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第十一幕 報告と報酬なようで

第五人格の新キャラ衣装いいよね!


 冒険者ギルドへと戻ると、俺に気づいた冒険者は驚いた顔をし、周りの冒険者とこそこそと話し始めた。なんとなく俺の事をちらちら見ながら話しをしている。


 (ん?なに?俺おかしいのかな。それとも新手の新人いびりとか?やばい前世のトラウマよみがえるんだけど)


 そんなことを考えながら、報告をするためにカウンターへと向かうと、座っていたシャルマさんがホッとした顔をしていた。


「考え直してくれたんだニャ。罰則金は惜しいかもしれないけど、命あっての物だからニャア」


 ああ!なるほど、俺がバジリスク討伐をやめたと思ったのか……

 だから、冒険者たちはひそひそしてたのか。(それだけじゃない(*前々回参照))


「えっと……。倒したから達成報告をしに来たんですが」


 その言葉と同時に、シャルマさんと周囲の人たちが、目を丸くしてこちらを見てくる。


「……ハイ? タオシテキタニャ? ナニヲ」


 なんとか、戻ってきたのかシャルマさん片言になっている。


「バジリスクですけど……。一応4体いたんで4体倒しました」


「ありえないニャ。まだクエストを受けて1日経ってないニャ」


「今行って帰ってきました」


「嘘はよくないニャ。だったら討伐部位をみせるニャ」


「えっ?討伐部位ってどこですか?」


「やっぱり嘘ニャ。それは怒るニャ」


「いや、一応アイテムボックスにあるんで取り出せるんですけど、解体してないです。ここで出してもいいんですか?」


「まだいうニャか。出せるもんなら出すニャ」


 まだ、疑っているシャルマさんは、すこしイライラした声を出していた。周りも少し険悪な態度でこちらを見ていた。


 そんなに言うならとりあえず証拠を出せばいいかな、一番マシな死体は、<ダウンバースト>で倒したやつだな。


 そう考えてアイテムボックスから、1体バジリスクの死体を選んで取り出した。


 ――――――――――ドシンッ



「出たニャー!!」

「きゃあー!!」

「「「「「「「「「「「「「「「「はぁーーーーーーーー!?」」」」」」」」」」」」」」」」」


 ギルドにいた冒険者とシャルマさんを含めたギルド職員も驚愕して叫ぶ。


 そんなことをしていたらギルドの奥からギルドマスターのテリー・サイトウが出てきた。


「うるさいぞ。なんの騒ぎだ。ってなんだ、これは?!」


 ギルドマスターも突然のバジリスクとのご対面に驚愕して腰を抜かしたが近くに俺がいたのを見つけて少し納得したように落ち着いて立ち上がった。


「とりあえず、説明をしてもらえるかな。ハルトくん」


「実は、バジリスク討伐のクエストを今日受けて倒しに行ったんですが…」


「今日って!?今日?!」


「それで疑われたので死体を出したらこうなりました」


 途中、今日倒したことに驚かれたが、一々説明するのが面倒くさくなったのでスルーして話を進めた。


「とりあえずここだと邪魔だし、しまってくれるかい?」


 ギルドマスターは、スルーされたことに、不満顔をされたがすぐに態度を戻していた。


「わかりました」


 バジリスクの死体に触れ、アイテムボックス内にしまった。それを見て、またも周囲は驚愕したようにこちらを見ていた。こっちからしたら何?!と思う。


「君が常識知らずなのはわかったよ」


(なんでだ?)と突っ込む前にギルドマスター…以下略。ギルマスが話を続ける


「今回は、うちの職員のミスだ。すまない」


 ギルマスが頭を下げてくる。続けて、落ち着いたシャルマさんが頭を下げてきた。


「本当にごめんなさいニャ。」


 さすがに事を荒立てるつもりなど一切ないというかあんまり気にしてなかったため謝罪を素直に受け止めて終わりにした。


 あの騒ぎでは、ゆっくりと話せないということなので、ギルマスが使っている書斎俺と当事者のシャルマさんが通された。


「説明するの忘れてたんだがニャ。討伐依頼には一部の部位を討伐証明としているニャ。バジリスクなら鱗とかしっぽになるニャ」


「じゃあ、クエスト失敗ですか」


「いやいや、倒した証拠が丸々あるのにクエスト失敗とかはないよ」


「ごめんなさいニャ。クエストは達成ということで、報酬は、討伐部位を依頼主に渡した後に支払うニャ」


「それなら、いいんですが……」


 さすがに苦労して倒したから、報酬なしはきつい。


「ハルトくんは、解体はできるのかな?」


「いえ、たぶんできないです」


 やり方を教わればやれるかもとは思うけど、正直言って面倒だ。


「たぶん……ね。一応、ギルドにも解体施設があるよ。そこだったらモンスターをもっていけば無料で解体できる。あと、素材をうることもできるから」


 ん?素材を売却できるとな?それはいいことを聞いた。


 正直、Item欄は肥やし(街に来る前のゴブリンの死体や盗賊だったオオカミ男の素材)がいっぱいになりつつある。


「それは、助かります。どこにあるんですか」


「案内するニャ」


「とりあえず、自分も行くよ」


 案内をされた場所はギルドの裏口の方だった。そりゃ、知らんわけや。前からしか見たことないしな。


「ここが、解体と買取をしてくれるところだニャ。担当してくれる職員を呼んでくるから待ってニャ」


 解体施設の中は、なかなか広い空間で上の方にはモンスターが解体されつるされていた。


 なんか、前世の精肉場を見せられている気分だ。


 昔、鶏肉を精肉するところを見たが、〆るところから見たときあまりのグロさに鶏肉が1週間食えなくなった。


 周囲を物珍しく見ていると、シャルマさんと女の子が現れた。


「なんだね? 今忙しいんだよ。後にしたらだめか」


「君に仕事の依頼だよ。あと、紹介だ」


 女の子を見て、俺は驚いた。女の子の大きさは小学生なみに低く、白衣のような恰好をしており、場の雰囲気にみじんもあっていなかったのだ。


 ついでに目は、切れ長で、髪は長く、先ほどまで寝ていたのか寝癖が出来ている。ロリコンでもいいかも……


 しかし、態度は大人並みにデカかった。


「ギルマスまで…」


「この人が、解体士のリーダーでレティ・メルだニャ。基本的に解体依頼は端っこの解体カウンターで手続するニャ」


「だれ?」


「レティくん、こちらハルトくんだ。今回は彼が、バジリスクを討伐してきたのと解体場の案内をしに来たんだ」


「は?今、バジリスク討伐って。こんなガキンチョがですか」


(君が言うの?)


「今、君が言うの?って思ったろ。私は、あんたより10は上よ。」


「「ほんとだよ(ニャ)」」


「えっ(ロリババア)?」


「今、失礼なこと考えたでしょ」


 レティさんは、目を細めてこちらをジッと見てきた。


「いえ…(心が読めるのかな?)」


「まあいいわ。バジリスクを倒したってのは本当?」


「はい、倒しました。出しますか?」


「出しますって?」


「ハルトくんは、異空間魔法が使えるんだよ」


「!!、じゃあここに出して」


 レティさんは何も置かれてない場所を指さした。言われた通りバジリスクを全て出した。


「ニャーーーーーーー!!」


「ちょ、ちょっと!! こんなにいるの。一回しまって! このままだと床が抜けちゃう」


「ハルトくん、何体倒したの?」


「4体です」


「……規格外だね」


「解体の依頼は、わかったわ。でも、さっき見たやつ黒焦げなのは買いとり額が安くなるわよ」


「まじですか」


「一応、きれいな素材だと買い取り額が上がるから覚えておくといいわよ」


「わかりました。気を付けておきます」


「これで用件は終わりかしら。バジリスクの討伐証明部位を抜いてほしい物はある?」


「いや?これといってないですね。全部買い取ってください」


「全部ニャ?防具の素材にもなるニャよ?」


「いいです。今はお金が最優先なので…」


「わかったわ。他に用件はあるかしら。なかったらできる限り早く明日の昼には買い取り額を用意するわ」


 明日にはできあがるのか。すごいな。なら、他のも売っておくことにしよう。


「実は、この町に来る前に倒した素材があるんでこれもお願いしたいんですけど」


 そういって俺は、ゴブリンの死体全てとオオカミ男の死体、それらが持っていたものを全て出した。先ほどの空いた空間は、それらで埋め尽くされて山になっていた。


「「「はぁーーーーーーーーー!!」」」


 この山を見た三人の声がギルド内で響き渡った。


 このときの声は、なにかの事件かもと町の警備兵が巡回を増やしていたのはまた別の話だ。



感想やレビューなども受け付けておりますので気軽に意見してもらえると幸いです。

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