04 楽しい日々
お兄ちゃんと暮らし始めてから二年近くが経った。
変化があったとすれば、私に弟が二人出来たことだ。
短い手足を忙しなく動かす活発な一人目の弟はりく。
どんくさくて、いつも扉に頭をぶつけている二人目の弟はかい。
二人の弟が出来てからというもの私はお兄ちゃんと一緒にいる時間が減ったのだ。
大いに減ったのだ。
これは由々しき事態と言うべき事柄だろう。
お兄ちゃんはりくに甘く、一緒に遊ぼうと誘われれば勉強中であっても勉強を中断してりくを構う。
最近は朝と夕にお兄ちゃんとりくが散歩に行くのが日課になりつつあるのだ。
それにだ。
かいは抜けている。
歩けば何かを倒し。走ればどこかに激突する。
優しいお兄ちゃんはかいが何かを起こす度にかいに構う。
そんなに心配しなくても大丈夫でしょと言いたい。
私にだって時間を割いてほしい。
「そらねぇ、そらねぇ。遊ぼうよ。ね、ね、ね?いいでしょ」りくが目を輝かせておもちゃをもってきた。
こちらの気も知らないで。
まったくもう。しかたがないんだから。
「いいよ。遊ぼうか」承諾する。
なんだかんだ私はお兄ちゃんの妹だ。
お兄ちゃんが私に優しくしてくれたように私も弟に優しくするのだ。
「お姉ちゃん。頭が痛いよ」かいは頭をかきながら言う。
見れば少し赤くなっていた。
「どこかにぶつけたの?」と聞くが「わからない。気が付いたら痛かった」と返ってきて思わず笑ってしまった。
頭上でお兄ちゃんもくすりと笑っていた。
どうやら私と同じように感じたらしい。
「かい。ちゃんと気を付けないともっと痛い思いしちゃうよ」とお兄ちゃんは言う。
かいはお兄ちゃんに抱きかかえられて二階のお兄ちゃんの部屋へと向かった。
私もついて行きたかったのだが、この元気一杯の弟の相手をしてやらないといけなかった。
なんだか慌ただしくなった最近だが、お兄ちゃんと一緒にいる時間が減ったこと意外にはとても幸せだった。




