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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ レオン ※
29/86

【28】※ rescue team(救助隊)part① ※


シンを先頭に、レオンと俺は暗い空間へ入った。



レクチャーを受けていた場所からは、ただの暗闇にしか見えなかったが、いざ入ってしまうと、周りの様子が見えるようになってきた。



……段々目が慣れてきたのか。……



『救助隊室』の暗闇の中には、大きなホールが有り、その先には入口らしき扉が幾つもあるようだった。



「ここで、暫し待て。」



シンはそう言うと、その場を離れた。



周りには大勢の人間…魂がいたが、それぞれ列をなして並んでいる。



レオンと俺も、シンの指示通りの列の最後尾についた。



……まるで、学校の朝礼風景だな。……



「ユーキは、このように隊列を組んだ事はないのであろうな?」



レオンの問いかけに、



「……あると思う。」



そう答えた。



「お前達の国では、兵役がなく自由だと聞いたが、皆で心を一つにし、隊列を組む事もあったのか?」



……心を一つ…には多分していなかったが。……



「多分、学校で……。」



「がっこうとはなんだ?」



「う〜ん、子供の頃から、ある程度大きくなる迄、教育を受ける所…かな…。」



「教育か!それならば我が祖国でも臣民に施しておったぞ。」



((レオンの国の教育……軍事訓練か……))



「それだけではない。学問も、だ。

優秀な兵士になる為には、知識と、それを活かす知能がなければならぬ。」



……言われてみれば尤もな話だ。……



「あぁ、そうだな。失礼した。」



「だが、何故お前達は、隊列を組んだのだ?兵士になる訳ではあるまいに…。」



……何故?…何故だろう。

子供の頃から『前へ倣え!』『起立、礼!』等の掛け声で集団行動をやらされていたような気がする。……まるで戦時下の軍隊のように。……


《他人と同じなら安心だ。お前『俺』はそうやって、育った。》

また心の中で誰かが囁く。



「…なんでだろうな…。」



そう言いながら横を見ると、隣の列がいなくなっていた。

レオンと話をしている間にも、次々と他の列は姿を消していたようだ。

シンはまだ姿を現さない。



「レオン、列ごとにいなくなっていく気がするが……シンが来ない内に動いたらどうするんだ?」



「その、心配はいらぬ。まだ隊員が揃っておらぬ。

加えて、シンは、我が隊の隊長であるからな。

隊長命令がなくば、隊は動かぬ。」



「……えっ?今回の研修は3人で行うんじゃないのか?」



「無論、3人ではない。バディー3組と監督官の7名で一つの隊だ。」



((……物思いに耽り、肝心な所を読み飛ばしていたか……いや、マニュアルには簡潔な説明しかなかった。))



「マニュアルには、そんな説明あったか?」



「……なかったな。だが、前回は7名で出陣した。」



「……違うチームのバディーが来るのか?」



「うむ。いわば、一時同盟を組むという事だな。」



……違うチームの人間に会うのは、初めてだ。

お互いライバルとも言える。……



「誰が来ても、我らは引けをとらぬ。そうであろう?ユーキ。」



俺の心を見透かしたようにレオンは言った。



「……そうだな。」





「待たせたな。」



シンの声がした。

顔を上げると、シンの後ろには、2人の全身黒タイツがいた。

2人とも、レオン程ではないが鍛えられた体躯をしている。

彼らは俺達の後ろに並んだ。



「これで揃った。では、最初に点呼をとる。」



「アイラ!」  「はい!」

「ロビン!」  「はい!」


前から返事が聞こえた。

……先客がいたのか。……


「ユーキ!」  「…はい!」

「レオン!」  「うむ!」

「ジェイ!」  「おぅ!」

「ロイド!」  「はい!」



「よろしい、それでは各人の役割について発表する。」



……シンに、先程迄の親しげな様子は微塵もない。完全に『隊長』に成り切っている。



「まず、見張りだが…アイラとユーキ。」



「はい!」

「はい!」



「確保はレオンとジェイ。」



「うむ!」

「おぅ!」



「そして、機械担当はロビンとロイド。」



「はい!」

「はい!」



シンは2人に手の平に乗る程の小さい機械を渡すと、力強く宣言した。



「任務に失敗は許されない!各自、心するように!

それでは、これよりミッションを開始する!」





シンに先導され、俺達はホールの先にある扉の一つに入った。



扉の中には、丸い床の部分があり、壁にはモニターが嵌め込まれていた。

意外に狭い。7人で立ち、少し余裕がある位の小部屋だ。



「このモニターに、探索室が探し当てた、色付の魂の居場所が映っている。」



画面右上には『793/ENGLAND/No.004123794………』の表示があった。

地図上で見ると、イギリスの北部の島辺りにオレンジ色の点がある。



「それでは、転送する。全員中央の床に乗れ。」



シンの指示で全員が中央に集まった。

モニターの下にある機械を外し、シンがその機械のスイッチを押した………



途端、上へ身体が引っ張られる感覚がし、続いて浮遊感を覚えた。



瞬間、周りの景色が一変した。

海に囲まれた小さな島の空中に、俺達は浮いていた。

中央に修道院らしき建物が見える。



(((それでは、それぞれ惹かれる人間に入れ。)))



シンの声が頭に響く。

相性の良い人間……判断せずとも自然に惹かれる筈だ。



俺…いや全員、島にある建物へと吸い込まれていく。

建物の外には人の気配がない。



建物内部に入った。

何かに引き寄せられる感覚…この先に俺の宿主がいる…そう確信した。



しかし、途中でその感覚が途絶えた。



((シン、引き寄せられる感覚がなくなりました!))



(((シン、私もです!)))



(((我もだ!)))



俺以外にも続々とシンへの訴えが続く。



(((……今回のミッションは…撤退せざるを得ない……来てみろ……)))



シンの存在する場所を感じ取って移動し、扉をすり抜けて部屋へ入ると……



そこには殺戮の光景が繰り広げられていた。


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