第二幕 スキルの力は、汚ゴミ?なようで
いや難しいよ小説。めちゃ萎えてきた
「……と、そんなことを考えているときが、俺にもあったな」
物思いにふけりながら、右手に持つ手紙をみて俺は遠い目をしていた。
こうなった原因は、ほんの数分前に遡る。
異世界だと思った瞬間、俺は青空を見上げ感謝の投げキッスを神様に向けてしまくっていた。
「サンキュー神様、今までのボッチ生活に神様を恨むことはあったがこれでチャラになった。いいや、おつりがくるぐらい感謝してる。愛してる神様~」
神様への熱烈ラブコールをし終わった俺は、ふと自分の持ち物以外のものが足元に落ちていることを思い出した。
「手紙とそれから小包っぽいな。異世界ネタ定番の異世界特典ってやつか?」
最初にどちらを開けるかを少し考え、小包は後に回し、俺は先に手紙を先に読むことにした。
「ふむふむ、なになに?」
ようこそ、異世界へ!! 辻堂 晴翔様。
不幸な事故により死んでしまったあなたには特別に異世界へご招待させてあげました。
残念ながら、異世界への役割などと想像しているかもしれませんがそんなものは、存在しません。この世界≪ラスティル≫には、魔物、人間、多種多様な人種が存在します。しかし、それらはこの世界の基本であるため問題ではありません。では、なぜあなたは異世界に飛ばされたと聞きたいかもしれませんが、つまらない理由です。「偶然」ということです。たまたま目についたということです。まあ、以上が異世界への招待の経緯というものです。
次に、異世界特典です。先ほどにも述べたように異世界には魔物が存在します。魔物は前世の常識よりも尋常ではない強さを秘めています。しかし、この世界の人種はスキルや魔法を身に着けることが出来るのです。スキルは、神様からの贈り物です。これは、一人一つしか与えられていません。魔法は、自分の適性によって身に着けるランクなどが存在します。
長々と話しましたが、つまりこの世界で生きていくためにあなたにスキルを与えました。スキルは「ステータス」と言えば見えるようになります。 by神様
長々と長文でつづられていたが、つまりは以下の通りか。
1.異世界≪ラスティル≫へ飛ばされたのは偶然で、俺に与えられた使命などはない。
2.この世界には様々な人種が存在し、スキル・魔法などが使える
3.異世界特典であるスキルが俺に与えられているので「ステータス」と叫べば出る
1.については少し残念だが、2.3.などは俺の高校の頃においてきた厨二心をくすぐられる。当時は、痛々しい眼帯とマフラー、コートを身に付けて「我が真名は、アンリミテッド・マスター・ハデス。漆黒にして冷徹 無常。」などと教団の前で言っていた。
そんなこともあり、友達を失ったというのは痛い思い出だ。しかし、この世界において普通である。そんな素晴らなことはない。
異世界特典に胸を躍らせ、俺は右手を突き出し「ステータス」と決めながら言った。
しかし、無情にも異世界特典は俺の心に深くダメージを与えた。
<status>
名前辻堂 晴翔 Lv.1
所持金0yell
筋力10 (+0)
魔法力10(+0)
防御力10(+0)
魔防力10(+0)
速度10(+0)
運0(+0)
<魔法適正>不明…スキル変動あり
<スキル>貯金…所持金が多ければ多いほどステータスに変化が起きる。無一文には使えない
「……orz。終わった、俺の異世界生活は終わった」
途方もない声を天に向けてつぶやきたくもなる。ステータスは、使命もなく異世界に同じ体で来たのだから、納得できる。しかし、スキルは納得できない。
確かに、金があれば十分に強い。むしろチートであろう。しかし、俺は現在無一文だ。むしろスキルはゴミともいえる。
俺の現在地は草原以外、不明で持ち物は小包と手紙だけだ。
もう一度言うが、この世界には魔物が存在する。俺のいる場所も例外とは言えないだろう。
「これは、試練なのだろうかと神様に問いたい」
これが、数分前の出来事だった。
死という経験をしてきたからか、少し死に対してトラウマになりつつある。
絶望的状況に死を近接に感じる。最後の頼みの綱である小包に希望を託した。
「鬼が出るか、蛇が出るか」
おそるおそる開けると中には、コインのようなものと地図のようなものが入っていた。
また、中身には手紙も入っていた。
やあ、やあ、これを読んでいる君は少しビビっていたかな?
それとも、先に小包見ちゃったかな?まあ、できれば前者であるとおもしろいな。
まあ、中身はスキルのお助けアイテムだね。お金と地図だね。君のスキルはお金がないと始まらないから、前者だった時、途方に暮れてたんじゃないかな? めんご。
地図は、現在地を正確に示してくれるナビ付だよ。よかったね。遭難しなくて。
まあ以上だよ。じゃぁねー by神様
さっきとキャラが違い過ぎじゃありませんかね。人のこと言えないけど…
まあ、なんにせよ助かった。
所持金は、ステータス画面で預ける機能がついてるみたいだ。
まるで銀行だ。すべてのお金を預け入れすると、体に違和感はないが自分のステータス画面が変動していた。
<status>
名前辻堂 晴翔 Lv.1
所持金1000yell
筋力10 (+100)
魔法力10(+100)
防御力10(+100)
魔防力10(+100)
速度10(+100)
運0(+0)
<魔法適正>炎D 水E
<スキル>貯金…所持金が多ければ多いほどステータスに変化が起きる。無一文には使えない
金だけで変わりすぎだろ、やっぱ持つべきものは友人や恋人じゃねえ金だ。
俺のこの世界での目的は、この時定まった。
そうだ、金を貯めよう
俺は、ゲスイ笑みを一人で浮かべながら草原の真ん中で地図を見ながら歩いていくのだった。
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