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さあ、狂った物語を始めよう。
唐突だが、俺は死んだらしい。
本当に唐突な話で、何とも言い難いところが、申し訳ない。
何故死んだのかは、俺にもわからない。
ただ、最後に覚えている記憶は、やけに眩しい光を浴びたということだ。
大方、車にでもひかれたんだろう。
しかし、俺は自分でも自分のことが、冷静であると思う。
死んだのに、何故こんなにも冷静なのか?
答えは既に用意されている。
「ねぇ、今あなた、どんなキモチーー?」
妖艶な少女にそう問われ、俺は思わず逡巡してしまう。
俺は今、どんな気持ちなんだろうか……。
気持ち悪い、不快、虫酸ーー
いや、そんな悪い感情ではない。
今の俺は、そう最高に気分が良い。
生まれ変わるってのは、こういうことを言うんだろうなぁ。
「私の可愛い屍体ちゃん? ねぇ、一緒に世界を滅ぼしてみない?」
俺は、その言葉に否定することはできない。
肯定あるのみ。
俺は、徐に立ち上がった。
そして、最強の身体を手に入れたことに満足する。
「名前ーー」
「うん?」
俺は、彼女に最初で最後の願い事を一つする。
「俺に、名前をくれないか?」
そうして、俺は「オーガ」という名を付けられた。




