噎せるほどに、あなたにこびりついた悪臭の正体はなんなんの?
“私の夫は私に何か重大な事を隠している!”
・・・旦那とは、知り合いの紹介で出会った。
彼と3回目に会った時には彼から私は、プロポーズされる。
私は初めて彼に会った時、“この男性と私は結婚するんだろうな”
と漠然と想っていた。
私の思惑通り、私は彼と結婚する!
ただ私は彼の事を何も知らない!
まあ、表面的な事は知っている! 彼の年齢や家族構成、どこの会社で何年
働いているかとか?
今まで何人の女性と付き合ったとか?
・・・でも? 彼の本質というか?
性格もまだ私に見せていない部分が大半だろうと思う。
それにたまに私に対して、彼が拒否反応をする。
愛想笑い、特に週末の土日は彼が何処で誰と会っているのかも私は知らない!
彼と結婚する前に最初に“契約”を交わしてから私達は結婚したからだ!
『君と結婚するにあたって、“土日は別々に暮らそう!”』
『えぇ!? どうして?』
『毎日居たら? “きっと夫婦生活もしんどくなるはずだ! 君の為にも
いい話だと思うよ。”』
『・・・そうかな、でも確かにそうかもしれないわね。』
『じゃあ、決まりだね! 一応だけど、“契約書を作ったからサインだけ
してくれるかな?”』
『・・・あぁ、ううん、分かった。』
*
・・・彼と結婚して3カ月。
週末が終わり、彼が私の居る家に帰って来ると? 何か変な臭いが彼からする!
“亜鉛のような血のような臭い、、、何故彼の体から臭うのか?”
私は素直に彼に聞いてみた!
『あのね? 匡彦さんって週末からこの家に帰って来るとなんか変な臭いが
するの? これってなんの臭い?』
『“臭い? どんな臭いがするのかな?”』
『“亜鉛の臭いというか? 血の臭いに似ているわ。”』
『あぁ、漁師の人とよく釣りに行くからかな、その臭いじゃなの?』
『その場でさばくの? 匡彦さんも?』
『そうなんだよ、漁師の人に教えてもらいながらなんだけどね、良かったら
次から魚持って帰って来るけど食べる?』
『うん! 食べてみたい!』
『分かった、次行った時は持って帰って来るよ。』
『ありがとう!』
・・・この時の私は完全に彼の話を信じ切っていた!
疑う事無く彼を私は信じていたのだ!
でも? 何かおかしいことに気づく。
彼の体にこびりついた悪臭は? 魚だけの少量の臭いどころじゃないのだ!
どちらかと言えば? “人の血の臭いではないのか?”
そんな事は、考えたくはないのだけど、、、?
ひょっとしてと、彼の週末の行動がやたらと気になるようになる!
・・・そして私は彼との【契約】を破る事に決めた!
彼が家を出た後、私は彼の後を彼にバレないようにこっそり後を着けた。
彼が向かった場所は? 海が見える場所ではなく山奥にある別荘だった。
“まさか!? 私の想像が現実なのか?”
私も彼がいつから持っていたかしらない別荘の近くの宿に泊まることにした!
あれから私が喜ぶと思って魚を持って帰って来てくれたのは?
帰りに魚屋で買ってきていたのかな?
彼は一体!? この別荘で一人何をしているの?
私は何から何まで彼の行動が気になった!
私の泊る宿から彼の別荘がよく見える!
私は双眼鏡を近くの店で買い、彼の別荘を監視していた。
・・・そうすると? 私の部屋に旅館の仲居さんが来て私にこう言ったの。
『“お客様のお連れの方と言う人が会いに来られてますよ。”』
『えぇ!?』
『会われますか?』
『・・・あぁ、は、はい、』
旅館まで会いに来ていたのは、“私の旦那だったのだ!”
『とうとうここまで来たんだね! 迎えに来たよ。』
『えぇ!?』
『“旅館には泊らず、僕の別荘に来るといい! お金もかかるだろうからね!』
『・・・お客様?』
『“済みません、今から彼女の泊るはずの部屋をキャンセルしてもらって
いいですか? その分は僕が支払うので! 彼女は僕の妻なんです。”』
『そうなんですか、分かりました! 今からキャンセル料の計算をしますので
少しだけそこでお待ちしてもらっててもいいですか?』
『勿論です!』
『いろいろとご迷惑をおかけしました。』
『いいえ、こちらこそ! またのお越しをお待ちしております。』
『ありがとうございました!』
私はビクビクしながら彼の後を着いていく。
彼は別荘に着くまで、私に一言も話さなかった。
それがやたらと怖かったの。
私は彼との約束を破りココに来ている!
後で何を言われるのか? 不安で仕方なかったのだ。
『“着いたよ、ココが僕の別荘だ! さあさあ、中に入って!”』
『・・・ううん、』
『僕はね、君を怒る気はないんだよ! だからそんなに怖がらなくていいんだ!』
『で、でも? 私はあなたのとの約束を破ってココに、、、。』
『大丈夫! 君は何も考えずリラックスしていればいい!』
『・・・えぇ!? アレは何?』
『“君の棺桶だよ。”』
『やめて! 私を殺すの?』
『あぁ、最初から決めていた! こうなる事は既に僕の中では想定内の
事なんだよ、君も僕のコレクションになってくれ!』
『・・・や、やめて! 殺さないで!』
【シュー―――――――イーン!】
【う、ああ、がっ、ゴボッ、】
『流石にいい切れ味だ!』
『切断して君を棺桶に入れて埋めてあげるからね。』
まさかな? また新しい奥さんを見つけないと、運命を感じる女性をね。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。