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ようこそ、異世界コンツェルンへ♪   作者: 三芳(Miyoshi)
※ アンリ ※
16/86

【15】※ Practical training(実技研修)part3 ※


「ユーキもここに来るのは初めてなのか?」



……『も』ということは……



「アンリは初めてなのか?…俺も…以前の記憶がないから、わからないが、おそらくは初めてだという気がする。」



俺はアンリとともに、次の研修先『探索室』に続く通路を歩いていた。



「そうか、そういう気がするなら初めてなのであろう。」



「アンリは、この世界や会社の知識を誰かに教えてもらったか?」



「ああ、ライラックからな。不明な事はマイケルに質問した。」



「ライラック!?…からか?」



アンリはフッと微笑んで言った。



「まぁ、1/10くらいはそうだな。ライラックは、説明が下手というか…的確な表現を使う事が得意ではない。ほぼマイケルだ。」



「…マイケル…」



……アンリが他のチームメンバーからこの世界の知識を得ていたとしたら、トーマの説明の嘘を炙り出せるかもしれないと思ったのだが…まさか(疑惑の)マイケルだったとは……



「私は、人一倍知りたがりなのだろう。

ここに来る前の仕事の影響かも知れんが…。」



「仕事の影響?…」



「!……まぁな……」



アンリは『しまった!』と言いたげな表情を見せたが、すぐにいつもの憂いを帯びた表情に戻り、それ以上何も言わなかった。



程なく『探索室』の入口に着いた。



アンリがドアをノックし、扉を開ける前に中に声をかけた。



「お忙しいところ、恐れ入ります。研修で参りました。

識別番号9793519307、9793519312、以上2名、本日は宜しくお願い申し上げます。」



……さすが、アンリだ。直立不動で、流れるように挨拶を述べている。

貴族の貫禄。



暫くするとドアが開き、眼鏡をかけた細身の若い男性が出てきた。



((魂でも眼鏡をかけるのか…それにジーパン!?))



何気なくそう思った……しまった!叱責される……

以前の苦い思いが頭を過ぎったが、男性は少し驚いた表情を見せ



「…これは少し期待出来るかな…。」



俺を見て、そう呟いた。



「?」



……心の声を悟られない術を身に付けているのに、迂闊だった。…



「新入社員だね。とりあえず中に入って。説明は中でするよ。」



男性に導かれるまま、部屋の中に入ると、果てが見えない広い空間に、無数のディスプレイ、画面の前に座る人々がズラッと並んでいた。

静かに画面を睨んでいる者や、慌ただしく動いている者もいた。



「二人とも、初めてかな?」



「はい、仰るとおりです。」



「うん、ではまず簡単にここでは何をするか、話すね。

それからマニュアルに目を通してもらって…質問はそれから、それでいいかな?」



「はい、宜しくお願い致します。」



返事は全てアンリがしてくれている。



「君もそれでいい?」



急に振られて少し焦った。



「は、はい。よろしくお願いします。」



「じゃ、まずマニュアルを渡すね。ここのマニュアルは全員で共有しているから、記載事項は膨大な量になる。」



全員で共有という事は、マニュアルも重くて分厚い物か…と思ったが、『案内人室』で貰ったマニュアルと厚さも重さも変わらなかった。



((……パソコンのドライブ…共有フォルダのような物か……))



「君、正解!」



眼鏡の男性はそう言うと、微笑んだ。



「えっと、9793519307……呼びにくいな…ユーキくんでいい?それとアンリくん。」



「結構であります。」

「それでいいです。」



「僕の事はケイでいいよ。……まぁ名前呼ぶ機会もないか。

とりあえず、ここでは僕が君達の監督官になる。よろしくね。」



「監督官殿、よろしくお願い致します!」

「よろしくお願いします。」



「アンリくん、堅い堅い。」



監督官であるケイは、そう言いながら笑った。



ケイは俺のいた時空に近い所から来た魂なのだろう。

話し方がかなりフレンドリーだ。

見た目は西洋人、少し雀斑のある白い肌に金髪、ジーパンを着用しているので、そう思った。


……しかし…ジーパン?……


ここにいる人々は、みんなバラバラだが、個性的な服をそれぞれ着用している。

ここには案内人室のように制服のような物はないようだ。……



「ここでは、モニターに映し出される、黄色やオレンジ色や赤色の点を見つけ出す作業をする。そして、紫色…これは絶対に見逃さないでほしい。」



「……???」

「?」



アンリは面食らった表情をしている。俺以上に?マークが多い気がする。



「えっと、アンリくん…モニターってわかるかな?」



「恥ずかしながら、初めて聞く言葉であります。」



「やっぱり、そうか。ユーキくんは詳しいでしょ?」



「詳しいかどうかは怪しいですが、知識としてはあります。」



「だと思ったよ。」



ケイはニッコリ笑いながらそう言った。



「モニター、もしくはディスプレイとも言う装置なんだけど…ここでは探索する作業を行うからモニターと呼んでいる。

まぁ、ご覧の通り皆が見ているあの画面だよ。」



「!!…絵が動いている……?」



「えっと…絵じゃなくて映像。

色々な時空、場所が映し出されているんだ。」



「…映像……?」



「ん〜、光線の屈折や反射によって作られた像……いや、絵が動いているって解釈なら、動画でもいいか……」



ケイは、なんとかアンリにわかるように説明しようと頭を捻っている。

アンリもまだ納得出来ない、というオーラを放っていたが、話が先に進みそうにないので



「後で俺が説明します。」



俺がそう言うと、ケイはホッとしたような表情を浮かべた。


【あとがき雑学】


『ジーパン』(ジーンズ+パンツ)


和製英語なので、海外では通じません。

英語なら「Jeans」(ジーンズ)ですね。

おそらく、ジーパンと聞いて

何の事かわからない人はいないと思いますが、最近では違う呼び方も増えているとか…。


『ジーンズ』、『デニム』『デニムパンツ』『パンツ』等々…


デニムは「生地」の事。

パンツは、アメリカでは「ズボン」の事ですが、イギリスでは「短い下履き=下着」の事です。

最早、本来のジーパンの色、インディゴブルーの面影無し!


しかし、トーマも言っていましたが、言葉なんて時代とともに変わる物。

そのうち『ジーパンって何?』って時代が来るのかもしれませんね。


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