表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮ホワイトカンパニー  作者: 桜雪風月
1/3

ホワイト社員


 「社長、社長。」


 私は部下のテレパシーで、目を覚ました。


 「社長、お疲れですか。」


 私に語りかけているのは、スケルトンである。といっても、彼には声帯がないので声はでない。だから、テレパシーで用件を伝えてくるのである。このスケルトン、普通のスケルトンではない。ゴブリンスケルトンである。通称ゴブスケである。私が人間だから普通ではないといったが、私がゴブリンならばゴブリンスケルトンが普通ということになるのかなと思いつつ返事をした。


 「あー、ごめん少し寝落ちしちゃってたわ。」


 リアルで寝落ちなんかしたことがなかったのに、この世界に来てからというもの何回寝落ちしたかわからない。社長業って本当に大変ですね。異世界に生まれ変わる前は、そんな重役担ったことがなかったので苦労しています。


 しかし、私は苦労することならば最初にしておいて、後でおもいっきり楽をするタイプなので今を頑張っています。ちなみに私の職業はネクロマンサー、そしてアルケミスト、かつ社長です。現在、露店で生計をたてています。


 ありがたいことに商売は順調です。ターゲットは冒険者です。この世界には迷宮つまりはダンジョンが存在するのです。私はダンジョンのある町やダンジョン付近に露店をだしています。主な商品は料理ですが、今後は商品を増やしていきたいと思っています。魔物がばっこする世界ですが、うちのスケさん達は魔物に相手にされません。うちの強みですが、他にも強みがたくさんありますが、その話はまたいずれ。


 この世界はゲームではなく、今は現実なのでお金をだしさえすれば無限に購入できるというわけではないのです。つまり仕入れを考えなければいけないということです。そして、そこで売れるものも考えないといけません。そこで商品として売れる物はというと、必ず必要となる消耗品すなわち、食料品になるわけです。ありがたいことに、私が料理すると普通の料理とは違い、ステータスUPや回復効果があることがわかり、露店の目玉商品となっているわけです。これが私が錬金術師の効果か、料理人などの特性があるかはわかりません。


 商売人としてありがたいことに、親切異世界転生に付きもののアイテムボックスのような能力があり、無限収納に時間停止効果があるので食料品を扱うのも安心です。つまり出来たての商品を作りさえすれば、それをアイテムボックスに入れておけば、用意した分だけ温かい料理が食べられるのです。


 当商店の強みの一つが、距離を無視した転送にあります。現在3つの町、5つのダンジョンに露天を設けております。それぞれの露天に店番のスケさんたちがいますが、そのスケさんたちと私でアイテムボックスを共有できるのです。つまりはA町で商品Aを購入して、アイテムボックスに商品Aを入れれば、いつでもB町C町で商品Aを取り出すことができるのです。


 最強に近いと思われるかもしれませんが、弱点もあります。まず、売り子が可愛くない。だれが好き好んでスケルトンから商品を買いたいと思うでしょうか。そもそも、スケルトンという時点で不利なのです。なので、通常時にはお面にローブをつけています。


 後は実際に、強盗にあったことがあるのです。店番が一人でアイテムたくさん、売り上げ金もたくさんなら襲われないはずがないのです。強盗に襲われたときには、商品やお金をすみやかにアイテムボックスに入れるんですが、それでも間に合わないことはあります。


 でやりかたはたくさんあるのでしょうが、私の場合は徹底的にやります。こっちは不死の軍団なので相手が死ぬまでおいつめます。これで、こちらが勝る盗賊系はOKです。こういった輩は犯罪者なのでスケルトンにできれば、ゴブスケよりも強いのでいいのですが、配下にしたいとは思いません。


 少しやっかいな相手には精神攻撃です。考えてみてください、商売敵に嫌がらせに強盗をけしかけたはいいものの、それ以降に自分の店の前でスケルトンが突っ立っている。しかも、退治しても退治しもやってくる。そして、相手はこちらを攻撃してくるわけではない。しかし、商売をしているのにスケルトンが突っ立ているなんて縁起わるすぎです。客足は当然下がります。


 あとは、相手がどこかのギルドに所属していれば各露店の商品を値上げするなんて方法も効果的です。これはこちらが、便利な露店としての地位を獲得していることが条件になります。立て板に○○ギルドのせいで、商品を値上げしますと書いておけばいいのである。その犯人が単独犯なら、ギルドから追放そして兵隊さんにつかまるだろう。


 もしも、ギルドがらみならばその他のギルドから冷たい目にあうだろう。もちろん、こちらの都合で値上げしたのだから、解決した際には多少の値下げセールをしてもいいかもしれない。というか、した。スケルトンは睡眠が必要ないので、24時間働けます。つまり冒険者の方はいつでも当、露店が利用できるのです。


 ただし、我が社はブラック会社ではありません。この世界も24時間で一日ですが3交代制です。休む必要があるかはわかりませんが、元日本人だからでしょうかね。給料として給金は払えませんが、感覚共有を報酬としています。当初は考えていなかったのですが、感覚共有をしてから業績があがったから採用しています。


 たとえば人間の3大欲求です。食欲・性欲・睡眠欲です。共有率が大きいと怖いので一般で10%共有です。現在の幹部には20%共有です。

 

 なので仕方がなく娼館通いをしているのです、仕方がなくね。大事な事なので2回いいました。さすがに、本命とのニャンニャンは共有せしないよ。


 あなたも、当社で働いてみませんか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ