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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ アンリ ※
19/86

【18】※ search(探索)part② ※


アンリの事は気になっていたが、ともかく研修だけはクリアしなければならない。



幸いな事に、俺にとってこの仕事はとてもやりやすいと思う。

何せ、俺の知識技能が活かせる筈だから…



アンリから引き継いだ『1793/FRANCE/No.3589472203………』の座標内、オーストリアとの国境近くのヴァレンヌという場所で、オレンジ色の点を発見した。

探し出すのに少し苦労したが、Zoomを駆使し、詳細な位置迄特定出来た。



「ユーキくん、凄いね。初めてなのに拡大機能を使いこなしている。」



「ありがとうございます。」



ケイは、本当に驚いているようだ。



目の前にあるオレンジのボタンを押した。



……救助隊がこれで保護に向かうのか…



そう思いながら、俺は新たに現れた、次の指示通りの数字とアルファベットを即座に入力した。



画面右上に『1909/AMERICA/No.7709385201.………』 と表示された。

西暦1909年アメリカ



……アメリカは広いな。時間がかかるかもしれない。……



そんな事を思いながら、何気なく真ん中辺りを探す。……ビンゴ!!

オクラホマ州オクラホマシティ付近に黄色の点があった。



……この仕事は…運任せな側面もあるな。……



そう思いながら黄色のボタンを押す。



また新たに現れた、次の指示通りの数字とアルファベットを入力した。



画面右上に『1005/JAPAN/No.8483998201.………』 と表示された。

西暦1005年日本



……日本か。俺のいた時空と繋がりがあれば、西暦1005年は確か平安時代だった。とりあえず人が多そうな所は、奈良…いや、京都か……



京都嵯峨付近に赤色の点がある。

手元の赤色ボタンを押した。



((しかし、パラレルワールドの座標までわかるのに、その後は手作業か…もっと詳細なシステムは作れないのだろうか?……))



「システム開発部も頑張っているんだけどね。」



突然かけられた声に、ビクッとした。作業に熱中して、思わず心の声が漏れてしまったようだ。



「あっ、すみません!」



「いいよ、僕だって常々思っている事だからね。

それにしてもユーキくんは本当に凄いよ。もうノルマ達成してるよ。」



「ノルマ達成ですか?」



「普通、研修生は一人一件こなせば、ここではオッケーだからね。

アンリくんは実質0件だけど、監督官として査定するのはバディーが対象だから。君達は3件クリアした事になる、多分最速で。」



……「それぞれ得意不得意はあるだろう。研修中は補いあって結果を出す事も得点に繋がる。」

トーマにそう言われたな。……



「…ありがとうございます。」



「…ただ、アンリくんが心配だけど…」



「…もし、このままの状態なら、休暇をとってもらいます。」



「えっ、えっ…チームの点数減点になっちゃうよ?…知らないの?」



……トーマが言っていた通りだ……



「知っていますが、その分は皆でフォローします。」



「……なら、僕も少しだけ協力するよ。君は最速でノルマをクリアした。

よって、特別ボーナス点を加算する。」



「…いいんですか?」



「勿論。監督官は自分の裁量で加点する事が出来る。

…それに僕にも責任があるかも…だしね。」



「監督官の責任はないと思いますが…ありがたく頂きます。」



俺がそう言うと、ケイはニコッと笑ってこう言った。



「新入社員研修終わったら、是非ここに来てよね。」



俺もニコッと笑って、こう言った。



「考えておきます。…チーム丸ごと魂が消滅しなければ、ですが。」



……さて、ケイはどう返してくるのか……



「えっ、冗談でしょ?」



……冗談でしょ?どういう意味で言っているのだろう。……



「…それは、どういう…」



言いかけた途端、部屋中赤くなり、警報音が鳴り響いた。



「!…紫が出ちゃったみたいだ。席代わって。」



「はい。」



「ともかく、君達のここでの研修は終了だよ。…見送れないけど、アンリくんの事よろしくね。マニュアルは1冊あげるから。」



「はい、色々ありがとうございました。」



マニュアルを受け取り、お辞儀をすると、ケイはニコッと俺に笑いかけて



「Good Luck!」



そう言うと、画面に向き直った。





アンリに肩を貸して、『探索室』を出た。



「ユーキ、すまない。もう大丈夫だ。」



それまで脱力していたアンリが口を開き、俺の肩から腕を離した。



「無理しなくていいんだぞ。慣れない作業で、大変だったよな。」



「………西暦1793年フランスは何色の点だった?……」



……変な事を聞くな?……



「オレンジ色だったよ。」



「…そうか…良かった。ともかく本当に迷惑をかけて申し訳ない。…それにありがとう、私の分のノルマ迄こなしてくれて。」



「同じチーム、バディーじゃないか。当たり前だろ。」



「それだけじゃない。私の為、チームの点数を減点しても、フォローすると言ってくれた。感謝する。」



アンリは深々と頭を下げた。



……聞いていたのか……



「……やめろよ。また貧血起こすぞ。顔を上げてくれよ。」



アンリは頭を上げると、ジッと俺の目を見つめて言った。



「…お前は本当に…いや、ともかくありがとう。」


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