表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/19

第六幕 王都観光と武器屋なようで

なんかずっと第五人格してるや、昼夜逆転中


「レオンさんがいいたかったことがわかりました。あれは…ひどいですね」


「あはは……私も若いころやられましたが直っていませんでしたか。すいません」


 昔からなのか、風習でもあんのかね?


「何の話ですか?」


 知らないのか?


 さすがにフェイさんは知らないほうがいいだろう…


「……いえ、こちらの話です。気にしないほうがいいかと」


「えー?教えてくださいよ」


「フェイは気にしないほうがいいですよ」


「むむむ……まあいいでしょう。ハルトさん」


 さっきの馬車で少し免疫が付いていた俺は、距離が離れていたフェイさんに動揺しなくなっていた。


「ハインブルグの観光案内をしてあげたいんですが、ハルトさんって宿とか決まっていますか」


「いえ、決まってません」


「でしたら、まず私たちの拠点に行きましょう。そこでしたらお部屋をご用意できますので」

 それは、願ったり叶ったりだ。


 野宿は困るし金が減るとステータスにも影響が出る。


 素直にフェイさんの好意を受け入れた。


 フェイさんとレオンさんに連れられるまま、ポレンタン商会の拠点についた。


 着いたところは、お屋敷のような広さがあり、実際屋敷があった。


「ここですか……。フェイさんってお嬢様だったのか」


「まあ、男爵家系ではあります。けど今更かしこまるのはやめてください。ハルトさんは恩人です」


 生貴族とか緊張しないわけないんですけどぉ


「わ、わかりました。精一杯がんばります」


 屋敷には生メイドがいて、個室部屋に案内してもらった。


 部屋はすごく広く、一人で使うにはもったいない部屋だった。


 荷物を置いて、観光へ行くのかと思ったが、その前に談話室に通された。


 そこには、レオンさんとフェイさんのほかに、きれいな女性がいた。


「ハルトくん、待ってたよ」


「はじめまして、ハルトさん。わたくしは、妻のミリエラ・アス・ポレンタと申します。この度は主人と娘を助けていただいてありがとうございます」


「あっ!? いえいえ、その……たまたま見かけましたので…」


 持ち前のチキンハートは耐えきることが出来なかった。


「あはは、ハルトさん緊張しすぎですよ」


「こら、やめなさい。すみません、ハルトさん。でも、気楽にしてください。私は男爵の妻ではありますが、もともとは田舎の娘です」


 すいません、気楽にはできないです。チキンハートはどこに行ってもチキンハートです。


「紹介も済みましたので案内をしようかと思うんですが、その前に一つお願いがあるんです」


「お願い?ですか」


「実は、先ほどからハルトさんのお洋服の出来が凄いと思いまして。お譲り願えないかと…」


 異世界の衣服だったな。そんなに違うか?


「あっ! もちろん、お金は出しますし、別の衣服も用意いたしますので」


 まあ、別にこの世界で住むなら現地の服のほうが目立たないだろ


「わかりました。さすがにお金は悪い気がしますので新しい衣服と交換だけで」


「いえ、お金も出します。それだけの需要と価値があります」


 詰め寄ってくるフェイさんの顔に引いてしまう。


 なんか、違う意味に聞こえるのはさっきの検問のせいだろうか…


「わ、わかりました」


 衣服のお金は、明日用意されるようなので、新たにもらった衣服に着替え、フェイさんに観光案内をしてもらうことになった。


「ハルトさんは、どこに行きたいですか?」


 フェイさんと二人であるいているとデートしてるって思われないか…


 なんて考えていた。


 卑屈な童貞でなにが悪い、文句あるか?


「できれば、冒険者ギルドとおいしい食べ物屋さんと武器屋をみたいです」


 デートではないな……


「じゃ、最初は武器屋ですね。こっちです」


 フェイさんは俺の手を握って走り出した。


「あ、あ、あ、あの……フェイさん」


 武器屋までついて振り返ったフェイさんはいたずらっ子みたいな笑顔で振り返った。


「ハルトさん、照れてます?」


 俺の顔がどんどん赤くなっていくのが分かった。


「なにはともあれ、まずハルトさん」


「な、なんですか」


「私の事はフェイと呼んでください。フェイさんだと他人行儀すぎますので」


「フェイさ「フェイ!!」……フェイ」


「よろしい。何はともあれここが、ハイブルグ随一の武器屋です」


 中へ入ると、様々な武器が置いてあった。


 どれも俺が買えないような武器がずらりと並んでいる。


「あの、フェイさ(キッ!)……フェイ、もっと安いお店とかってないですか」


「おい、坊主。武器を探してんのか?」


 店奥から野太いおっさんが出てきた。


「ええ、まあ、武器(木の棒)が破損したので、ある程度しっかりした武器がほしいと思いまして…けどちょっと予算がなくて」


「ハルトさんがほしいモノ言ってくれたら、買いますよ?」


「えっと、それは悪いので遠慮します」


「たしかに、うちの店は高いわな……。いや、最近いいものがあったんだこれは安いぞ」


 店主らしきおっさんは、言うだけ言って店奥へ消えていった。


「店主さんかな?」


「あの人は、レジームさん。ドワーフ族の人で名鍛冶師と呼ばれる人だよ」


 そ、そんな店だったのか……


 てかドワーフってファンタジーやな。ちょっと感動した。


 とかなんとか考えていると店奥から二つに分かれた大きな円月輪らしきものをもって戻ってきた。


「これな、俺が試作で作った武器やねんけど、使えるかわからんのや。デカいから扱えるかわからへんけど…」


「かっけぇぇぇぇぇー、ください!!」


「あんなぁ……坊主。かっこいいのは確かやけど扱えんのはあかんねん。わしの信用にもかかわるさかいな」


 扱えるんじゃないか? 今の俺なら


 というか絶対ほしいから、なんなら扱えるように練習するし


「一回、つかってみたいんだけど。練習する場所とかないですか」


「裏庭にあるけど…わかった。坊主が使ってみて、大丈夫か判断したるわ。わしの目で見て信用出来たらタダで譲ったるわ」


「フェイはどうする?」


「見てもいいでしょうか」


 レジームさんに案内され裏庭に行くと、木でできたカカシが置いてあった。


「このデコイに攻撃してみてくれ」


 両刀の円月輪を両手で構える。


 逆手で持つとなんかしっくりきた。しかも持ってみると意外とできそうな気がしてきた。


「じゃ、いきますね。おりゃッ」


 円月輪を交互に切り上げ、高速回転を加え連撃をデコイにあたえる。


 すんなりと動く体に、おれは調子に乗って連続で攻撃していた。


 周りが驚愕しているにも関わらず……


「坊主!? やめや、デコイ破壊しとるで」


 焦った、レムードさんの声にようやく気が付いた。


「どうでしたか?」


「どうでしたか? やあらへんわ。坊主なにもんやねん。周り観てみ、粉々や」


「えっ?」


 周囲を見渡すとデコイは粉々に壊れており、周りの土が荒れていた。


「あっ!!ごめんなさい」


 弁償なのか……。やばいよ、お金あるかな?


「ハルトさん、大丈夫ですか。目とか回ってないですか」


「いや、なんか大丈夫みたい」


「大丈夫みたいって……」


 本当にステータス様様って感じだわ。フェイはあきれてるみたいだけど


「弁償ですか?」


「ええわい! そんなもん。ええな気に入ったで坊主。約束通り武器はただでやる」


「いいんでしょうか、デコイも壊しましたし」


「デコイは古くなった廃棄品や、まあこれからもうちにメンテとか依頼してくれりゃええよ。ええもん見してもろたし」


「ありがとうございます」


「武器はどうする、鞘でもつくるんかい?」


 担いでは、あるけんしな……アイテムボックスでいいか


「いえ、アイテムボックスに入れます」


「ホンマ、坊主何者やねん。アイテムボックスってレアスキルやないか」


 はじめてしったんですけど…


「あはははは」


 わらってればごまかせるだろ。


「まあええわい……坊主の事は聞かんでおいたほうがええ気するわ」


「ありがとうございます」


「そういや、嬢ちゃん、ポレンタン商会の娘さんやろ? またよろしゅう頼むわ」


「わかりました」


「また、来な坊主」


「お世話になりました」


 俺たちは武器屋を後にしつつ、フェイと話しながら街道のおいしいものをパクついて次の目的地冒険者ギルドへ向かうのだった


、感想やレビューなども受け付けておりますので気軽に意見してもらえると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ