町作りは意外と順調です~50人の女の子はジークの赤ちゃんが欲しいです
「おお! 真っ赤じゃ!」
「これは魔法でも中々目にできない温度じゃ!」
リム母さんとタマモ母さんは窯の中でレンガが真っ赤に熱される様子を興味津々に見守る。
「凄いのぅ。火の扱いは人間が上じゃ」
「ワシなんぞ人間を焼き殺すことにしか使わんかった。まさか火で土から石を生み出すとはのぅ」
母さんたちは焼き上がったレンガを手に取って、コツコツと感触を確かめる。
「煙突を作ると、下から上へ空気が吸い上げられるんです。それが火の温度を上げるんです」
ロクサーヌが丁寧に説明する。母さんたちはふむふむと頷く。
「よく考えるもんじゃ。人間の欲も、使い方を間違えなければ役に立つのぉ」
「魔物はその日暮らしじゃからのぉ。工夫という物を知らん」
そしてしみじみと人間の知識に感心する。
「人間もやるのう。ワシらの子が負ける訳じゃ」
「人間が地上でのさばるのも納得じゃな」
人間嫌いの母さんが、人間に感心して、微笑んだ!
「良い傾向だね!」
「良い!」
物陰から青子と一緒に母さんたちの様子を見守る。
そして手ごたえありと思うと、肩車する青子にニッコリと笑い合う。
「ろ過装置はどうかな?」
泥水が綺麗な水になる。絶対に皆、驚くはずだ!
「綺麗になってるわ!」
「美味しい!」
ニャン母さんやミノ母さんなど多数の獣人母さんがろ過装置に殺到する。
「小石やきめの細かい布で、泥と水を分けます」
エリミアが丁寧に説明すると、皆が拍手する。
「つまりあなたたちは凄く頭が良いのね!」
「まるで神様みたい!」
雨あられの拍手に、エミリアの頬が赤くなる。そして口元が、フッと、にやける。
「コップってすごく便利ね! 水を持ち運べるなんて思わなかったわ!」
「ジーク様が使ってたけど、こういう理由だったんだ!」
ろ過装置の隣ではメリムが食器を紹介していた。
皆、コップで水を救うと、感動する。そして口に水を運ぶとさらに驚く。
魔物は手掴みに泥水を啜るのが基本だから、衝撃的だ。
「このコップや食器は私たちが作りました。まだ拙いですけど、ちゃんと使えます」
「拙いなんて謙遜しちゃだめよ!」
「頭がいいなら威張らないと! 魔物の基本よ!」
メリムは魔物たちに叱られると、照れたように困った。
「良いね!」
「良い!」
ニコッと青子にピースする。青子もニコッとピースする。
「食堂はどうなっているかな?」
こうなると、彼女たちが作ったパンも大人気のはずだ!
「小麦よりも柔らかいわ!」
「美味い!」
ヤタやハクなど鳥類系の魔物がパンをバクバク、手に取って食べている。
「噛み千切るってのも面白い!」
滅多に人型にならないフェニックスも、今は人型でパンを口に放り込む。
「皆で作ったんだよ!」
「とっても美味しいでしょ!」
スーとアンナが皆に笑いかける。
「人間も頑張るな」
スクがスーとアンナの手を握る。スーとアンナの手にできた豆が見る見ると癒える。
「凄い!」
「魔法だ!」
スーとアンナはぴょんぴょん飛び跳ねる。スクはニヒルな笑みを浮かべる。
「もっと頑張ってパンを作れよ」
「うん!」
「もっと上げるね!」
スーとアンナが山盛りのパンを持ってくる。魔物たちはそれをむしゃむしゃと食べる。
大盛況だ!
「成功だ!」
嬉しくて青子を抱きしめる!
「ジーク、偉い偉い!」
青子はギュッと、喜んでくれた。
「正直、最初はどうなるかと思ったが、いらぬ心配じゃった」
「さすが、ジークが選んだ雌どもじゃ」
食堂で、皆の前で、リム母さんとタマモ母さんに両側から頭を撫でられる。
女の子たちの前でやられるとさすがに恥ずかしい。
「喜んでいただき、私たちも嬉しいです」
ロクサーヌたちは一斉に頭を下げる。彼女たちが僕の状態を気にしていないのが救いだ。
「良き雌じゃ! ジークだけでなくワシらも慕っておる!」
「これはもう認めるしかないの!」
母さんたちは一斉に顔を見合わせ、笑い合う。
「お主らにワシらの子供たちの命令権をやる。存分にこき使え」
「オオカミに狐に牛に猫、蛇にネズミ、その他いろいろ。何かしら役に立つじゃろ。場合によっては食っても良い。食いたい時は頑張って狩れ。ワシらはそれを許す」
「え!」
ロクサーヌたちが驚く。僕も驚く。凄い譲渡だ。
母さんたちは魔物たちの母で野生動物の母だ。だから命令権を得るとは、魔物や動物を支配することに等しい。
「最も、お主らは三番目に偉い!」
「一番はジーク、二番はワシら、三番はお主らじゃ。時にふざけた命令をしたなら、その時は容赦せんぞ」
「め、滅相もありません! ありがとうございます!」
ロクサーヌたちは何度も頭を下げる。彼女たちは頭がいい。母さんたちが言ったことの重大性を理解している。
「良し良しじゃ!」
「頑張って、町を作ると良い。そんで、ワシらを楽しませておくれ」
母さんたちは笑顔でロクサーヌたちを歓迎した。
「ところで、お主ら、まだ生娘なのかい?」
リム母さんが首を傾げる。
「どうしてジークと肌を重ねん? 子が欲しいじゃろ?」
タマモ母さんも首を傾げる。
変な流れになってきた。
「えっと! ジーク様はお忙しいですし、私たちではとても……その……釣り合いません」
ロクサーヌが悲し気に笑う。
待って? なんでそんな顔するの? 僕が虐めているみたいじゃないか!
僕はロクサーヌたちが大好きだ! 頭がいいし頑張り屋! 顔立ちにスタイルも素敵だ! 皆可愛くて、皆綺麗! キス出来るようになってとっても嬉しい!
だけど子供は早い! Hは早い!
そんなことしたら本当に抑え切れなくなっちゃう!
「なんじゃ? ジークはこ奴らが嫌いなのかい?」
「そんな訳無いよ!」
リム母さんの言葉に慌てて首を振る!
「ただ単に、早すぎるだけだよ! 僕たちは忙しいし! それに僕はキスできる関係になれて満足! それで十分だよ!」
「ワシらはジークの子供が見たいのぅ」
タマモ母さんが寂しそうに耳を垂れる。
ちょっと待って! 僕が悪いみたいじゃないか! そりゃやりたいけど、そんな勇気無いよ!
「私たちはジーク様と口づけできるだけで満足です」
ロクサーヌがたおやかに近づいてきて、そっと唇を合わせる。
「ただ、もしも、御用があれば、いつでも、いらしてください」
ロクサーヌは火照った顔をする。とってもHだ。
「私たちはジーク様の性奴隷ですから」
「ジーク様の赤ちゃん!」
「絶対可愛い!」
メリムがロクサーヌと同じく火照った顔をすると、スー、アンナはぴょんぴょんとはしゃぎ始める。
「ジーク様。私たちはあなた様の物です。ですから、いつでもお使いください」
女の子たちの顔がHになる。
「ワシらも楽しみにしとるぞ!」
「ジークの子じゃ! 主らなら立派な子が産めるぞ!」
母さんたちもはしゃぎ始める。
「……僕、体力持つのかな?」
50人を一夜で味わう? 死にそうだ。
こんなゆったりした日々も悪くない




