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「ただいま」
玄関を開け、家の中に入ると人気のない今に北区のあいさつをする。
すると、何処ともなくスピーカーから女性の声が響き渡って来た。
「おかえり
夕食出来てるわよ」
「ありがとうお母さん」
自室に入り、着替えを済ませるとテーブルに1人分の食事が要されていた。
「お母さん、これ…」
「ああ、ちょっと久しぶりに頑張って作ってみたのよ。
レトルトばかりでも味気ないと思ってね」
「ありがとう。
まさか、お母さんの手料理が久里ぶりに食べられるなんて。
忙しいのに…」
「何、別々に演算処理すれば済む話よ。
娘が気を遣うんじゃないわよ」
「うん、ありがとう
頂きます」
栄養価だけの味気ないレトルトよりも、非効率ともいえる手料理だとしても、母親のその暖かさに嬉しさを感じる。
「ねぇ、お母さん」
「何?」
「お母さんは、何で今の職業に決めたの?」
「う~ん…
実はね、やってみたかった事があったのよ」
「え?何々?」
「それはね、駆逐艦になる事だったの」
「お母さんが軍艦に‼」
「あら、若い頃のお母さんはね、陸上やっていたのよ」
「へぇ、ちょっと意外」




