表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏生詩集2

咆哮

作者: 夏生

言葉を喰らって、のどつまらせて

必死に掻き出した


こちらが痛いと泣いても

叫んでも

終らない


もういらないと

叫んでも

来る


心は

大勢の前で引きちぎられ

散ってゆく

何度も


こうして強くなる

と、誰かが言った

きみのため

だと


心の破片を

泥だらけの靴で

踏みつけられた

鈍い音


私だけではない

他の誰かも

同じことを

されて


俯いている

笑っている

身を震わせ

拳を握りながら


アリガ トウ ゴザイ マス

振り絞るような声


わたしは

渇いた口の中で

声を出そうとして

喰らった言葉を

吐き出した


ア リ ガ

ト ゴ ザ

イ マ ス


口から一語一語

落ちて

地面に散っていく


私は地面に跪き

散った心と

つぶされた心を

かき集め

力いっぱい握りしめた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ