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第1章ー1 「雷電」の開発、発展等

本編の開始になります。

 二式戦闘爆撃機「雷電」

 第二次世界大戦で活躍した各種の戦闘爆撃機の中で、日本の代表ともいえる戦闘爆撃機である。

 英の「タイフーン」、米のP-47「サンダーボルト」と並ぶ名戦闘爆撃機ともされる。

 実際、地上部隊支援で多大な戦果を挙げるとともに、空中戦でもかなり強かった。

 また、第二次世界大戦でもっとも敵機を破壊した日本の軍用機ではないか、ともされる。

(地上襲撃を好んで行い、地上で撃破した敵機が多数あるため。)


「雷電」の第二次世界大戦での活躍は、第二次世界大戦を描写した各書の中で枚挙に暇がない。

 例えば、米英仏日を主力とする連合軍が、レニングラードやスターリングラード、モスクワを陥落させた際に、「雷電」は、連合軍の制空権確保から地上部隊支援まで、英米の外の軍用機と共にその任務を充分に果たし、連合軍の地上部隊の将兵から絶大なる信頼を勝ち得ていた。


 第二次世界大戦終結後も、戦後の日本等の軍縮により、世界各地に格安で売却された「雷電」は、軍用機のジェット化の波に、能う限り抗った。

 日本では、空軍の現役機からは、1950年代半ばに完全引退したものの、欧州の空軍から「雷電」の姿が完全に消えたのは、1962年のスペインでのことになる。

 また、「雷電」を半伝説の存在へと昇華させたのが、1969年のいわゆるサッカー戦争だった。


 1969年、様々な因縁から関係がこじれていたエルサルバドルとホンジュラスの間で、サッカーの試合をきっかけにして、戦争が起こった。

 この時、エルサルバドル空軍の奇襲により、ホンジュラス空軍は開戦劈頭に、稼働可能な保有戦闘機の過半数を失うという大敗を喫し、航空優勢はエルサルバドル空軍が確保したかのように思われた。

 実際、ジェット戦闘機を保有していないものの、エルサルバドル空軍の主力戦闘機のほとんどが、レシプロ戦闘機の最高峰とされるF-51(P-51)であり、ホンジュラス空軍が主力としていた「雷電」を性能面でしのぎ、開戦当初の大損害により、質量共にホンジュラス空軍が劣勢となった、というのが、世界各国の当時の軍事専門家の見立てだった。

 だが、奇跡は起こった。


 ホンジュラス空軍の「雷電」は、エルサルバドル空軍のF-51を空戦で圧倒した。

 実質の戦争の期間は、4日間だったが、その間にホンジュラス空軍の「雷電」は、被撃墜0、F-51の撃墜数だけで20機という大戦果を挙げたのである。

 特に、ホンジュラス空軍のスアソ大尉(当時)は、F-51、6機を空中戦で撃墜。

 レシプロ戦闘機最後の撃墜王として、世界の軍事専門家に名を轟かせ、ギネスブックにも名が載った。

 戦争が停戦となった時、空を舞うのは、ホンジュラス空軍のみ、と謳われる状況で、エルサルバドル陸軍に対し、ホンジュラス空軍の「雷電」は、容赦ない地上攻撃を浴びせる状況となり、有利な条件でホンジュラスは、米国等の仲介により、エルサルバドルに対して停戦協定を結ぶことができた。


 かくして、サッカー戦争終結後、ホンジュラス空軍の「雷電」は、救国の戦闘爆撃機として、ホンジュラス国民の畏敬の対象となった。

 とはいえ、勿論、「雷電」といえどジェット化の波には逆らえず、1970年代後半には、米国製F-5戦闘機の導入により、最後まで現役機として保有されていたホンジュラスからも、「雷電」は現役機からほぼ退くことになった。

 だが、サッカー戦争の際に、スアソ大尉が愛用した機体は、特に「雷電ライデン」と呼称され、記念機として、ホンジュラス空軍の現役機として登録され、ホンジュラスの建国記念日等の式典で飛行する機体として保有された。


 その「雷電」の開発等の経緯を、まず語る。

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