その少女、勇敢?
森を歩き続けて、一時間。
周りの風景に変化が見られない。途中で泉があったので喉が乾く、ということはないが。
ぐぅぅぅ。
お腹の方は限界に近い。ゲームなのに、お腹がすくって……。要らない。絶対に必要のない要素だ!
動物にも出会い、倒して(素手で殴った)素材も手に入れたが(リアルすぎて気色悪かったが)、魔法の威力が弱すぎて、焼くことも出来ない。役立たず!まぁ、レベルは少し上がったけどな。
前方の木が少なくなってきた。もしかして?
森が終わって、街が広がっている。賑やかだ。ん?街の玄関(?)の門の前に誰かいる。ごつい鎧を着た男と私と同じような質素な服を着た男だ。質素な服を着た男の頭上にアイコン的なものが表示される。
それを私が認識したと同時に、説明画面が目の前に表示される。
「あのアイコンは、皆さんと同じゲームプレイヤーの印です。助け合うも殺し合うも、皆さんの自由です」
なんて説明だ。特に後半。
私は善意を持ったプレイヤーなので助け合う。
とか思っていたら、あの二人の男が戦闘を始めたではないか。近くで観戦したい。が、どうやって、降りようか。街は見えるものの、ここは急な坂になっている。周りを見渡してみる。見事に何もない。
「し、仕方ない。ここから降りる」
バキッ!ギシッ!バキバキバキ!!
木の枝と葉っぱのみを使ったスキー板的なものを作った。作り方は企業秘密だ。まぁ、祖母に教えてもらったんだが。それを足にはめて、長くて太い木の枝を手に持ち、これで、準備完了!
「アムロ……。じゃないが、行っきまーす!」
坂を下る。ひぇぇー!怖い怖い怖いー!
ものすごい速さで下る私。戦って死なずにこれで死ぬかも……!?
きゃぁぁぁ!
怖すぎて、声も出なかった。
ドスン!
うぅ。い、生きてる。無事、下に降りられたみたいだ。ただ、着地で思いっきり腰を打ったことにより、立てない。もしかして、折れてたりする?それにしては、あんまり痛くない。痛いけど。
顔を上げて見ると、目の前で戦闘中。
質素な服を着た男だと思っていた人物は少年だった。そしてその少年は、ピンチに陥っていた。鎧の男の方が、術を繰り出そうとしていたのだ。あれは、魔法?
人が死ぬのは、ゲームだとしても見たくない。
長くて太い木の枝を支えに私は立ち上がった。
そして、私は一か八か、その男に掌を向けた。
「効力解除っ!」




