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Lv99の魔物がいる異世界  作者: てすとす
第1章 王国
15/25

もう一人の異世界転移

ヒロイン視点やって、その後戦闘シーンやろうとしたら想像以上に書いてしまった。


今回はヒロイン視点だけです。

一方その頃……


「ふんふふーん♪」


今日はいいことがあったせいか、つい鼻歌を歌ってしまう。



なにがあったのかというと仕事の休憩時間に買い物をしにきたのだけれど、買い物の途中で財布を盗られちゃってどうしようと思っていたら、


「おい、お前。」


私と同じぐらいの歳の青年がぶつかった男性に掴みかかっている。青年の容姿は黒髪に短髪。腰には綺麗な剣を、背中には店で売っているロングソードを差していた。



「なんだよ。」


「女性から盗んだ財布を返せ。わかってるぞ。」


「っ!」


男性が走る。青年は走った男性を追っていってしまった。どうしよう、ここで待ってればいいかな? まだ時間はあるし。


大きな木箱に腰掛けて空を眺めつつ、青年が帰ってくるのを待った。





太陽が真上まで昇ってきた時、青年が財布を持って帰ってきた。

青年が男性から取り戻してくれたみたいだ。


「大分遅くなったけど、はいこれ。」


「ありがとうございます! おかげで叱られずにすみます! あれ……その傷は。」


青年の腕には切りつけられたような切り傷があった。あの男性にやられたの? 私のせいで………そんな罪悪感が出てくる。



「いえ、大丈夫です。そこまでヒドくは無いんで、それでは……」


「あっ待ってください! お名前は……」


「名前? 俺は坂崎優。しがない旅人だよ。」


「坂崎優………」


坂崎優? もしかして……私と同じ……日本人!?


「もしかして……日本の方ですか?」


「えっ、君も?」


ウソ!? 私以外にも転移した人がいたの!?


「はいっ! 私も日本からここに来たんです。私以外にも来た人がいたなんて!」


なんか感動的~。  あっそうだ!


「自己紹介がまだでしたね。私の名前は……」


私はスカートをつまみ上げて優雅でなおかつ明るい笑顔で、


「私の名前は水無月晴香。城で働く、メイドでございます!」


自分でも満足できる自己紹介ができた。







「フフフフーン♪」


「ずいぶんご機嫌ね、ハルカ。」



聞き覚えのある声が聞こえて、我に返る。

どうやらもう城の前まで歩いていたらしい。

奥にメイド長が見える。


「メイド長! 休憩終わりました!」


「そう、よかったわね。それで皿洗いは?」


「えっ? 何のことです?」


「………あなたサボったわね?」


なってこった。サボったのがバレてしまった。もう逃げるしか………




「いいではありませんか、ミリア。まだハルカはここに来て日が浅いのですから。」




門が開き出てきたのは、金色の長い髪にピンク色のドレス姿、私達メイドの主、


「これはソフィーお嬢様。お勉強はお済みになりましたか?」


「ええ、しばらく暇をいただいたので日を浴びようと思いましたの。」



このエスカド王国の第一王女、ソフィー・ロゼッタ・グローリー様だった。




「ソフィーお嬢様! 本日もいいお天気です!」


「そうね。こんないい天気の日には城下町でいっぱい遊びたいわよね?」


「うっ……お嬢様、その事に関しては……」


「遊びに行くのなら、任された仕事はちゃんとやりなさい。メイド長への借りはまだ返していないでしょう?」


「はい……申し訳ありません。メイド長。」


そうだ、メイド長には借りがある。それは私がこの世界へ転移された時のこと…………









「それでさー、友達が間違えてアイスコーヒーを買っちゃってさー。私はカフェオレって言ったのにぃ。」


私は学校が終わって駅前のベンチに座って友達と電話で駄弁っていた。駅前はこの時間帯は全然人がいないので思う存分喋れる。


「それでアイスコーヒーを飲んだらもう口にあわなくて…………あっ、すいません。」


駄弁っている最中にお婆さんが隣に座ってきて、私は端に移動する。お婆さんは穏やかな表情でこっちを見て、私は笑顔で返し通話に戻る。



「ごめんごめん、お婆さんが…………あれ? 切れてる……」


電話はいつの間にか切れていた。携帯をバッグにしまう。


「お嬢ちゃんは高校生かい?」


「あっはい。近くの通富高校に通ってます。」


いきなり話しかけられたので驚いたが、きちんと答える。


「そうかい。……学校は楽しいかい?」


「楽しいです! 毎日友達と馬鹿騒ぎして、勉強は少し苦手ですけど……それでも学校がいつも楽しみです!」


「ふぇふぇ……それなら何よりじゃ。お嬢ちゃんならきっと乗り越えていけるじゃろう。」


そう言ってお婆さんは、一冊の本を取り出した。

その本は真っ白でタイトルも書いてなくて。文字通り真っ白だった。


「この本はお嬢ちゃんの日常を変えてしまうやもしれん。興味がなかったら捨ててもいいし読んでみてもいい。それはお嬢ちゃん次第じゃよ。」


お婆さんはそう言い残し行ってしまった。



「白い本……なにか怖いこと言ってたけど……でも。」


この本に興味が湧いてしまった。湧いてしまったものは仕方がない。


本を開く。ただ真っ白なページがあるだけだった。何これ、新手の詐欺?


「どのページも真っ白…………?」


よく見てみると、うすーく文字が見える。


「ソル…………マ…リア?何こ……………」


その言葉を口にした瞬間、

視界が真っ白に染められた。



駅前には人がいなくなった。









「ッンン…………」


冷たい風が吹いてきて目が覚める。あの後寝ちゃったのかな、だけど違和感があった。


まず今私が倒れていること。ベンチに座っていたはずなのになにやらチクチクする。目を開けると視界いっぱいに緑色が広がっていた。


「雑草? ……駅前に野原なんて……」



最初に目に映ったのは大きな壁。そして後ろには先の先まで広がる草原。さっきまでいた駅前と全然違う場所に言葉を失う。


「ど……どこなのここ!?」


もしかして夢でも見ているのだろうか。でもこの感覚はあまりにもリアルで……



さっきまで夕方ぐらいだったのに、空は暗く満天の星空が見える。

私は再び壁を見る。ふと壁に門があるのを見つけた。門まで歩き、門の前にいる人に話しかける。


「すいません、この壁は何ですか?」


「はっ、この国を守る城壁であります。」


「国?」


「はっ、ここはエスカド王国。もしお入りになられるのなら、門を開けますが。」


エスカド王国? そんな国聞いたこともない。でも中に入ったら安全そうね。


「じゃあ……開けてください。」


「分かりました。少々お待ちください。」


ファンタジー漫画でありそうな鎧を着た人が門を開く。


「ようこそ、エスカド王国へ。」


門の先に見えるのは、大きなお城。ここは本当に王国って所みたいだ。






城下町は静まり返っていて、野良猫が我が物顔で歩いている。


「すごい……本当にファンタジーの世界みたい…」



よし、次はあのお城に行ってみよう。誰かいるかもしれないが、見るだけだと頭の中で言いきかせてお城の方へ行った。






城の外観は、中世ヨーロッパにありそうなデザインで庭には様々な花が咲き誇っている。

門の前には人はいなくて、城の門を叩いてみるが、誰も来ることはなかった。


「誰かいないかな……」


いつの間にか私の目的は人を捜す事になっていた。

庭の花畑を見ながら起きている人を捜す。しかし誰もいなくて結構時間が経ったのかお腹が空いてきた。


「うう……お腹空いたなぁ……」


もう一度城の周りを捜してみよう。そう思った私はもう一度門の前まで歩いていく。

ふと窓の方を見ると、カーテンが閉まっているがほんのりと明かりが見えた気がした。


(もしかして…………)


窓の方まで歩き、窓ガラスをコンコンと叩く。

お願い、誰か起きてて……そんなことを願っていたら、


「誰ですか、こんな夜中に……」


美人な女性が出てきて窓が開かれる。女性は眠そうに、


「用件があるなら明日来てください。城の兵士に通らせてもらうように言いきかせますので。」


「いや、えっと……そのぉ……」


「まだ何か?」


「…………………お腹が空いたんでご飯を…ください。」


私はそう言いながらその場にへたり込んだ。


「っ!? ちょっと、大丈夫!?」


割と大丈夫じゃ………ないかも……

私は最後にそんなことを思い、意識を失った。







次でヒロイン視点終わらせて、戦闘シーンまでいけたらいいなぁ………


すまぬ。

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