能力
「はっ?四つ?あんたそんななくしたもの多くて大丈夫なの!?」
「なんかダメなのか?別段変わったところはないけど」
アキトは体を触りながら言った。この時心臓のあった場所に手を少し突っ込んでしまったのはなんとも言えない。
「…じゃああんたの能力はなに?」
「えっ?のっ能力?そんなのもあんのか?」
聞き間違いではないだろうか。能力ってあの能力のことだよな?
「はぁ〜、まさかとは思ったけど能力も知らないのね。」
シオリは明らかな軽蔑した目つきでアキトの方を見る。
「…すみませんが教えてください」
アキトは泣く泣く頭を下げてお願いした。
「ふむ、えっとまずこの世界ではソウサクシャには一人一人別の能力がこの世界に来てから備わるの。まぁ種類が似てる能力もあるけどね」
ほぉー、では携帯小説とかでチート特典だぜ!とかはあながち間違えではないのか。想像力豊かすぎんだろ日本人!
「で、その能力は無くしたものが多いほど強いし、複数能力を持ってたりするのよ。あっ、でも能力は使い方次第で弱くなったり強くなったりするから実質あんまり関係ないね。」
ようは使い様だな。
「あれ?ところでシオリ…さんの能力はなんなんだ?」
「べつにシオリでいいわよ。年齢そんなかわんないし。私の能力名は【高く清やかな剣〜オートクレール〜】」
あっ、だから俺の首狙う時も剣だったんですね。
「能力は、〝自分を中心に半径10mの中なら剣の射程距離、硬さ、重さを変えられ、自分の反応速度、動体視力が上がる。〟というものだ。」
十分チートっすねシオリさん。
「で、俺の能力ってどうしたらわかるんすか?」
「それはお前の頭の中にあるから意識した時点でわかるはずなんだが?」
そう言われ意識してみると頭の中に知らない情報が追加された感覚に陥った。
「あっ、出てきました!これかな?…えっと能力名は、【現象完成〜ペルトゥンダ〜】」
「?」
シオリは首傾げている。
「えっと能力は、〝現象を完成させることができる。〟?」