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殻の中

作者: 華美

  一歩踏み出せたら。ここにいた意味がわかるのだろうか。


  この世界に来てから、一度も、光も、生命を私は見たことがない。かろうじて分かったことは狭い空間に居ること。真っ暗闇なこと。あと…呼吸をしていること。あとは…。私が、人であるということ。他は、きっと忘れてしまったのだろう。きっと以前の私に何かがあったのだ。


  まぁ、それは置いといて。


  私は外に出る気はない。興味ないもの。ここにいても死ぬことないもの。今はここにいる方が楽なのかもね。


  でも


  もし、誰かこの狭いところを開けたら。狭くて苦しい、でも暗いから安心できるこの場所から誰か引っ張ってくれるのなら。


  きっと私は新たな人生が歩める


  だなんて考えるけれど、わからないものね。でも、期待してる。もしも、誰かが開けたら。


  だから、少しだけそんな人がいるならば、はやくこないかなぁ、なんて思うの。

 

  こんなのは、だめ?自分から出ないのなら、待つしかないと思うのは行けないこと?


  「ーきてよ」


 ごめんなさい。自分から出られないの。だから、助けて欲しいなんて思ってる。なのに意地張ってこんな事言うのはおかしいよね。笑えちゃうよね。


  「たすけてよ」

 

 胸が張り裂けそう。暗い。ここは暗い。自分で立ち上がろうとしても、泥沼のように沈むだけ。どうしたらいい?


  「誰でもいい、引っ張ってくれるなら」


 私は最初、殻に閉じこもってた。でも、それでもいいだなんて思ってるうちに、殻に閉じ込められた。自分では出られなくなった。


  「なんで、閉じこもったんだろう」


 思い出せない悲しき思い。この身に纏う泥沼は、そんな悲しき思いの成れの果てだろうか。


  「私は、生きたい」


 次は、どんなに惨めになったとしても、歩み続けるから。


  「たすけて、だれか」


 私がやっとのことで音をあげ、助けを求めた時、上からペキパキという割れる音が聞こえた。


  「あ」


 それは誰かが叩いてくれたのか。それとも私の幻聴だったのか。わからない。



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