その少年少女、ぎこちなく。
私が叫んだ途端、男の手の炎が消えた。ホッとしたのもつかの間、二つの鋭い視線を感じる。
もしや、やってはいけないことでもしちゃいましたかね?
「お前、何者だ?人が戦ってるのに、横から手を出すなんて良い度胸じゃねぇか」
「え、あ、ちょ!そ、そ、そんな、つも、りは、全く。その、えと、あー。」
うまく、言葉に出来ない。焦っている、そう自分で自覚する。よくない状況に置かれているからでもあるが、それよりも、元々持っていた性質、「人見知り」が発症している。
そのとき、私は何故か、助けた少年を見た。少年も私のことを見ており、見事目が合う。少年はすぐに、私から目をそらした。そして、男に向かって言った。
「問題ない。俺の仲間だ。遅れてきたんだ」
「は?」「へ?」
私と男の驚きの言葉がきれいに重なる。
こ、こいつ、何を言っているんだ?な、仲間?初対面ですけど?
「いいだろ?途中参加でも」
「い、いいだろう。雑魚が何人増えようが、俺には勝てねぇからな」
「ちょっと、勝手に話を進め……」
私が会話に口を出そうとした瞬間。目の前に少年が来ていた。驚きのあまり、息が止まる。少年が男には聞こえないような小声で、
「今は、は、話を、あ、わせて、く、だ、さい。ゲーム、死なず、に、クリア、した、いでしょ?」
と俯き加減で言った。ぎこちない、というか、詰まりすぎな気が。
少年が男の方を向く。その途中で見えた少年の顔は赤かった。日焼けとかではなく。
多分、恥ずかしい?のかもしれない。何故そうなるのか、と考えていると、一つ思いついたことがあった。
あ、あんなに、異性と接近したのは、初めてだ。自分の顔の温度が上昇するのを感じた。咄嗟に俯く。
「あ、なた、は、あの男が、魔法、を、使った、ら、さっきの魔法、で、打ち、消して、くだ、さい。他は、俺、が、なんと、か、しま、す」
少年が私に言った。言ってることは、格好いいかもしれないが、切れすぎてもう、よく分からないことになっている。
返事をしないと、相手が心配するかもしれないので、
「はい……。」
と、返事をした。すると、男が、
「もーう、作戦は決められたのかぁ?」
と言った。何だこいつ?ウザい。
「あぁ、サンキューな」
と少年。え?敵に普通に感謝?余裕なのか、天然なのか、分からないな。
少年が息を大きく吸った。そして、次の瞬間、少年は男に向かって走り出していた。




