プロローグ
処女作です。
※諸事情により、主人公の名前を変更しました。
もしもRPGの世界に行けたら、ということを考えたことは何回もあった。しかし現実は、学校やらバイトやらで、RPGよりハードな世界だった。
そんな世界で生きている高校生、坂崎優はうんざりしていた。バイトだらけの毎日、身につかない勉強、そんな人生を過ごしていた波佐見はそんな事を考えていた。
そんなこんなでバイトを終えて街を歩いていたら、なにやら大きな荷物を背負っているお爺さんを見かけた。
夜遅くにこんな人がいるなんて珍しいなと思っていたら、お爺さんと目が合った。そしたらお爺さんはこっちに歩いてきて、
「お主、この本を買ってくれ。」
そう言ってお爺さんは真っ白な本を荷物の中から取り出した。
「この本さえ売れればワシは帰れるんじゃ、どうか……」
そう言ってお爺さんは俺に本を渡してきた。
「買うって……いくらなんだ?」
「おお買ってくれるのか!ならその本はタダであげよう!」
お爺さんは見るからに嬉しそうで、俺は断ることはできなかった。
その後、お爺さんと別れて家に帰ってきた。部屋に戻って買った(?)本を眺めてみた。ページをペラペラとめくってみたが、何も書かれていなかった。
「メモ帳代わりにでもするかな……」
そう思い、俺は本を閉じた。時計を見るともうすぐ0時だ。
その時、本が淡く光りはじめた。本が光ることなんて生まれて初めてだった。恐る恐る本を開くと、何か文字が浮き出てきている。
「ソル…マリア?」
書かれた文字を口にした途端、本が一層輝き始め、
あまりの眩しさに俺は目を瞑った。