商売編~慈善活動は成功したので女の子にご褒美を与えます
お金のない人に無料で食事を配る。ボランティア、または慈善活動だ。
目的は売名行為。とにかく僕たちが善人であると知ってもらうこと。
そうすれば、色々と話がしやすくなる。
目論見は成功、一週間もすると多くの人々が僕たちの顔を覚えてくれた。
「ジーク様、ありがとうございます」
おじいさんはパンとスープを貰うと、恭しく頭を下げる。
「今日一日頑張って」
握手と笑顔を忘れない。
「ええ、ええ。ありがとうございます」
おじいさんは何度も頭を下げて列から外れる。
次に並ぶおばあさんに食事を渡す。
「いつもありがとうございます」
「どういたしまして」
浮浪者だ。でも握手と笑顔は忘れない。
差別しない。善人と思われる第一の条件だ。
食事を配るのは一日一回、朝だけ。1000食分のみ。それでも昼まで長蛇の列が並ぶ。
「列に並ぶ人が1500人を超えています」
夜、自宅でロクサーヌたち全員と、ジェーンを交えた30分間の定例会議を行っている最中に、エミリアから報告を受ける。
「1500人。ゴルドー国の10%以上の人が、僕たちに会いに来てくれているのか」
良い傾向で安心する。もしも減少していたら、目論見は破綻していた。
「明日から1500食作ろう」
「分かった!」
「頑張る!」
スーとアンナがピョンと腕を突き上げる。元気いっぱいだ。
「ジーク様、横から失礼します。ジーク様の狙い通り、目的の人物が列に並び始めました」
ジェーンがスッと報告書をテーブルに滑らせる。
「教会のシスターであるアレクシア、薬剤師のヴァネッサ、労働組合代表のオードリー、その他職人の家族です」
「ついに職人たちが助けを求めてきたか」
嬉しくて隣に座るエミリアとロクサーヌにキスをする。二人ともポッと顔を桜色にする。
連合会は職人たちにタダ働きを強制した。当然職人たちは飯が食えない。
そこに無料でご飯を配る男が居たら?
結果はすぐに分かる。
「ジーク様の狙い通り、今なら彼女たちに出向いても、無下に扱われることは無いでしょう」
ジェーンは腰が90度になるほど深々と頭を下げる。元銀行ウーマンの対応は素晴らしい。
「皆ありがとう! 僕は明日から、職人たちと接触してくる。皆はいつも通り慈善活動をお願い」
オレンジジュースをゴクリと飲む。甘酸っぱくて美味しい。
「美味しい」
まったりと力を抜くと、皆も肩の力を抜く。
会議は終わりだ。あとはイチャイチャするだけ!
「皆頑張ってくれたから、そろそろご褒美を上げないとね」
ギュッとロクサーヌとエミリアを抱き寄せる。二人は抵抗せず、力を抜く。
「ロクサーヌは何が欲しい?」
ロクサーヌの可憐な顔に囁く。
「その! ……ジーク様が欲しいです」
恥じらいを持ちつつ、グッと体を寄せて来る。
「そんなので良いの? お金なら1億ゴールドあげても良いんだよ? ロクサーヌはよく働いてくれたからね」
顔を近づける。真っ黒な瞳が揺れる。
「ジーク様。私はお金が欲しくて働いているのではありません。あなた様に喜んでいただきたいから働いているのです」
スッと唇を重ねる。
「私はあなた様の忠実なる性奴隷です。あなた様の笑顔だけが私を喜ばせるのです。私の心臓はジーク様の物です。あなた様が傍に居る。それだけで幸福なる報酬なのです」
感極まって涙を流す。ロクサーヌはとてもエッチで可愛いな。
「僕の笑顔だけで良いの? それ以外は欲しくないの?」
キツく抱き寄せて、腰を撫でる。
「……ジーク様は意地悪です。あなた様に抱かれる。あなた様に使って頂ける。とても光栄で、考えただけで達してしまいます」
ロクサーヌの息が荒くなる。グイッと、体が密着するくらい抱擁する。ロクサーヌは、ホッとため息を漏らす。
「エミリアは何が欲しい? お金?」
今度はエミリアに顔を向ける。エミリアは頭を撫でると、ゆっくり、僕にしな垂れる。
「ジーク様は意地悪です。あのようなゴミとジーク様。どちらが欲しいかなど、自明の理です」
軽く、キスをする。エミリアの体温が上がる。
「あなた様の存在、あなた様の鼓動、あなた様の体温、あなた様の笑顔、あなた様の脈動、あなた様の息遣い。すべてが私たちの喜びです。あなた様がお傍に居る。それだけで私たちは幸せなのです」
エミリアの息も荒くなる。顔は薄っすらと、果物のように鮮やかに赤い。
「皆は何が欲しい?」
正面に座るジェーンやメリムたちに目を向ける。
「ジーク様? 私たちのお答えなど分かっているでしょうに」
ジェーンはペロリと唇を舐める。
「ジーク様になでなでして欲しい!」
「一緒に寝る!」
スーとアンナは大はしゃぎだ。
「どうか私たちにお情けをください」
メリムは両腕で胸元を押さえる。心臓が破裂しそうなほど高鳴っている。
「ジーク様、愛しています」
「私たちに愛をください」
バレットとイライザは夢を見るように呟く。
「良いよ。今日もいっぱい、愛してあげる」
会議室なのに、グッとロクサーヌの唇を奪い、体をまさぐる。
我慢なんてできない!
「ジーク様! ジーク様! 愛しています!」
「皆凄い! とっても綺麗だ!」
むわっとする生々しい花の香りに包まれる。
今日もいっぱい、ご褒美を上げた。
皆、泣いて喜んでくれた。
風邪をひきましたが頑張ります。




