだったが間に合った。水面上に上がり息を吸い込み、陸に上がる。思考を整え、何がどうなったかを考える。
俺はおそらくどっかの穴から落ちてしまって、落ちた先が偶然にも湖だった。こんな感じか?
「うわぁ、全部濡れてる……」
そう呟きながら上を見ると、高い天井にぽっかりと小さな穴が空いている。あそこからここに落ちたのだろう。
辺りを見回すと、ここはさっきまでいた洞窟よりは狭い部屋で、大きな湖と天然の水晶が綺麗な雰囲気を醸し出している。
「何か不思議な場所だな。あいつらの本拠地か?」
もしかしたらあいつらがこの場所に来るかもしれない。代わりとしてフルンティングを構え、探索を始める。何か鉱石達の手がかりがあるかもしれないと願いつつ。
「特に何も無かったな……」
落ちていた水晶の欠片を弄くりつつ落胆する。見つけたものといえばこの小さい欠片だけだった。
それにどうやって洞窟から脱出するかも考えなくてはいけない。上まで行くことができるものがあるのか? だけどこの部屋には何も見つからなかったし…………
「そういえば…湖を探索してなかったな。」
ふと閃く。急いで上がろうとしてたから水の中を全然気にしていなかった。
「そうと決まったら……」
俺はビショ濡れになったシャツを脱ぐ。上半身裸となり、湖へダイブする。
意外と水の中は見えやすく、底に四角い物が落ちているのが目視できる。
(よっ…と………軽いな。)
四角い物を両手で持ち浮上する。四角い物を陸に置いて俺も陸に上がり、確認する。それは黒くて頑丈な箱のような物だった。
「開けられる所が無いな。だったらこれで……」
箱のような物に向かってフルンティングを振り下ろす。すると上部分が割れて中が見れるようになった。
さて、なにが入っているかなっと……
「ゲコッ。」
「……ゲコッ?」
入っていたのは10cmはある大きなカエルだった。カエルはゲコゲコ言って俺を見ている。
カエルでここから出れるか? いや出来ないだろう、こいつが何らかの能力が無ければ。
「ゲコッ。」
カエルがピョンと跳ねて箱から出る。そのままカエルは湖へ潜っていった。
「待ってくれよ! お礼もナシか!」
カエルに聞こえるように叫ぶ。するとカエルが顔を出し、手をクイックイッと曲げる。
「なんだよ、ついてこいって……言ってるのか?」
カエルが再び潜る。俺は急いでシャツを着て、カエルの後を追うべく湖に再びダイブする。
箱があった場所にはまだ深い場所へと行けそうな抜け穴がある。カエルはその抜け穴に入っていき、俺も抜け穴へと向かう。
しかし突然、強い水流が襲いかかり押し戻される。
カエルが水流に流されていくが、カエルが行く先には大きな水の柱ができていた。俺も水流に流されて、カエルが行く柱を昇っていく。
(このまま……あの場所まで!)
進む先は暗闇が広がっている。戻ってこれると確信した俺は、そのまま流されていく。
体が空中に投げ出される。どうやら到着したようだ。それはカエルも同様だったが、その時カエルに変化があった。
突如カエルの体が光りだしたのだ。カエルの光が暗闇を照らしていく。
明るくなり下を見ると、無数の鉱石の「魔物」がこちらを見ていた。
「キキキキキキー!」
鉱石達は俺に向かって威嚇している。俺は噴水のように出ている水に着地し、そのまま地面に足を着く。カエルは水の中に入っても光り輝いていて、鉱石達を認識できるぐらいの明るさはあった。
「さあ……来い!」
フルンティングを構えて集中する。
俺の言葉に鉱石達が反応したのか、襲いかかってくる。
そして鉱石との第二ラウンドが幕を開けた。
次は、次は戦闘シーン書きますから……!
どうか許してください。