逢いたい…君に
彼女の死は突然だった。
明るくて何も悩みもない彼女とは大の親友だった。彼女と私は毎日遊んでいた。
これが私たちの当たり前の日常になっていたのだから。
しかし、
そんな幸せな日常はいとも簡単に崩れていった。
彼女が居なくなったのは雨が続いた夏の始まり、突然私の前から姿を消した。先生は彼女についてこう言っていた。
「家の都合でしばらくお休みします」
先生はこれしか私達に教えてくれなかった。
これ以降、先生は彼女について何も言わなかった。
私は待ち続けた。彼女がまた私達の元に来て遊んでくれるのを、ずっと、ずっと…
私の前から彼女が消えて2ヶ月…
先生は彼女についてあの日以来始めて話した。その言葉を聞いたとき私の頬に熱い物が流れた。
「突然ですが、彼女は転校することになりました」
なぜ?
なぜ、彼女はここに戻って来ないの?
なぜ、彼女は私に言わなかったの?親友でしょう?
もしかして私だけだったの?親友だと思っていたのは――――……
気づいたら私は泣いていた。
泣いても泣いても流しきれないこの悲しみ…
私は待ってるよ。貴方が帰って来るのを―――…
彼女が居なくなって半年が過ぎた。
彼女からの電話はひとつも無い。
声も聞けない。
貴方の姿も見られない。会えない。
やはり私達は親友じゃなかったんだね。私が一方的に執着していただけなのかもね。
彼女と私が写った写真を手に取る。触ろうと思っていなかったが、体が勝手に動いたのかもしれない。
その時、私の携帯がなった。
もしかして!
という小さな期待を胸に抱いて恐る恐る電話に出てみる。
「…もしもし?私だよ。元気だった?私は元気だよ。あのね貴方に話さないといけない事があるの」
電話越しに聞こえた彼女の声は、風の音と一緒に聞こえた。が、久々で私にとってはあまりにも新鮮だった。
「話さないといけない事?」
「私が貴方の前から突然居なくなった理由。…私の家はね、家庭内暴力が頻繁にあったの。お母さんはそれに耐えられなくて私を連れて逃げ出した。お父さんは私達をすぐに諦めてくれるはずだった…けど」
彼女の声からは泣いているように感じられた。
「諦めてくれなかったの。3ヶ月間逃げ続けて貴方達のもとに戻る予定だった。でも、義務教育や卒業に向けて転校するしかなかったの。ごめんね?」
「大丈夫だよ。声を聞けただけで嬉しいから。今度私と会ってくれる?お願いだからね」
「……私もう疲れちゃった」
「えっ?」
彼女は私の問いかけには答えず、話を続けた。
「転校した学校でね、ある事件が起きたの。
事件っていうかただの喧嘩なんだけどね。
その喧嘩はただの相手からの嫌がらせメールで軽いものだった。
でもそれが長く続いてメールの中で喧嘩になったの。
でね、その相手は喧嘩のやり取りを友達に見せたんだって。
私が送ったメールしか友達に見せずに自分が送った悲惨なメールは一切見せなかった。
それで私の言い分は誰一人聞いてくれなかった。
相手の味方はメールを送った子と一緒に私に嫌がらせをした。
全て私が悪いということになってね。
例え喧嘩の原因はあの子からだとしても悪いのは全て私のせい…
真実を語れば私に味方がつく。
でも、やっぱり私がどんなに足掻いても、どんなに話しても味方につくのは相手側。
そして気づけばクラスの皆が私の敵…
周りから聞こえる声は「誤れ」。
それ以外は私に話しかけない。
なぜ私が誤らないといけないの?
悪いのは相手側。誤るのは相手のほうなのに…
みんな狂ってるわ。
仲が良いからって悪い事をした悪人でも許してしまうの?
正しい事をした善人は許されないの?」
彼女の声はだんだん震えているように聞こえた
「でも、ちゃんと話し合えば…」
「もう遅いの!」
私の声を遮るように怒鳴り声が聞こえる。そしてまた震えた声に戻り…
「もう…私にはどうする事もできないの…最後に貴方と話が出来てよかった…サヨナラ私の親友…」
この電話を最後に彼女はこの世を絶った。屋上から飛び降り自殺をしたらしい。彼女の最後の顔には涙の痕が残っていたという。
彼女が亡くなってしまっても変わらない生活が待っているだけ…でも、彼女とはもう逢えない。彼女が生きていただけでも、どこかで逢えるけど、これからはもう逢うことはできない。彼女は私を残して逝ってしまったのだから…
彼女が最後に残した言葉は私が思ってもいないことだった。
私は間違っていた。彼女と私は親友ではないと思っていたのに、彼女は私の事を親友と言ってくれた。私は彼女のことを信じなかった。信じることができなかったのだ。後悔してしまった。
彼女が居なくなって始めて気づいた
彼女の大切さを、彼女の存在を…―――
ごめんね、本当にごめんね?
貴方のこと全部知ってたと思ったのにホントは全然知らなかったんだね。貴方がイジメられて苦しんでたなんて考えてもなかった…だって貴方はいつも笑顔で笑っていたのだから…―――
貴方を一人にしてごめんね。
ふと、空を見上げたとき彼女の声が聞こえたような気がした。
――貴女を一人にしてごめんね―――…
逢いたい―――………
ずっと逢えるように願ってる………
絶対に忘れたりしないから――――………
ね?だから………
だから貴女を信じなかった
こんな私を許してください――――…………
天国で私を待っててね?
あの時話せなかった話をたくさん話そうね
バイバイ…
ここまで読んでくださってありがとうございました。泣いてますか?泣いてませんか?ていうか泣いてください。
私は書いてる際に泣いてしまいましたね。最初だけ
実際キーワードで「ノンフィクション」と書いてありましたが、本当に本当の事なんです、初めだけ。
どこからが妄想になったかというと、彼女が主人公に電話したあたりからですね(*^ー^)ノ♪
でも死んではないですよ!?ちゃんと生きてます。




