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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ レオン ※
26/86

【25】※ conversation with~(会話)  レオン①  ※


「………。」



レオンの視線が気になる。

先程から、ジロジロと俺の身体を値踏みしている。



「……レオン…申し訳ないが、無言で、俺の頭から足元迄見るのは止めてくれないか?

貧弱なのは、自覚している…。」



俺の今回のバディーはレオンだった。

正直、アンリではないが、俺も苦手なタイプだと思う。



レオンは筋骨粒々、逞しい体躯をしている。白人ではあるが、マイケルやサミーとは違う系統の顔をしているように思える。

白人の出身国の見分けは、俺達黄色人種には難しい…。



「お前も戦死して、ここに来たのか?」



……いきなり変な事をいう。やはり戦絡みの話題になるのか。……



「 いや、俺の国には今は戦争はない。100年程前にはあったが。」



「ほぅ…優れた君主が、臣民を導いているのだな。」



「象徴君主である『天皇陛下』は存在するが、国政を摂っているのは、政治家だ。」



「その『てんのうへいか』が国を率いているのではないのか?」



「う~ん、昔はそうだったようだけど、今は国政には関わっていない。」



「何故、君主が民を導かない?」



……話が長くなりそうだな。…



「天皇陛下は国民から尊敬されている。遥か昔から代々続く家系だ。だけど色々あって、今は違うんだよ。」



「では『せいじか』という者が国を率いているのだな。

お前の国の兵士は強いのか?」



「政治家は一人じゃない。多数いる。選挙をして国民が選ぶ。

それに、俺の国は以前の戦争の反省を活かし、軍隊を持たない。」



「…お前のいた時空では、国同士の戦いはもうないのか?」



「いや、まだあるが……。」



「では、敵が攻めてきたらどうするのだ?」



((どうする?…考えた事もなかった。))



「そのような事では、国が蹂躙される事になるぞ。」



((いざとなったら、アメリカが守ってくれる?

…そもそも、どこかの国と戦う事など、この先あるのだろうか?))



「その『あめりか』とは誰だ?」



「人ではないよ。同盟国だ。」



「別の国なのか?」



「そうだ。」



「………自国の安寧を他国に丸ごと任せるとは、お前の国はどうかしている。」



((平和ボケ))

…ふとその言葉が頭を掠めた。



「平和ボケとはなんだ?」



「自分の国を取り巻く現状や、世界情勢を正確に把握しようとはせず、戦争などは絶対になく、平和な日常が続くという幻想を抱くこと…かな。」



「幻想?ならば、お前の国で、今後絶対に戦争は起きない保障はないのではないか?」



「保障はないが……戦争は起きないと思っている。」



「それは幸せな事だ。しかし、思うだけではな。本当に戦が起きた時にどうするのだ?」



「それは…アメリカとの安全保障…」



「また、あめりか、か!それは他国なのであろう?

お前の国はそのあめりかの属国なのか?」



「…支配は受けていないから、属国ではないよ。」



「自国への被害が出ると想定しても、あめりかは、お前の国を守ってくれるのか?

世界情勢が変わり、そのあめりかが敵国となったら、どうするのだ?」



「…それは…。」



俺は思いもよらぬ問いかけに、答える事が出来なかった。



「自国を守るべく、日頃から鍛えておく。無論、身体のみならず、精神もだ。

そうでなくては、祖国を守れまい。」



……確かにそうだろうが…今の戦争は、まず肉弾戦ではないんだが……



「いや、それ以前に…お前の国の民は『愛国心』という物を持たないのか?

国の為に何を為すべきか、考える事をしないのか?」



……『愛国心』『お国の為に』……

負のイメージがある。口に出すのは憚られる言葉……



「……俺の国では、その言葉は禁句かもしれない。」



「不思議な事を言う。国を愛して何が悪い?」



……レオンの言う事はもっともだが、その言葉は日本人にとって、第二次世界大戦を思い起こさせる。……



「…以前の戦争時、よく使われた言葉だからだと思う。敗戦後はそれらの言葉は、暗黙の了解で、あまり使われなくなった。」



……『戦争アレルギー』……

第二次世界大戦敗戦から、日本人は戦争に纏わる色々な事から、目を背けてきた。

それは意図的に、その方向に向けられたのかも知れないが…日本人を骨抜きにする為に…。

大戦以前にもあった徴兵制も無くなり、自衛隊でさえ、存続させる事に反対する意見すらあった。

そして現在、自国を守る手段を日本はあまり持たない。

現状に目を向けず、平和はいつ迄も続くと、気楽に考えている者は多い。……俺も、だ。……



「…100年も前の戦争からか?お前の国は、いつ迄その戦を引きずっているのだ。

戦とは関係なくとも、祖国を大事に思う事は大切な事だ。

では、お前達は祖国が滅んでも良いとでも思っているのか?」



「そんな事は思っていない!」



「ならば、国の存続に何が必要なのか、己の頭で考える事を、放棄すべきではない。」



……レオンは、戦好きのただの肉体派だと思っていたが、そうではない事がよくわかった。……



「もっともだ。……レオンの言う事は、正しいと思うよ。」



「そうであろう。」



レオンは我が意を得たりといった顔で頷いた。



【あとがき雑学】


『君主』(くんしゅ)

世襲により国家を治める最高位の人。


『君主制』(くんしゅせい)

君主が統治する政治体制を君主制という。


①絶対君主制

君主が統治の全権能を所有し、自由に権力を行使する政治体制。絶対的な権力を持つ。


②立憲君主制

立憲主義に基づいて君主の権力が制限される政治体制。君主の権力が憲法などで制限されている。


日本の公式見解は、

『天皇を君主、わが国を立憲君主制とする。

主権者たる日本国民の総意に基づいて「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」の地位にある天皇を君主とする。』

立憲君主制の中でも特異な『象徴天皇制』であるとの事。


君主制国家の国民は、「統治される者」として「臣民」と呼ばれる場合もあったそうです。


因みに

君主が治める国を君主国と言ったり、君主の称号に応じて

帝国(皇帝・女帝)

王国(国王・女王)

公国(公=貴族・公女=女性貴族)

と呼び名が変わったりするとの事です。


知らなかったなぁ……(汗)


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