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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ レオン ※
36/86

【35】※ information exchange (情報交換会) part3 ※


チームの部屋に戻った。



そこには既に、マイケル、ニモ、トーマ、フィンがいた。



「おぉ、ご帰還か!意外に遅かったな。」



トーマが俺達……いや、レオンに声をかけた。



「オレンジ色が、多数おったのだ。」



……レオンは一対一で話せば、深い話も出来るのに、何故話の取っ掛かりが下手なのだろう。……



「……色付きの魂がたくさんいたという事か?」



マイケルが、俺に説明を求めるように問いかけてきた。



「あぁ、モニターでは、確かに色付きは1つだったが、実際に行ってみると、オレンジ色のヤツラが十数人もいた。」



「……そんな事があるのか?」



「監督官も初めてのケースだと言っていた。

それに、ヤツラの中の1人が、立ち去る時に俺達の誰かを見て笑った。」



「……それは……」



「それは、ユーキを見て笑ったんだろうさ。

なんせユーキは『Oblivion』だからな。」



マイケルの言葉に被せるようにトーマが言い放った。



「そのような理由で、名指しするとは何事か!!

ユーキでは、決してない!」



「例え冗談だとしても、憶測で軽々しく仲間を貶めるな。

口を慎め、トーマ。」



レオンとマイケルの言葉に、トーマは肩を竦め、



「ヘイ、ヘイ、わかりましたよ〜。」



そう言って、その場を立ち去った。



「……お前たち、あんなに仲が良かったのに……喧嘩でもしたのか?」



「……喧嘩した覚えはないが。」



マイケルが不審がるのも当然だろう。

前から、薄々気付いてはいたが、トーマの俺に対する態度は、明らかに以前とは違う。



……トーマの機嫌を損ねるような事をした覚えはない。……

……いや、あるな。

トーマを疑い、トーマはそれに気付いていたようにも思える。……



トーマが立ち去った方を見ると、目が合った。

トーマは、ふぃっと視線を逸らした。



……やはりな。トーマは俺に思う所があるらしい。

だが今は……そんな事よりも考えるべき事がある。……



マイケルが言った。



「情報交換会の時に、皆に詳しく話してくれ。」



「うむ。」

「わかった。」



一通りの会話が終わると、フィンが俺に近づいてきた。



「ユーキはトーマ嫌い?」



唐突に聞かれた。



「……いや、嫌いではないと思うよ。トーマが俺をどう思っているかは知らないが……。」



すると、フィンはニコリと微笑んで、何も言わず、ニモの隣に帰っていった。



「?」





アンリ、サミー、ハル、ライラックが帰ってきた。



アンリもサミーも、苦虫を噛み潰したような顔をしている。

今回2人は、バディーを組んでいた。

おそらく、協力などする筈もなかった事だろう。



ライラックは、ハルと普通に会話をしている。

その様子から、落ち込んだ状態から、少し立ち直ったように見える。

ハルがうまくフォローしたのだろう。



「全員揃ったな。情報交換会を始めよう。」





いつもの如く、車座になり、それぞれの研修マニュアルを交換して、情報を共有した。

レオンと俺のマニュアルを読んだ者達は、一様に驚いた様子で、俺達を見た。

サミーとトーマを除いて。



「マニュアルにある通り、『救助隊室』では、異例な事態が起こった。

レオン、ユーキ、詳しく説明をしてくれるか?」



俺達は、入室から退室後の他のチームとの話し合い迄、経緯を細かく話した。



だが、レオンは、俺がまた倒れた事は伏せてくれた。



「監督官も初めての事例だと言っていた。そして……多分だが、俺とレオンには、今後監視がつくらしい。」



「!?…そう言われたのか?」



「いや、レオンの『勘』だが、俺もそうなるように思う。」



「研修生と色付きの魂……接点があるとは思えんな。」



「他チームとの情報交換に行くのか?」



「我らは行かぬ。」



「それが賢明な判断だ。」



「いえ、行くのも有りだと思うわ。

事実を明らかにする為にも、敵チームを探る事は必要よ。」



『敵チーム』……ライラックは完全復活を果たしたようだ。

サミーに甚振られた傷は塞がったのだろう。

他のチームを『敵』と見做す。以前のように好戦的だ。



「否。

この状況は、何者かの計略によって引き起こされた物と考えられる。

敢えて敵地に乗り込む事はせん。防衛に徹する。」



レオンらしい考え方かもしれない。

スパルタは、侵略ではなく、自国を守る、防衛戦をしていた。



「しかし、手を拱いていても埒が明かないのでは?」



「……待てよ。…お前らは馬鹿か!?」



突然サミーが口を開いた。



「……どういう意味だ!?」



マイケルが顔を顰めながら、サミーに言った。



「お前らは、そのオレンジ野郎が、誰かに笑いかけた……それを前提で話しているだろう。

その前提は本当に正しいのか?」



少なくとも、レオンは『特定の誰か』と言っていた。

それに俺にも、確信はないがそう思えた。



「おそらくは……。」



「ほら、みろ!当の本人が確証を持っていない。

だったら、単に金品強奪に成功し、殺したヤツラの亡骸を眺めて、勝利の快感で笑っただけかもしれないだろ。」



「否。我は自身を信じる。

故に、あれはそのような笑いではなかったと思う。」



「『思う』ね〜。お前は自分が絶対に正しいと断言出来るんだ。

たかが人間(ヒト)のくせに……。」



「サミー、口を慎め!」



マイケルがサミーの発言を断ち切った。



「チッ!」



レオンは何も言い返さない。

そういえば、『まぁ、外した事も1度あるがな……。』

そう、寂し気に言っていた。



「モニターに不具合はなかった。

どちらにしても、今迄には起きた事のない、異常事態だ。

これからも、何か起こるかもしれない。

皆、今迄以上の緊張感を持って、研修に臨んだ方がいいと思う。」



俺がそう言うと、殆どのメンバーが頷いた。



「…お前がいない場所では、ないだろうよ。」



ボソッと呟くトーマの声が耳に入った。



「いいねぇ、ラブラブの2人が痴話喧嘩中か?」



サミーが気配を察し、ニヤニヤと笑い、口を挿んできた。



「い〜や、俺らは、いつもラブラブだ。

羨ましいか?羨ましいだろ!サミー。」



トーマもニヤけた顔をサミーに向け、言い放った。



「チッ!喰えないやつだな、お前も。」



「お褒めに預かり、光栄の至り!」



「………フンッ。」



「2人とも、無駄口はそれで終わりか?…

では、報告会を続けよう。」


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