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第十七幕 報酬と奴隷買いなようで

書きためがなくなるにつれて不安を感じざるを得ない


 あれから数日後、冒険者ギルドからの報酬の用意が完了したという手紙を受けた。


「久々に冒険者ギルドに向かうな。この数日だらだらと何もせずに屋敷に引きこもってたしな」


 なにかしたいという意欲が芽生えずに数日はゴロゴロとしている日々だった。


 何回かフェイが家に来ては、話し相手をしてくれた。


 最初に来た時は、危ないことに俺が参加していたことに怒っていたけど……


 そうこう考えて歩いているうちに冒険者ギルドにたどり着いた。


 中に入ると大勢の冒険者がこちらを見ては、ひそひそと話しているのが見える。


 (なんだ?新手のいじめ?元の世界の学校時代を刺激される……泣ける)

「ハルトが来たニャ。待ってたんだニャ」


 カウンターから出てきたシャルマさんに呼び止められた。


「この騒ぎが気になるニャ?ハルトが4000体のモンスターを倒して、男爵になったって英雄伝がみんなに伝わってるのニャ」


「ええ?!英雄なんかじゃ……」


「そんなことないニャ。町に被害が一切ないなんて今までに一度もないのニャ。だからすごいんだニャ」


 なんか動物園のパンダ気分だ。すごい複雑。


 シャルマに通された部屋に入ると、そこにはギルマスのテリーさんと王様の秘書官であるエレナさんがいた。


「久しぶりだね。まあ座りなさい。シャルマ、ハルト君に茶を入れてあげてくれ」


「了解ニャ」


「お久しぶりです。ハルトさん。今回の報酬は国とクエストそれに素材の報酬がありますので同席させていただきました」


「ああ、そういうことだったんですね。それでいきなりで申し訳ないんですけど報酬ってどれぐらいになったんですか」


 ステータスやこれから奴隷を買おうと思っていたから先に聞いておきたい。


 わかったと言ったテリーさんは奥の部屋から3つの麻袋を前に置いた。


「これがクエストの報酬はすまんが参加者全員活躍度山分けで、200,000yellだな。んでこっちが王国からの報酬310,000yellと素材報酬が100,000yellだ。んで合計が520,000yellだ」


 まあわかってはいたが、3億yellは山分けだな。


 それよりも金貨の色が金色ではなく白色になっている。


「悪いが金貨は白金貨だ。1枚、10,000yellだな。なにか質問はあるか?」


「関係ないことでもいいですか?屋敷の管理を任せるためにこの後一般奴隷を雇いたいんですけど…恥ずかしながら場所がわからないので教えてほしいです」


「それではこの後、私がご案内しますよ。値下げ交渉などにもお役立ちできるかと」


「ありがとうございます。お願いします」


 うん、また女性と二人になりそう……怖いよ。


「とりあえずこれで終わりだ。また男爵で忙しいだろうがクエストを受けて…ああそうだった」


 思い出したように大きな声を上げテリーさんは、扉から出て数分後、機械を持って戻ってきた。


「お前さんをAランクに上げようと思っていたんだ。ギルドカードを出してくれ」


 ギルドカードを渡すと、テリーは機械の中にギルドカードを突っ込み何か操作をして取り出した。


 戻ってきたカードは金色へと装飾されたカードだった。


「よし、これでAランクの更新を完了した。これからも期待しているぞ」


 (痛っ、どんだけつかんで念押すんだよ…」


 めちゃくちゃ食い気味に肩をつかまれ、言われた。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 


 冒険者ギルドを後にし、エレナさんと奴隷商へと到着した。


「こちらが奴隷商ですけど……。大丈夫ですか?」


「え?あっはい、大丈夫です。はい」


 世間話をしたりして歩いていたが終始カミカミで話すことになったので、ちょっと俺はな気持ちになっていた。


 よし、気を取りなおして奴隷商だ。


 二人で入ると、奥から男性が現れ、エレナさんを見て別室へと通された。


 中に入ると、一人の太った男性が座っていた。


「秘書官のエレナ様がどうされましたか?それに新しい男爵様の確かハルト様でしたかな?奴隷をご所望で?」


「なぜ、俺のことを?」


「商人をしていると耳ざとくてですな。まああなたの場合は結構有名になってますから英雄殿」


 まじかあ…


 エレナさんも「確かにそうですね」と納得している。


「本日は、ハルトさんが家の管理のために奴隷が欲しいということで付き添いとして参りました」


「ほう、そうでしたか。たしかあのお屋敷を頂いたのでしたな。劣化や汚れなど大変でしょうな」


「いえ、魔法でそこらへんは清潔になりました」


 そういうと、二人の顔は目を見開いていた。


 そして奴隷商の男は笑い出した。


「フハハハハハ、さすがは規格外ですな。ではどのような奴隷をお求めですか」


 なんだ俺、変なこと言ってないよな。


 まあいいや…気にしないでおこう。


「……んっ!できれば、家事のできる者と警備ができる者、それと読み書きや計算ができる者がいればお願いしたいです」


「そうですな、こちらの資料が該当する奴隷となります」


 資料を取り出し、見せてくる。


 資料には、顔写真と名前、年齢できることが書いてあり、若いものから年老いた者までバラバラである。


 その中で俺は、6人を選出した。


 内訳としては、家事奴隷が2人、警備奴隷が2人、読み書きや計算ができる奴隷を2人選んだ。


「では、すぐに処理のために明後日お越しください。金額は80,000yellでどうでしょうか?」


 80,000yellか痛い出費になるな…


 そんなことを考えていると横からちょっと待ったコールが入った。


「それは少し高すぎですね……。40,000yellが妥当ではないでしょうか?」


「いえいえ、それでは安すぎますしこちらが赤字です。60,000yellならどうでしょう」


「ならこの奴隷は過去の失敗などの評価が入っている。50,000yellでどうだ?」


「ぐぬぬ……、しょうがないですね。では、50,000yellでお譲りしましょう」


「いかがですか?ハルト様」


「では、50,000yellでお願いします」


「……わかりました。では明後日、ここでお待ちしております」


 エレナさんがいてよかった。奴隷商の人は少し悔しそうだが…


 支払いは、手渡すときだそうなので俺は、エレナさんにお礼を言い俺は屋敷に帰るのだった。


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