そのゲーム、やはり新タイプ。
少年が、なにやら、太い枝を拾って、男に近寄っていく。
その枝が、自分の使った枝だということに気づいた。「とても太いから使える」と思って使ったが、どれだけ太くても、鉄の剣の前じゃ、ひとたまりもないはずなのに、彼は何を考えているのだろう?私は、男が魔法を使わないか、気を配りつつ、少年をじっと見ていた。
少年が左手に枝、右手にプラスチックの剣を持っているのを見て、男が嘲笑う。
「なんだ?その枝は?そんなのが何の役に立つってんだ?」
「やってみなきゃ、分からねえだろ?」
さっきの詰まりすぎの言葉とは、全く違った雰囲気である。一瞬、胸がキュンとなる。
なんて思っていたら、少年が、動き出していた。真正面から突っ込んでいく少年。そ、そんな!そんな、勝てるわけない!男はニヤッと笑って、剣を振り上げる。
少年は、枝を剣を止めるために構え、プラスチックの剣を男の体の方に向ける。
しかし、男は鉄の鎧を着ている。そして、剣は大きく、きっと力も強いだろう。
次の瞬間、男がもの凄い勢いで、剣を振り下ろした。
こ、このままじゃ、あの少年が倒される!
私は、咄嗟に目を瞑った。
バキッ!
枝が折れる音が聞こえる。そして、
ガキン!
まるで、金属と金属がぶつかるような音が聞こえた。って、え?
目を開けてみると、男の剣は少年の頭上にあり、その間には、枝がまだあった。
男が目を見開いているのが分かる。少年はずっと俯いている。
ピキピキピキピキ。
少年の持っている枝が音をたてる。そして、少年が握っているところより上が、剥がれていく。
現れたのは、美しい日本刀であった。
ニヤリ、少年が笑った。少年が男の剣を払いのける。男は一歩下がった。
「あてが何もないのに、枝なんて持つわけないだろ?これは、仕込刀だったんだ。本来は、フェイクで作られた木の鞘を相手が油断している時に、抜くんだろうな」
し、仕込刀……。そ、そうだったのか。っていうか、おかしくないか!ゲームの森に、仕込刀があるって!レアすぎるだろ!誰が見つけられるんだよ!……。自分がきっかけであることをすっかり忘れていた。
「さあ、今からが本番だぜ?」
少年が悪い顔をした。




