表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/62

商売編~シスターはジークにみさおを捧げる

 精霊教会が介護する病人を治したら、なぜか神様と崇められた。

 最初は戸惑ったが、誤解を解くのも面倒だし、この際だ! 利用させてもらう。


「教会に食料と薬を届ける。その代わり、僕が良い人だって広めてくれ」

 埃一つない応接室でアレクシアと話す。一時間前までは埃だらけだったのだけど、話がしたいと言ったら一瞬で綺麗にしてくれた。

「もちろんです! 神が降臨し、私たち哀れなる人間に慈悲をくださったと、信徒の力を合わせて広めます!」

 キラキラを通り越して、ギラギラと目を光らせる。それすると精霊教会のお偉いさんから睨まれそうだけど……。

 まあ、最悪札束で顔面を二発も殴れば分かってくれるだろう。タマモ母さんの幻術やブラッド母さんの催眠術もあるし。


 今はこの勢いに乗るべきだ。


「ありがとう。さらに、お願いがある」

「お願いなどとんでもない! ご命令ください! 私たちはあなた様の手となり足となるために生を受けたのです!」

 やる気があるのは良いね! この際そう考えよう!


「僕たちがやっている炊き出しをやって欲しい。食器洗いからパン作りにスープ作りまで。材料は渡す。報酬は、自分たちで作ったパンとスープだ」

「なんとありがたい! 信徒にはパン職人やスープ職人に、食事場で働いていた者もおります。すぐにでも取り掛かれます」

「その他にも色々と雑用を頼みたい。報酬は渡す」

「あなた様からの命令! それこそ私たちの最上の報酬でございます」

 アレクシアは両手を合わせて、恭しく拝んだ。


 とにかく、目的は達成できた。

 一週間もすれば噂は広まり、労働組合代表のオードリーを口説き落とせるはず。そうなればいよいよ大詰めだ。


 致死率の高い出血熱の感染経路が気がかりだが、今できるのはヴァネッサに調査を依頼することくらい。教会の除染は済んだから、今は安心しよう。


「あの、ジーク様に、お伝えしたいことがあります」

 思案していると、アレクシアがもじもじと色っぽい顔で体をくねらせる。


 とてもエッチだけど、相手は聖職者だ。手を出すと面倒なことになるから我慢しよう。

 とりあえず、お茶を飲んで難しい顔をする。何となく知的に見えてると良いなぁ。


「私のみさおを受け取っていただきたいのです」

 みさお? 何それ? 食べ物? お茶を飲む手が止まる。

「処女ですよ、ジーク様」

 ボソリと耳打ちするロクサーヌの言葉にお茶を噴き出す。


「だ、大丈夫ですか! ああ! やはり修行の足りない私などの操なんて! 死んでお詫びします!」

「ごほごほ! ぢょっどまっで!」

 恥ずかしさからか悲しさからか分からないけど、窓を全開にして飛び降りようとするアレクシアを止める。

 ここは一階だから死ぬことはないと思うけど、怪我はさせたくない。


「しょ、処女を捧げるってどういう意味?」

 アレクシアのような美人さんを抱けるのは嬉しい! でも理解が追いつかない。

 聖職者は神に処女を捧げる。だから性交はご法度のはずだ。


「そ、その……」

 アレクシアは顔を真っ赤にもじもじする。勇気を振り絞って言ったのか。


「私が代弁させていただきます」

 ロクサーヌが優し気な顔でアレクシアを見る。

「アレクシア様は神に処女を捧げてきた。そして、ジーク様という真の神に出会えた。だからこそ、受け取っていただきたいのです」

 つまり、僕は神様だから処女を受け取ってくださいって?

 凄く重いんだけど! それに発想が飛躍し過ぎ!


「も、申し訳ございません……あなた様に出会えたことで浮かれてしまいました」

 アレクシアは断頭台を前にしたかのように顔を伏せ、ガタガタと震える。

 これ、自殺しない?


「ちょっと考えさせて」

 足を組んで、お茶を飲む。

 発想を変えよう。アレクシアを抱いて不都合はあるか? 特に無い!

 勇気を出して言ってくれたのだから、僕も勇気を出そう!


「分かった。ありがたくもらうよ」

 スルリとアレクシアの横に座って、唇を奪う。

 アレクシアの目からブワッと大量の涙が滝のように落ちる。


「よろしいのですか! 私のような者のみさおで!」

「良いさ。君はよく頑張ってきた。だからこれからも僕のために頑張ってくれ」

「はい! はい! ありがたき幸せです!」

 さらに激しくキスをする。アレクシアの体から力が抜ける。顔がうっとりととろけて行く。


「私は席を外させていただきます」

 ロクサーヌはアレクシアの頭を撫でると、足音も立てずに出て行った。


「アレクシア、怖くない?」

 アレクシアの服を一枚一枚脱がせていく。少しずつ、魅力的な体が現れる。


「はい! 大丈夫です! どうか私をあなた様のお傍に居させてください!」

 僕はキスをしながらアレクシアの服を全てむくと、一つとなる。


「ああ! なんと幸せな! この痛み! この体温! この鼓動! 私はあなた様と出会うために生まれた!」

 グッと抱きしめていると、アレクシアは涙を流して喜ぶ。

「私、アレクシアはあなた様に永遠の服従を誓います! あなた様の僕となります! どうか、私にご命令を! どうか、私を楽園へ! 何でも致します!」

「なら、僕を永遠に愛せ!」

 グッと力を込める。アレクシアは幸せな涙を流す。


「ジーク様! 愛しております! 永遠に」

「ああ! 最高だ! 絶対に離さない!」


 僕は飽きるまで、アレクシアを貪った。 

頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ