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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ レオン ※
42/86

【41】※ Bulletin board(掲示板) ※


「よく、ここがわかりましたね。」



「あ〜、ユーキには2つ、謝らねばなるまい。」



「……なんですか?」



「1つは、お前が拘束されている傍らで、ロビンとアイラの会話を盗み聞いていた事だ。」



「……だいぶ前からいたんですね?」



「まぁ、そうだな。

お前には悪いと思ったが、あのまま喋らせていれば、重要な話を労せずとも聞けるか、と思ったからな。」



「別に悪くはないと思います。

俺が監督官の立場でも、同じ行動をとったでしょう。

2つ目は?」



「お前達に監視をつけた事だ。

俺は、あのバイキングの件で、お前達全員に監視をつけた。

要するに疑っていたのだ、お前もレオンも……。」



「あぁ、レオンが言っていましたからね。

多分、監視されているのだろうと自覚していました。

疑うのも当然だと思うし、何より、監視されていたから、助けてもらえた。

結果オーライです。」



「………いや、そう言って貰えると助かる。

……が、『けっかおーらい』とはなんだ?」



「ん〜、物事が、紆余曲折を経て、最終的には問題の無い結果に終わること……みたいな意味かな?……ともかく助けて頂き、感謝します。」



「ユーキは……何か変わったな…。」



「……はい?」



「なんというか…わからんが、研修の時と少し雰囲気が違うように感じる。

だが、レオンが言っていた通り、見所がある。

どうだ?研修終了後は『救助隊室』へ来ぬか?…俺が、直々に鍛えてやろう。」



「それは……レオンに鍛えられる事の次に嫌です。」



「わっはっは!そうか、そうか!」



「ところで…レオンは?」



「先に、チームの部屋に戻った。だいぶ時間をとったからな。

『アイラを拘束したら、メンバーに事情を説明してこい』と俺が言った。」



……レオンが事情を説明?……



「どうした?」



「ちゃんと伝わるか、少し不安です。」



「わっはっは!!

アイツは、口下手だからな。

後でお前が、改めて説明しろ。」



「はい。」





やはりレオンの説明では、皆の理解は得られなかったようだ。

部屋に帰ってから、質問攻めにされた。

挙げ句………



マイケル

「研修先で色目を使うなど、不謹慎な話だ。それに非合法転移など……

あ〜、ユーキじゃない、その女だ。」



ライラック

「だいたい『Oblivion』って名乗るなんて、馬鹿じゃない!

不用意にも程があるわ。

それにその女……妄想に生きてるのね。ウェッ、気持ち悪い。」



サミー

「モテモだね〜。

本当は彼女と転移したかったんじゃないの!?残念だったね〜。」



ハル

「何はともあれ、無事で安心しました。」



フィン

「『危ない!』って、お友達が言ってたよ。

誰も助けてくれなかったら、ユーキも、お友達を呼べばよかったんだよ。」



ニモ

「……お前がどうなろうと、俺は構わないが、チームの足を引っ張る事は許さん。」



アンリ

「ユーキは優しいが、簡単に人を信じ過ぎる。

だが、このような事は、そうそうある事ではないだろう。

今回は運が悪かったな。」



レオン

「悪かった、ユーキ。

今回は我の落ち度である。

あの場で助けられなかった事も悔やまれる。」



トーマ

「お母さんの言う事聞かないから、誘拐されるのよ~。

お母さんは素直なユーキちゃんが好き。」



…………等等等……色々言われた。





拉致事件後、次の研修を終え、

今は報告会も終わり、所謂自由時間である。

まだ次のバディーと研修先は発表されていない。

掲示板に浮き上がっているのは、あの事件の経緯だ。



結局、『チームWIS713209』は、脱落……いや、消滅した。



非合法転移、転生を目論んだ罪は重い。

だが、バイキングの件に拘っていたかは不明との事。

それに『あのお方』……その文言はなかった。


アイラ、ロビンは無論の事、あのチームの他のメンバーも、この一件に加担していた事が明るみに出て、厳しい尋問の後、『浄化室』へ送られ、全員消滅したとの事だった。



「ユーキはすっかり有名人になったな。」



掲示板を見ながら、アンリが言った。



「……なんで?」



「この掲示板は、他のチームにもあるだろう。

レオンとユーキの名が載っている。」



「俺にとっては不名誉な事だけどな。

拉致され、女の玩具にされそうになった……なんて、男として情けない。」



「いや、ユーキはただの被害者だ。

実際、非合法転移した訳でもないし、事件は未然に防がれた。

不名誉な事では決してない。」



……シンやレオンのように、身体を鍛えていたら、簡単に拉致などされなかったのかも。……

ムキムキの自分を想像した。

何故か、レオンの肉体に自分の顔がのっている……

『いや、ないな。』

少し不気味で、身震いがした。



「ありがとうな、アンリ。」



掲示板に、わざわざこの事件の顛末を晒すのは、多分抑止の意味もあるのだろう。

違法行為は、バレますよ!&消滅しますよ!的な……。


しかし、『あのお方』一派が本当にいるとしたら、きっと脅しにもならないだろう。


そんな事は百も承知で、色々やっていそうだ…。



「『あのお方』は本当におるのだろう。」



レオンがそう言った。



「あぁ、俺もそう思う。

アイラと俺の違法転移は、すぐにも実行可能って感じだったしな。」



「ソヤツが、何を考え、企んでいるかはわからぬが……強敵である事は間違いあるまい。

特に我とユーキは気をつけねばな。」



「レオンと俺?……」



「結果的に、我々はソヤツの思惑を打ち破ったのだ。そして、掲示板で、大々的に名がしれた。」



……そうか。……なんとなく、レオンの言わんとする事がわかった。

わざわざ名を出したのは、会社側が俺達を『餌』にする為。

『あのお方』を釣る為の餌……。



「そうだな。お互いに気をつけよう。」



「うむ。」


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