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遅少年と早少女  作者: 粉巻 まひる
プロローグ
3/25

その少女、急ぎ気味。

私は、「早い少女」だ。

速いじゃないぞ。これだと、また意味が変わってくるからな。

私は、何事にも早い、というか早すぎてしまう。それも、嫌な意味で。

例えば、「諦めが早い」とか、「早とちりする」とか、「せっかち」とかとかとか。言ってしまえば、「早い」という言葉を使ったよくない表現全てが、当てはまってしまうのだ。だが、私は早起きではない。ここが、どうなっているのか!

この「早い」という特徴からつけられたあだ名は、「早少女」だ。初めて言った奴をグーで殴った記憶がある。

「早少女」は、小学五年の時から、嫌われ者だった。「早さがうつる」と言われ、避けられ続けた。「自分を受け付けない」という空気に耐えられなくなったのは、中学生になった時。入学式を休んだ。しかし、三日後。学校に登校。なぜ登校できたか。それは、三日坊主のおかげである。私は、ずっと同じことをし続けるのが嫌いだ。これもきっと「早い」からだろう。今思えば、これが最初で最後の「早いが役に立った時」だろう。しかし、三日後。また、不登校に。そして、三日後。登校。そしてそしてそして……。まあ、この登校、不登校のエンドレスだったわけだ。

こんな私にも、唯一、「早い」が発動しないものがあった。それは、ゲームだ。ゲームにだけは、飽きたことがない。諦めたこともない。ゆっくり、じっくり、楽しむことができた。

ゲームだけが私の希望だった。


そんな私は今。

「はい。ゲームを試していただきたいんです。はい。もちろん、報酬は高くさせていただきます」

私、十八歳。ゲームで生きている。


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