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『うみちゃんの手紙』に想う。

 災害。

 それはいたましい悲劇です。

 それに胸がめつけられるのは当たり前なんですが、ボクが泣きそうになったのは、あの1文なんです。


『日本をたすけてください』



 ……ちょっと無粋ぶすいに理屈をね回しますよ?


 この“日本”って、地図的な物理的な意味での“日本”じゃない気がするんです。

 うみちゃんにとっての“世界”というか。

 上手く伝わるかどうか……。

 ボクは実は「“世界”とは実は とても狭い認識空間のことだ」と常々、思ってます。

 この“世界”とは地図的・物理的な意味ではなくて、なんと言うか……“自分を包む、自分にとっての自分以外のすべて”的なニュアンスです。


 例えば、幼い頃に両親が不仲だった方が感じただろう深く大きな不安や痛みは、幼い命にとって両親と暮らす家庭が、“世界のすべて”だからではないか?とか。

 このたとえの方がわかりやすいでしょうか。

 イジメが原因で自殺する子どもがいます。

 現実的には、彼(または彼女)の周りの環境は、社会の中では とても小さな限られた空間です。

 でも、本人にとっては、その小さな交流が“世界のすべて”であり、その“世界のすべて”が、嫌悪や悪意や敵意やさげすみをあらわに自分を包んでいる……。

 その絶望が死を選ばせている……。


 上手く伝わるでしょうか?


 もちろん、その外・周りには、さらに大きな社会・空間が広がっている。

 そんなことは、わかっているんです。

 でも、実際に一人一人にとっての世界とは、実際に自分が見聞きし触れている、ごく小さな空間のことなんです。


 イカン……上手く伝えられないなぁ。



 とにかく、彼女の“日本”の言葉には、彼女にとっての“世界”、そしてその周りに広がっているだろうものまでもが、破壊されたという大きすぎる衝撃や不安や悲しみが込もっているような気がするんですね。


 やっぱり上手く伝えられないなぁ……。



 そして“日本をたすけてください”にはね、幼い、絶対的で迷いの無い信頼と祈りが込められているように思うんです。

 温かく頼りがいのあるヒーローに対するような絶対的な信頼と、神様に祈るような“大きすぎる衝撃への切実な想い”。


 ごめんなさい。

 わかりにくいですよね?



 でも、それでね、ちょっと想うんです。


 自然災害の話だけでなく、ボクらの“現在いま”は、幼い命や、これから生まれてくるだろう幼い命に、そんな祈りを抱かせないでいられるような“現在いま”なんだろうか?と。


 これが具体的にどーゆーことをしての気持ちなのか、具体的にどーゆーことを考えなきゃいけないのか、自分でもわかっていないんですけど。



 だから、託したいんです。

 無責任だと怒られそうだけど(笑)

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