労働力確保~オークションで美人奴隷を50人落札するとプチざまぁ出来ました
「それではオークション開始です! まずはNo.1! メリム! 彼女はアトランティス国でも有数の地主の娘です! 教養はバッチリ! おっぱいもお尻も豊かな16歳! 調教されていませんので、どうぞあなた好みに仕上げてください! まずは200万ゴールドから!」
メリムは男の情欲を誘う女の子だ。裸で恥ずかしいのだろう。必死に腕をガチャガチャさせて、胸元や前を隠そうとしている。しかし手錠がそれを阻む。顔はリンゴよりも真っ赤だ。
「205万!」
ハボックが真っ先に手を上げる。
それを皮切りに次々と声が上がる。
「210万!」
「230万!」
「250万!」
皆はケチケチと値段を細かく吊り上げる。あんなに可愛い女の子なら、1000万以上すると思うんだけど。
「400万」
まずは様子見の400万ゴールド。ハボックたちはどんな反応をするのかな?
「400万だと!」
ハボックが呆然とする。取り巻きも呆然とする。
どうやら彼らは共同で金を出し合っているようだ。だから20人前後居るのにハボックしか手を上げない。
「420万!」
ハボックは顔色を真っ青にしたまま、再度声を張り上げる。
400万で慌てふためくなら、奴らの資金は500万程度だ。敵ではない。
「600万」
僕が宣言すると、会場は静まり返った。
「600万で落札しました!」
奴隷商人たちがパチパチと拍手する。オークションの参加者はおざなりな拍手をする。
「600万。安い買い物だな」
肩透かしを食らってため息を吐く。
予算は8億、雑貨を買うことを考えると、7億5000万ほどで済ませたかった。つまり50人全員買うつもりなら一人1500万までしか使えない。
だから緊張していたのだが、口だけだった。
これなら全員買える。
「次へ行きます! No.2は」
「600万」
セリが始まる前に手を上げる。司会と参加者は凍り付く。
「6、600万で決定です! では次の」
「600万」
面倒だから始まる前に宣言する。
「何だあいつ!」
ハボックと取り巻きがギリギリと歯ぐきをむき出しにする。汚い。
「性奴隷の相場を知らないのか? どんなに高くても500万前後なのに?」
「どっかのお坊ちゃんだ! すぐに資金が尽きる!」
参加者たちは苦い顔で舌打ちする。こいつらも汚いな。しっかり歯を磨きましょう。
「600万で決定です! 次は」
「No.4からNo.50まで全員600万」
これ以上時間をかけるのも馬鹿らしい。一気に刈り取る。
「お客様。失礼ですが、資金の確認をさせてください」
全身黒づくめの男が傍に来る。冷やかしと思われたようだ。
「あるよ」
ドサリと札束の入った袋を黒服に渡す。
黒服は最初、ムッツリした顔だった。だが札束を数え終えると、ブルブルと、抑え切れない笑みを浮かべた。
「失礼しました!」
黒服は深々と、勢いよくお辞儀をしてから、司会にグッと親指を立てた。
司会はグッとガッツポーズした。
「ありがとうございます! とは言えない! 私たちは他の参加者にも尋ねる義務がある! No.4からNo.50までで600万以上の方は居ますか!」
「No.45に620万!」
「No.50に650万!」
「No.47に610万!」
他の参加者が悪あがきを始める。
どうやらラスト6人は600万以上の価値があるらしい。
「No.46に700万!」
あのハボックたちもセリに参加している。
「おいハボック! 700万も払っちまったら明日からどうすんだ!」
「うるせえ! 買った女どもに売りやらせりゃいいんだ!」
ハボックが血走った目で睨む。
「俺をおちょくるなんざ許さねえ! 臆病者ジークに笑われてたまるか!」
初めて面白い奴だと思えた。
「なんで人気か、母さんは分かる?」
それはそれとして、皆が白熱する理由が知りたくなった。
横で今にもハボックたちを殺しそうなリム母さんに尋ねる。
リム母さんは不機嫌ながらも、答えてくれた。
「心を読んでみたんじゃが、アトランティス国従属のアトランタ国の王族関係者のようじゃ」
「王族? 王族が売られたの?」
「アトランタ国は農業や畜産を主にしとるが、今回の大飢饉で経済破綻したようじゃ。アトランタ国の国王は少しでも財政の足しにしようと、我が子や親せきを売った。あの女どもは、父親と母親に売られたんじゃ」
いくら何でも可哀そうだ。
僕の町で、働いて、幸せになって欲しい。
「No.45からNo.50を1000万」
僕が声を張り上げると、ステージは墓場のように静まり返った。
「No.4からNo.44まで600万! No.45からNo.50まで1000万で落札が決定しました!」
司会と黒服が盛大な拍手をする。
「プリンス。VIPルームへご案内します。そこで奴隷たちと対面してください」
黒服の一人が礼儀正しく頭を下げる。
「分かった。良いよ」
ニッコリと笑いかけると、黒服も笑う。結構カッコいい顔してるな。
「お前たち! プリンスとプリンセスを超VIPループへご案内しろ! 丁重に持て成せ!」
「分かりました!」
黒服たちがテキパキした動きで傍に来る。
「プリンスとプリンセス! 私たちの館へお出向きになり、誠にありがとうございます!」
「お荷物をお持ちします」
「冷たい飲み物はいかがでしょうか? シャンパンにワイン、果実酒やビールなど多数あります」
「フルーツやケーキはいかがでしょう? サンドイッチなど軽食もあります」
次々と黒服たちが持て成す。
気分がいい。
「ありがとう。案内頼むよ」
リム母さんと一緒に黒服たちについて行く。
「Aランクの冒険者も大したことないね」
途中、ハボックたちの近くを通ったので、鼻で笑ってやった!
「てめえ!」
ハボックたちは睨みつけることしかできなかった。
「今はこれで我慢しよう」
自分に言い聞かせる。
町作りが第一だ。あいつに構っている暇はない。
「暇ができたら、今度こそ白黒つけてやる!」
その時を楽しみにしつつ、美しくて可愛くてセクシーな奴隷たちと対面した。
ハボックとかいう馬鹿よりも綺麗な女の子とお母さんと一緒に甘々したい。
ブクマ、評価頂けると大変ありがたいです!
 




