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第3話:魔力水脈の激流と予期せぬ真実 -3

【毎日更新】

星を紡ぐ者たち 18時、19時 →

影の調律者 20時、21時 →

失われた千年史 22時、23時(7/27スタート)

「アキラ、急げ!

奴が完全に回復する前に、この装置を何とかしないと!」


カイトがアキラを急かす。


アキラは、自律型ガーディアンの攻撃が止んだ隙に、装置の核心にアクセスを試みていた。

彼のサイボーグの指先が、高速でキーボードの上を動き続ける。


汗が額を伝い、眼鏡のレンズに張り付く。


「このシステムは……王都全体の魔力を、特定のパターンに『調律』するためのシステムのようだ!

この魔力炉は、ただのエネルギー源じゃない。

人々の意識に干渉し、何かを誘導しようとしている……」


アキラは、興奮気味に説明する。

彼の額には、脂汗が滲んでいた。


彼の言葉に、全員が息を呑んだ。

セレフィアは、エリナの腕を強く握りしめ、不安げな瞳でアキラを見つめている。


「王都の住民の意識…?!」


エリナは、信じられないという表情でアキラを見つめる。


「ああ。このシステムは、王都の魔力を、ある特定の周波数に強制的に同調させようとしている。


それが成功すれば、王都の住民の思考や感情が、何者かの意図するままにコントロールされるようになる。


街のあの不自然な静けさは、その予兆だったんだ!」


アキラは、興奮気味に説明する。


「まさか…そんなことが…」


リーラは、青ざめた表情で呟いた。


カイトは、静かにアキラの言葉を聞き、その内容を自身の情報と照合していた。


「…やはり、そうか。

『調律者』の目的は、人類をコントロールし、世界の歴史を『調律』し続けるための永遠のループを確立すること。

この装置は、その初期段階なんだ」


「じゃあ、この装置を止めれば、王都の人々は元に戻るのですか?」


エリナが、希望を込めて問う。


「理論上はな。だが、止め方も一筋縄ではいかない。

このシステムは、自己修復機能を持っている上に、停止しようとすると、その反動で王都全体に甚大な被害が出る可能性がある」


アキラは、顔をしかめて言った。



「何だと!?」


リョウが驚愕の声を上げた。


「どうすればいいのです!?」


エリナが焦る。


その時、カイトが冷静な声で言った。


「停止させる必要はない。

システムを混乱させろ。

一時的に機能を麻痺させるんだ」


アキラは、カイトの言葉に目を見開いた。


「…なるほど!一時的な混乱で、『調律』の波形を乱す!

そうすれば、王都への干渉を止められる!」


アキラは、すぐにその戦略を実行に移した。

彼は、自律型ガーディアンのコアに、意図的に破損したデータを送り込み、その思考回路を混乱させようとする。


自律型ガーディアンの動きが、完全に停止した。

その全身から、不規則な電子音が漏れ出し、青白い魔力光が乱れる。


「成功したの!?」


リーラが息を呑む。


「一時的にな。

完全に破壊したわけじゃない。

だが、これで王都への干渉は止まったはずだ」


アキラは、汗を拭いながら言った。


自律型ガーディアンの身体から、漆黒の装甲が剥がれ落ち、中から小さな、ひび割れた水晶のようなものが現れた。


それは、自律型ガーディアンの真のコアだった。

アキラは、その水晶に触れようとするが、カイトが制止した。


「触れるな、アキラ。

それは、この世界の根源たる魔力そのものだ。

そして、おそらく『調律者』の一部でもある」


カイトは、水晶を見つめ、静かに言った。


王都の地下全体に張り巡らされていた、不自然な青白い魔力回路が、ゆっくりと、しかし確実に消え去っていくのが、リーラの感覚でも感じられた。


中央魔力炉の巨大な装置も、その不気味な唸り声を止め、静かに佇んでいた。


「王都の魔力は、元に戻りつつあるわ…!」


リーラは、喜びの声を上げた。



エージェントたちは、勝利の安堵に包まれたが、カイトの表情は曇ったままだった。


「まだだ。これは、ほんの一時的な勝利に過ぎない。『調律者』は、必ず別の手を打ってくるだろう。

そして、このコアは…」


カイトは、ひび割れた水晶を見つめ、深いため息をついた。


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失われた千年史 22時、23時


ほかのスピンオフ作品も並行連載していきます。

詳細はランキングタグからご確認ください


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ガイア物語は非常に多くの作品群で成り立っています。
それぞれの視点、文章のテイストを変えています。
この複雑なガイア物語を十二分に楽しんで読んでいただくためにぜひガイア物語の歩き方ガイドを参考にしてください!


中核シリーズ
● S-1 ガイア物語 ~星を紡ぐ者たち~ 普通の高校生、すべてを《コピペする能力》を駆使して異世界で世界最強パーティの最強サポート役に!(本編)
● S-3 ガイア物語 ~影の調律者~ 異世界でスパイに。未来の異世界人たち、最強デコボコチームが世界の調律の真実を暴く!
● S-5 ガイア物語 ~失われた虚構の千年史~ 美しく若き女王が暴く王国の光と影。オッドアイに映る、神と悪魔、過去と未来、すべての真実とは…

短期集中連載
● S-2 ガイア物語0 ~地球奪還作戦~ 奪われた大地を取り戻せ!
● S-4 ガイア物語  ~歴史の調律者の誕生~ シータの旅立ち
● S-6 ガイア物語 ~ガイアに刻まれた残響~ 名も無き彼らはガイアの礎になった…
● S-7 ガイア物語 ~大地を駆ける絆 〜 アークナイツ、旅立ちの足跡〜
● S-8 ガイア物語 ~星屑食堂の地球ごはん~ 異世界で記憶と努力で日本食づくり
● S-9 ガイア物語 ~ほころび日常~ 今日も世界の片隅で淡々と何とかクエストをこなしてます~
● S-10 ガイア物語 ~ほころび日常2~ 今日も世界の片隅でひたすらクエストをこなしてます
● S-11 ガイア物語 ~国造り神話~ 歴史の調律の始まり
● S-12 ガイア物語 ~技術者の攻防〜 技術の融合が最強の仲間と世界を変える
● S-13 ガイア物語 ~記憶の巫女~ 調律の歴史に抗う美しき巫女の一族の物語
● S-14 ガイア物語 ~アルテア通信~新人獣人記者ラナの王国取材日誌①


ショートストーリー
一話完結。本編などの補完のストーリーです。
騎士団長の秘められた夜会 ~赤魔導士と聖騎士、静かなる酒杯~
ツンデレ従姉妹は知っている
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