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Lv99の魔物がいる異世界  作者: てすとす
第1章 王国
13/25

財布とメイド

ヒロイン登場回。

「それでは私はこれで。もし機会があったら、私の店に寄っていってください。でもサービスはできませんからね。」


おじさんは笑って城下町に歩いていった。

俺も城下町を観光していこうかな。まだ何をするか決まってないし。


城下町の方へ行く。





城下町の商業区みたいな所に来た。

商人たちが果物やら武器やら色々なものを売っている。他にも鎧を着た筋肉質の男や魔女みたいな服装の美女やら冒険者らしい人達がたくさんいる。



「まさに国って感じがするな。何か買っていきたいが………」


手持ちは銅貨30枚。ロングソードが70枚だったから食べ物はなんとか買えるか?

食べ物が売ってある店に寄る。


「すいません、パンを1つください。」


「あいよ、銅貨5枚だ。」


銅貨5枚を渡す。残りは25枚、さすがにつらいな。



パンを貪りながら今後のことを考える。

寝床の確保とかお金を稼ぐにはどうすればいいのかと考えていたら、


ドンッ


「おっと、すまねぇな兄ちゃん。」


前を見てなかったせいで男と肩がぶつかった。

男は謝りながらそそくさと離れていく。

こういうのは何か盗まれてるのがオチだが……


「何も盗られてない………」



二本の剣も金も盗られてはいなかった。さすがに考えすぎかと思ったが、


「おっと、すまねぇな嬢ちゃん。」


「あっ、いえ大丈夫です!」


さっきの男が次はメイド服姿の女性にあたった。

見た目からして俺と同い年ぐらいの歳だ。


男が離れていく。


「あれ?財布が……」


女性は財布を無くしたようだ。

もしかするともしかしなくても…………



男に掴みかかる。


「おい、お前。」


「なんだよ。」


「女性から盗んだ財布を返せ。わかってるぞ。」


「っ!」


男は腕を振り払って逃走する。


「あっ待て! おい!」


急いで追いかける。男は狭い道を通り、撒こうとしている。

色々な物にぶつかりながらも、男を追いかけ回す。






数十分かかった鬼ごっこはやがて路地裏の行き止まりにつき、男が止まる。


「さあ、いい加減返してもらおうか。」


「このガキ…………!」


男がナイフを取り出し、つきつける。

俺はそれに対しロングソードを取り出す。

鞘からは抜かないが。


「これでもダメか?」


「くっ………うおおおお!」


声を荒げながら男が襲いかかってくる。

それに合わせて剣で払おうとした。

が、


「ぐっ…………?」


重い、剣が重く感じる。森での戦いだと軽かったのに、



ザシュ……


「がぁ……!」


遅くなった動作の隙にナイフで腕を切られる。

切られた痛みで剣を落としてしまう。



「なんだこいつ、弱ぇじゃねぇか。」


そのまま脇腹を蹴られ、壁に激突する。首を掴まれナイフを押しつけられる。


「てめぇこれからどうなんのか分かってるんだろうなぁ?」


男は今にも切りつけそうだ。どうする、何か無いか………


(これは……すまん使うぞ。)



「おいっ! 聞いてんのか!?」


「いや、さっきからこっちを見ている人が気になってね。」


「なにっ!」


男がよそ見をしている間にある物を取り出す。





「てめぇ誰もいねぇじゃばぁ!?」


男の顔目がけて傷薬をぶちまける。

メルから貰った傷薬がこんなところで役立つとは。ありがとうメル。できれば本当の使い方をしたかった。




「ぐあああああ! 目がああああ!!」


男は落としたナイフなんて気にせず悶えている。

その隙に近くにあった樽を持ち、


「よい…しょー!」


「いっ…………!」


バッカーン!!


男の頭に樽をぶん投げた。樽は男の頭に直撃し派手に割れる。男は打ち所が悪かったのかその場に倒れ込んだ。


「死んでは……ないようだな。盗んだ財布は返して貰うぞ。」


ポケットから財布を取る。それからあとは放っておく事にして、落としたロングソードを拾いその場を離れた。







「ありがとうございます! おかげで叱られずにすみます! あれ……その傷は。」


「いえ、大丈夫です。そこまでヒドくは無いんで、それでは……」


「あっ待ってください! お名前は……」


「名前? 俺は坂崎優。しがない旅人だよ。」


「坂崎優………」


女性は少し考え込んで言った。




「もしかして……日本の方ですか?」


「えっ、君も?」


「はいっ! 私も日本からここに来たんです。私以外にも来た人がいたなんて!」


俺以外にも転移された人がいたのか。なんだか安心感が湧き出てきた。


「自己紹介がまだでしたね。私の名前は……」





女性はスカートをつまみ上げ、




「私の名前は水無月晴香。城で働く、メイドでございます!」



水無月春花は元気に自己紹介をした。



決して作者の性癖ではございません。

……本当です。














(メイドって………いいよね。)

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