目覚め
サァー
どこからか風が俺の顔を撫でている。降り注いでいる太陽の日差しがなんとも心地いい。
秋斗はうっすら目を開けると自分に降り注いでいる太陽の光に目を細めた。
「ここは…どこだ?さっきまで俺は…!」
そこまで言ってから秋斗は思い出した。
「そっか俺は…死んだんだ。」
自分の体を見てみると死んだ時の格好のままだった。
「って事はここは天国か?地獄とは思えないけど…」
秋斗は辺りを見渡した。木が生い茂り芝生の上に秋斗は寝ていた。
「父さんも母さんも元気にしてるかな…ってあれ?」
両親の事を思い出そうとすると少し違和感があった。
「顔が…思い出せない!なんでだ?と言うか友達の顔も名前も…どうして!?」
すると突然頭の中に文字が浮かんだ。
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ソウサクシャ
死亡日 2030年4月18日 10時53分
名前 如月 秋斗 (キサラギ アキト)
享年 17歳
<ナクシモノ>
✴︎思い出
✴︎心臓
✴︎寿命
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「なんだよこれ…」
呆然としているが特に気になったものがあった。
「<ナクシモノ>?思い出、笑顔、寿命、心臓?心臓なんかここにあるに決まってる…じゃ」
そう言いながら秋斗は自分心臓の辺りを触ったが、心臓部分だけ触れなかった。
「嘘だろ?無い!」
服を脱いで見てみると心臓の部分だけ心臓のあるところに変わって丸く黒い穴空いていた。
ソウサクシャ 如月 秋斗
享年 +1日