※ prologue(プロローグ) ※
既に投稿している2作品に登場する『案内人』…
本当にいたらどんな人だろう…
そんな思いつきで書いてみました。
前作と重複している部分もありますが、そこはご容赦下さい。
『ようこそ、異世界コンツェルンへ!』
デカイ声が頭の中に鳴り響いた。
大きな…東京ドーム何個分かはわからないが、本当に大きな…というか、会場の端が見えない広大な会場に俺はいた。
(((とーきょーどーむ?なんだ、そりゃ?)))
周りには人、人、人…
広大な会場を埋め尽くす程の人がいる。
皆、水色の服を着ている。上から見たら、湖のように見えるかもしれない。
(((人じゃぁないんだけどな…)))
一体ここはどこなのだろう?
……というか…俺は…誰なのだろう?
思い出せる事といえば、街をフラフラしている時に、拉致?された…大きな掃除機のような物に吸い込まれた事位だ。
(((あぁ、吸魂機に吸われたのか…)))
『皆様は大変幸運であります。昨今の状況を鑑みましても、今、此処にある事自体、大変稀有な事でありますから…』
(((稀有な事ねぇ…ぷふっ…)))
相変わらず大声で頭に響く誰かの声…もう少しマイクの音量を、落としてもいいのではないか?
そんな事を思っていると、隣のヤツが話しかけてきた。
「マイクじゃねぇよ。直接頭の中に響いてるんだよ。」
((直接頭の中に響く?…))
「そうだよ…さてはお前、初めてだな。」
((初めて…?…何が?))
「ここに来るのが、だよ。」
…………って、
「お前!俺の考えている事、わかるのか!?」
「当たり前だろ?お互いに魂なんだからさ。」
「魂いィィっ!!!???」
つい、大声を出してしまった。
『はい、そこ!……系統oblivion(忘却)、区分コードO、識別コード9793519307、静かにしてください!』
「はい!!!」
何やら、謎の数字とアルファベットを並べられたが、瞬時に自分の事だ、と理解が出来た。
(((あらら、早速目立っちゃってるな…)))
隣のヤツがニヤニヤしながら、言っている…ではなく思っている。
最初から変な合いの手が入ると思っていたが、ヤツのツッコミだったらしい。
((なんなんだよ…お前のせいだろうが!))
(((ぷっ、ふふふ…)))
ヤツの笑い声が聞こえるようだ。
『わが社の歴史は非常に古く長く、初代はベンチャー企業として発足致しましたが、その長い歴史の中では形態を様々に変え…』
((この欠伸が出るような挨拶…前にも同じような話を聞いた事がある…ひょっとして入社式か?…って、ニュウシャシキってなんだっけ?))
(((まぁ、入社式みたいなもんだな。)))
また、ヤツが俺の考えている事に答える。
(((俺は、系統ReincarnationーⅠ(転生ーⅠ)、区分コードR、識別コード9793519309、だ。
識別コード近いから、同じチームになるかもな。
よろしく!)))
((同じチーム…ってなんだ?))
(((まっ、そのうちわかるよ!)))
ヤツはそれきり黙ってしまった。
なので、俺も考える事を止め、とりあえず頭にガンガン響く熱弁を、欠伸を堪えて聞き流していた。
【あとがき雑学】
『東京ドーム何個分』
よく耳にする表現です。
『凄く広い、デカい』
漠然と思っていましたが、実際どれ位なのか、実はイメージ出来ない。
グラウンド面積≒約13,000㎡
(建築面積+グランド面積≒46,755㎡)
単純にグラウンドの広さだけ考えれば
一坪がほぼ3.306㎡なので(13000÷3.306≒3932)3,932坪
30坪の土地に家1軒なら、131軒位の広さ
畳1畳はほぼ1.62㎡なので
(13000÷1.62≒8025)8,025枚
…なんとなくはイメージ出来たけど……
結論
『やっぱり凄く広いぜ!』