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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ レオン ※
41/86

【40】※ kidnap by force(拉致) ※


だが、……相変わらず周りは暗い。

また、あの暗闇に落ちて行くのか。……



しかし、あの下へ落ちる浮遊感はない。



「……………。」



「…………が、そうしろって言ったんじゃない。」



会話が聞こえる……女性の声は、アイラの声だ。



「今頃、アイツは探し回っているだろう。その内、あのチーム全員が出てくるかも知れん。」



「…どうするのよ!?私は完全に面が割れているのよ。」



「お前はコイツを連れて、あのお方の元に行け。

お前の望み通り、ユーキと転移が出来る。」



……『あのお方』?……転移?……



「……なら、いいわ。」



「…本当だったら、レオンのヤツも拉致したかったんだが……やはりヤツは強かったな。

チームの肉体自慢4人をもってしても、拘束出来なかった。

コイツを担いで、その場を逃れるので、精一杯だった。」



「だけど、この後どうするのよ……私にはもう関係ない事だけど。」



「お前の代わりは用意している。識別コードもお前の物をコピーしてある。

レオンが何を言おうと、顔が違う。

俺達は知らぬ存ぜぬを通す。」



……識別コードのコピー?そんな事が出来るのか!?……



「用意がいいことね。」



「この為に、お前はユーキ以外の人間に、極力顔を晒さなかったんだろ?

シンは薄暗闇で、しかも下を向いたお前の顔しか見ていない。

判別出来ないだろう。」



「そうね。ユーキは会った時から特別だったの。」



「これで、あのチームは脱落する。

コイツは、なかなか優秀らしい。」



「…そうね、私の嘘もすぐに見破った。頭のいい男って、素敵だわ。」



「まぁ、凡人であっても、チームから1人欠ければ、それだけで査定は下がる。」



……こいつらの狙いは、俺の拉致と俺達のチームの脱落か。……



「でも、嬉しい!これで私の望みが叶うのね!」



「……しかし、お前は本当に演技が巧いな。

あの研修時から、おとなしく純情なフリをして…その実、とんでもない野望を抱いていた。」



「それはそうよ。もう何度もやり直しているのに……私の望みが叶った例はないわ。」



「だが、先程の様子……あれだけオドオドすれば、疑われると思わなかったのか?

やり過ぎだ。」



「あれは演技じゃないわ。

ようやく私の望みが叶うかもしれない、私好みの男が目の前にいる、もうすぐ私だけの物になる、絶対に失敗出来ないって思ったの。」



……私だけの『物』だと!?ふざけるな!!……



「……まぁ、今度こそ成功するといいな。」



「するわよ。

だって、ユーキは『Oblivion』なんだから。

それに私の好きなタイプだから、何があっても離さない…。

絶対に私だけを愛する、私好みの男に育てるの!」



……私好みの男に育てる、だと?…反吐が出る!!……



「確かに『Oblivion』は都合がいい。

転移転生の強い望みも、特にないだろうから、素直に環境に馴染む可能性は高いだろう。

だが、転移して暫くは警戒しろよ。まだ、自我がある。」



……『Oblivion』……迂闊にアイラに言った事が後悔される。……



「大丈夫よ。

今だって、私の事、少なからず好きだと思うから。

それに、私の愛に溺れさせる自信はあるわ。」



……『お前を好きと思った事など一度もない!!何が愛だ!!』

そう叫びたい!!……



騙して、拉致して、育てて、愛に溺れさせる、だと!?……

アイラの一方的な『愛』とやらに、不快感と共に怖気がした。

だが、気持ちを抑え、俺は気絶しているフリをし続けている。

……もっと、情報を得ねば。……



周りの様子は見えない。目隠しをされているようだ…。

身体はグルグルに縛られているようで、身動きもとれない。



……魂なんだから、スーッと抜け出せないだろうか?……



……つまらない事を考えている場合ではない。

会話しているのは、アイラと……多分ロビンだ。声に聞き覚えがある。



どんな状況に置かれているかは、把握出来た。

俺は、おそらくアイラと共に、非合法の転移をさせられる瀬戸際にある。



……レオンの言った通りだった。

敵はあの時のメンバーの中にいた。

しかもチーム丸ごと加担しているようだ。

あのバイキングと繋がっていたのも、ヤツラだろう。

しかし、どうやって繋がる?………『あのお方』……!?

いったい誰なんだ?

もう少し情報が欲しい。……



「……ユーキくん、いい加減気絶しているフリは、止めたらどうだい?」



……バレていた。……



「うふふ、ユーキ。もう私だけの物よ。

2人で幸せになりましょうね。」



「っ!ふざけるなっ!!」



目隠しが外された。眩しい……



「お前たち、こんな事をして、バレないとでも思っているのか!?」



「バレないよ。会社は放任主義だ。それに『あのお方』がいる。

新入社員研修中、いなくなる研修生はたくさんいる。」



「…それもお前らの仕業か!?」



「全部じゃないさ。勝手に出奔する者もいる。

僕達は『あのお方』の指示で動いている。

それに、他にも僕達と同じように、動いているヤツラはいる。」



「『あのお方』とは誰の事だ?」



「僕達如きじゃ、正体も知らない。

もし知っていても、教える訳ないけどね。」



「……………。」



「ようやく吠えるのを諦めたか……。

君は大人しく、アイラの玩具になり給え……えっ、え〜っ!!」



ロビンの後ろに大きな影があった。その影は大きな手でロビンの頭を押さえつけた。



「シンっ!」



「ユーキ、大変な目に合ったな。」



「!!……離しなさいよっ!!

私はユーキと転移して、幸せになるの!!」



「ユーキはお前と転移などせぬ!

お前如きと一緒では、ユーキは不幸になるわ!!」



「レオン……。」



「ユーキ、待たせたか!?」



「……待ちくたびれたよ、レオン……。」



2人はロビンとアイラを拘束し、俺の拘束具を外してくれた。


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