その少年、感激。
ゲームが始まった。目の前には森が広がっている。街や家から始まるゲームはよくあるが、森から始まるゲームとは、なかなか珍しい。自分の着ている服を見てみる。ボロボロだ。腕につけている装置を使ってメニュー画面を開くと、装備のところには、はじまりの装備一式と書かれている。はじまりというところは、なんともオーソドックスだが、装備一式と表示するのは珍しい。というか、これ面倒臭かっただけじゃないのか?
ザクザクの森の中を歩いていく。植物を踏んでいる感触がする。
「マジでリアルだな」
人類の技術が発達していることに喜びを感じるが、同時に恐怖も感じていた。ベルトにかかっている剣を手に取る。その軽さに驚いた。剣を叩いてみる。見た目がとても木に似ていたから気が付かなかったが、プラスチックだ。俺は、作者と気が合うかもしれないと思った。
最初に装備されている剣は、何かと木が多い。木というのは、ボロい雰囲気がするが、それよりも脆いものがある。プラスチックだ。あれは、頑丈に見えて思いっきり振り回すと、すぐに壊れる。その壊れやすさは、木にも勝る。だから、いつもプラスチックすればいいと思っていたのだ。まさか、実現する人がいるとは、嬉しい。
そんなことを考えているとモンスター的なものが出てきた。見た目は、初期のポケモンとスライムを混ぜた感じだ。敵が近づいてきたため、身構える。そして、足に力をいれて、飛び上がる。
空中で剣を抜く。敵は俺の行動に驚いており、あまり反応できていない。クルッと身体をひねり、敵の背中を剣で斬る。プラスチックだから、威力は高くない。だが、防御をしていなかった敵は大打撃を受けたようだった。敵が攻撃を仕掛けてくる。俺は、バッとバク転をして、さっきと同じ場所に攻撃。すると、敵が消滅した。メニュー画面を開くと、レベルが上がっている。……分かりにくいな。そう思いつつ、森を歩いていく。