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第二十章 それでも

「じゃ、坊や、あたしはこれから行くところがあるんでねぇ。」

翌朝。宿屋の前。シノはさらりとワクに別れを告げます。昨夜あんなに激しく慈しみ合ったのに、まるで何事もなかったかのような涼しい顔で。

「自分を大切にしなさいよ、ぼ、う、や。」

そんな前向きな言葉を、逆に揶揄するかのような口調で。

「…もう会えねえのか?」

「さあ。神様がそう仕向けなさったら会えるんじゃないかい?」

「…。」

あくまでも、年下の坊やをからかうような調子です。それとも、ワクなどは通りすがりの情人の一人で、物の数にも入らないのでしょうか。

「分かったよ。…じゃあ、シノさん、元気でな。」

「ああ。あんたもね。」

すたすたと歩いていくたおやかな背中を、しばらく立ちすくんで見つめるワク。そこへ、シノが振り向いて一言、

「もう泣くんじゃないよ。いい男が台無しだよ。もっとも、あたしゃ泣いてる男も可愛くて好きだけどね。ほほほ!」

どこまでが本気なのだか。いえ、すべてが冗談なのかもしれません。

「ちくしょう! まるっきりかなわねえや。」

シノは背中を向けたまま、右手を上げ、大きく振りました。

「達者でな!」

ワクは、その背中に向けて叫びました。

それでおしまいでした。もう二度と会えないでしょう。あっけない別れでした。


ワクは、気持ちを切り替え、とにかくこの町を抜けようと、ひたすら歩きました。この町とはどうも相性が良くない気がします。旅人に関する良くない印象も、このあたり独特の価値観なのかもしれません。あまり長居をしても、良いことがあるようには思えません。いえ、町が変われば状況が変わるという保証はありませんが、忌まわしい記憶の場所から距離的に遠ざかるにつれ、気分は少しずつでも変わっていくでしょう。

しばらく歩くと、町並を抜け、田畑が広がり始めました。人の少ない自然の風景を見ると、ほっとします。人恋しい一方で、人を避けたい。今のワクは、そんな、あまり感心できない心境に陥っていました。


次の町に入って、大通りを歩きます。が、どうもまだ、自分から人に話しかけてみる気持ちにはなれませんでした。そこで、茶店や広場などの社交場にも寄らず、ただひたすら歩き続けました。気にすまいと努力しても、前の町で受けた心の傷が癒えるには、もう少し時間がかかりそうでした。

ワクは、人と触れ合うことに臆病になっていました。結局その町でも誰とも口を利かぬまま、日が暮れてきたので、町はずれの小さな宿屋で一夜を過ごしました。夢うつつの中で、静かな、泣いているような雨の音を一晩中聞いていました。


翌朝、目覚めたワクはそそくさとその町を後にしました。

もうそろそろ、こんな気分には切りを付けなければ。次の町では、無理矢理にでも何か行動をしよう。

ワクは、次の町で見つけた、一日限りの力仕事の従事者募集に応募することにしました。

【求ム。石運ビ作業人十五名。終日。郊外ニテ作業。昼飯ツキ。】

何でも良かったのです。人と浅く交わることができて、かつ、体を動かせば、少しは気が晴れるでしょう。

受付で申し込みをし、名札をもらって胸につけ、出発地点に整列します。下は十代から上は六十代くらいまでの男ばかり十五名が、ガヤガヤと騒ぎながら、並んでいるようないないような感じで集合しています。

「よお! おめえ、また会ったな!」

「おお! 俺はこういう仕事が好きだからよ。おめえもか!」

「おうよ!」

見知らぬ同士ばかりが集まった、騒がしい集団の中に混じると、どこかほっとします。完全に孤独なわけではない。かと言って、会話を強要してくる相手もいない。

「おめえ、こないだ言ってた()とはどうなったんだ? え? やっちまったのか?」

「げへへへ。そいつぁ言えねえな。」

「言えねえと言っている時点で、白状してるようなもんだがな!」

ワクを含んだ、ガヤガヤと騒がしい十五名の集団は、監督者の先導で、現場に向かって歩き始めます。

秋たけなわです。早朝や夜はぐっと冷えるようになりましたが、昼間はまだ暖かいのです。空高く、ひつじ雲が広がっています。とても過ごしやすい季節です。

ワクはふと、「お助け団」でエキボウのために公演をした日々のことを思い出しました。あの時も、季節はさわやかな秋だった――。みんなで町から町へ練り歩いたな。アミと声を合わせて歌いながら。ミイルが幟を持って。オジジとカアサも楽しそうで。エキボウはみんなの間を走り回っていたっけ。時々空中回転をしながら。村の子供たちや、時には大人までが一緒についてきて。楽しかったな――。

遠い昔、いえ、夢の中の出来事であったかのように思えます。

町並みを外れ、周囲にはだんだん、岩肌が目立ってきました。もっと進むと岩の採掘場があり、そこで粉砕した岩を運ぶのです。しばらく行くと、道が二股に分かれている地点に出ました。採掘場へ続く道と、海岸の方へ出る道に分かれるようです。一行は、左――採掘場へ続く方へ進んで行きます。

ワクは、少しだけ気分がほぐれ、隣を歩いている寡黙な男に声をかけてみました。

「この仕事はよくやるんですか?」

男は少々驚いたようにこちらを見た後、小さな声で、

「い、いや、初めてです。」

少々迷惑そうな、いや、戸惑っているような風情です。無精ひげを生やし、目の下にうっすらと隈ができているように見えます。あまり健康そうな感じではありませんでした。力仕事に耐えられるのだろうか、と心配になるほどです。余計なお世話かもしれませんが。

「そうですか。俺も初めてなんで。」

もう少し会話を続けてみるかどうか、少々迷いましたが、自分の気持ちを鼓舞して、もう一言だけ発してみました。

「この町に住んでるんですかい?」

「いえ、旅の者です。」

「ああ、そうなんだ! 俺もですよ。」

その言葉を聞いて、男の目に少しだけ光が宿ったように見えました。

「目的地はどちらですか?」

と男はワクに尋ねます。ワクは左手にうっすらと見えている山を指さし、

「ほら、あの山ですよ。十七の年からずっと、あれを目指して旅しているんです。」

「ほう! 十七から。」

「ええ。おたくは?」

「私は、三十歳のときからだから、ちょうど十五年が経ちました。あなたに比べれば、新米ですね。」

軽く笑います。

ワクは、こんなときに、自分と同じ旅人仲間を見つけたことで、安堵と心強さを感じました。

と、男は、眉をひそめ、さらに声を落とし、

「あなたは経験ありませんか?」

「何の?」

「迫害。」

「は、迫害?」

「ええ。最近の風潮として、旅人は忌み嫌われ、避けられる傾向にある。」

「…。」

自分自身がそれを痛感しているところであるだけに、咄嗟に言葉が出ないワクでした。

「私は、ここ半年くらい、ろくな扱いを受けていない。」

「そうなんだ。実は俺も。少し前に通った町で、悪口を聞いたり、警戒されたりしましたよ。」

「そうですか。それくらいなら、まだしもだ。私は、石を投げつけられた。」

「石を!」

「ええ。まあ、相手は子供だったのですが。この役立たずめ! と言いながら。一緒にいた母親が止めに入りましたが、きっとその母親自身が、普段、旅人のことをそんな風に言っているのでしょうね。おそらく、子供は親の真似をしたに過ぎない。」

「…。」

「それ以来、怖くなりましてね。人と触れ合うのが。人は皆、自分のことをそういう目で見ているに違いないという気がして。本来は、話し好きなんですがね。」

弱々しく、自嘲気味に笑う男の顔に、人の好さがにじみ出ていました。

その日は、作業をしながら、終日、その男とぽつぽつと会話をして過ごしました。ワクと話して気持ちをぶちまけることで、男の表情が少し明るくなったように思えました。一方、ワクの心には、石の一件が重く残りました。


作業からの帰り道。仕事が予定よりも早めに片付いたため、夕暮れにはまだ少し間がある時間帯です。往きと同様、皆で列を作ってぞろぞろと、来た道を逆に歩いていました。作業によるほどよい疲労感に包まれ、心が少し軽くなっています。

一行が、海岸へ続く道との分岐点に差し掛かった時。海岸への道を、一人の女性が歩いて行く姿が見えました。白っぽい着物を着た、すらっとした女性です。顔は見えませんが、後ろ姿だけでも十分に美しい姿でした。

「ひゅーっ、姉ちゃん、いい女だね!」

「こっち向いてくれー!」

「一緒に遊ばねぇか!」

野卑な声が男たちから飛びます。一瞬、女性がこちらを振り向きました。乾いた薄笑いを浮かべて、こちらを見まわします。

シノさん!

ワクはさっきから、ひょっとしたらと思っていたのでした。やっぱりそうでした。

シノは、ワクには気づかなかったようです。そのまま前に向き直ると、たおやかな足取りで岸壁の方へ歩いて行きました。ワクには、その背中に、深い寂寥感と、同時に決然とした何かを感じ、妙な胸騒ぎを覚えました。何故かは分かりません。ただ何となく、そんな感じがしたのです。

ワクはしばらくシノの去った方を目で追いつつ、迷っていました。が、とうとう意を決して、列から出て、来た道を駆け戻りました。

「あ、ワクさん! どうしたんです?」

男が驚いています。

「すまねえ! ここで失礼するよ。」

「おーい! 給金はどうするんです?」

「あんたにやるよ、俺の分! もらってくれー!」

分かれ道まで来ると、シノの行った海岸への道へ駆け進みました。道が曲がっているせいで、遥か前を行くシノの姿は見えません。ワクは大きな不安に囚われました。まさか、まさか――。

やっと視界に入ったシノは、岸壁の突先に、こちらへ背を向けて立っていました。気のせいか、ふらついているように見えます。ワクは数十メートル手前から叫びました。

「おーい!」

反応がありません。

「おーい! シノさあん!」

シノが気づいて、こちらを向きます。その顔はのっぺりと無表情でした。泣いても笑ってもいません。喜びも哀しみもなく――それはまるで、魂の抜け殻か人形のような顔でした。

ワクはそのまま全速力で駆けつけ、ほとんどシノに体当たりせんばかりの勢いで両肩を掴みました。いや、本当を言うと、軽くぶつかりました。シノの体は、ぶつかられた弾みでふらつきます。ワクはそんなシノをしっかりと抱きとめ、

「何してんだ、こんなところで!」

「…ああ、坊やじゃないか。」

「坊やじゃないか、じゃねえよ!」

「何を慌てているんだい?」

「え?」

「ひょっとして…まさかあたしがここから身を投げるとでも思ったのかい?」

「え?」

いつもの薄笑い。

「え、いや、あの…。」

「このあたしが?」

「じゃ、じゃあなんでこんなところにぼーっとつっ立ってたんだよ!」

「いい景色じゃないか。眺めてたんだよ。」

「…。」


夜。

ワクとシノは、岸壁から少しだけ引っ込んだところにある、掘立小屋の中にいます。窓の外には、海風の音がぴゅうぴゅうと響いています。そこは、簡易休憩所か何かのようでした。

置いてあったお粗末な夜具を無断で拝借しての睦み事。興奮の波が過ぎ去った後、二人は裸のままで、シノはワクの腕枕に頭を載せ、ワクの胸に手を当てて、体を密着させています。

「心臓。」

「え?」

「いや、ね、鼓動が感じられる、と思ってね。」

「そりゃそうだ。生きてるんだもの。」

「生きてる、って、一体何さ。」

「?」

「心臓が動いていることかい?」

「…。」

ワクには、シノの言いたいことが分かるような気がしていました。生まれたら、肉体は生命活動を営む。心臓は脈打つ。逆に心臓が脈打つのを止めた時、それを人は死と呼ぶ。

では、生きるとは、心臓が動くことなのだろうか。肉体の各器官が生命活動を営むことなのだろうか。

ワクは、シノの問いには答えず、

「さっきは…さっきは死のうとしていたのかい?」

「…。」

あっさり否定されるかと思いきや、シノは黙りました。長い沈黙の後、ぽつりと、

「そうだね。半分半分、ってとこかな。」

とだけ言いました。

その言葉も、ワクには違和感なく、心にすっと入って来ました。半ば、死のうと思っている。半分だけ、本気。

「特別死にたいとは思わないけれど、生きている理由もない。きっかけがないだけで、何かあれば逝くのかしら。なんてね。」

「…生きているって実感しても、生きてて楽しくても、心臓が止まったらそれで終わりだもんな。」

シノの言葉に対する返答になっていないようなワクの発言でしたが、シノは満足そうにうなずきました。

「あんた、あたしと一緒に死のうか。」

ワクは驚きませんでした。そんな発言が出てもおかしくないその場の気分でした。

「…それもありかも、な。」

シノは薄く笑い、両手でワクの首を絞める格好をします。

「へへ。()()()()う、なんて、しゃれにもなんねえ。」

シノの手をそのままに、肩を抱いて、自らの口でシノの口を塞ぎます。これ以上悲しい発言をさせまいとするように。それとも、死への思いを、口移しに共有しようとしたのでしょうか。

が、その口は簡単に外され、

「あたしはねえ、小さい頃から、生きている楽しみとか喜びをあまり感じたことがないんだよ。」

シノはぽつりぽつりと自分語りを始めました。ワクは相づちも打たず、ただ黙ってじっと聞いていました。必要ないと思ったのです。シノは続けます。

「あたしの母親はスミレ伯母さんの妹でね、家も近かったから、お互いによく行き来してた。」

「伯母さんちは、それほど裕福でもなかったけど、うちはわりとお金があったのさ。でも、愛情はなかった。そういう意味では、伯母さんちとあたしんちは対照的だったんだね。」

「父が死んで、母が再婚したのでね。妹は両親の実の子だけど、あたしは父にとっては継子なのさ。」

「別に、そんな家庭は他にもあるし、珍しくはないんだけどね、あたしは父とそりが合わなかったし、それに、なんていうか、ちょっといたずらもされていた。早く家を出たいと、そればかり考えていた。母は守ってくれなかった。あたしよりも、新しい父や妹という家族の方が大事だったんだろうよ。」

「十五で家を出て、廓に住み込みで勤めた。最初は雑用係。十八になった年から、客を取るようになった。」

「伯母さんは、何度もあたしのところへ来て、仕事を辞めるように言った。母は一度も来なかったけどね。」

「でも、そうしているうちに、母は父と妹と三人でどこかへ引っ越していった。あたしには何も言わず。で、あたしは帰る場所がなくなった。」

ワクは切なくなって、シノの細い肩をぎゅっと抱きしめました。帰る場所がない。今のワクには身につまされる言葉です。

「好きな人ができたりはしなかったのかい?」

「廓にいてはね。出会う男はみんな、所詮お客なんだよ。」

「…。」

「体目当てで寄ってくる男はたくさんいたよ。でも、分かるんだよ。心はない、ってのが。…あんたくらいだね。あたしに真剣にぶつかってきてくれたのは。あ、伯母さんを除けばね。」

「確かに。文字通り、ぶつかったよな、俺。」

二人で小さく笑います。

「俺は、生きることはワクワクすることだと思っている。何にだってワクワクすることが、俺の身上なんだ。名前の通り。ていうか、俺の名前はまさにそういう意味で付けられたんだ。」

「ふっ。何だい、ワクワクって。あたしにゃ、そんなもの、関係ないね。」

「…。」

「そんなものはね、一部の幸せに生まれついた人間だけのものさ。世の中はもともと不平等に出来ているんだよ。」

「…そうかも知れねえ。人によって、恵まれている部分とそうでない部分は、色々だな。」

「…。」

「でも、幸せの総量は、みんな一緒じゃねえかな。いや、何ていうか、幸せの()というか、()というか。その種のうち、どれだけを花として咲かせられるかは、本人の気持ち次第なんだよ。よく分かんねえけど。」

シノは黙って、何かを考えている様子です。

「姉さん、これからワクワクと縁ができるよ、きっと。そんな予感がする。いや、確信だな。なんでか分かんねえけど。絶対にそうなる。」

シノはかなり長い間、黙っていました。それから、ぽつりと、

「あんたは優しいんだね、坊や…いいえ、ワクちゃん。」

「へへ。初めて名前を呼ばれた。」

ワクの中で、シノへの愛しさが膨れ上がりました。ワクは再び、シノの美しく柔らかい身体を愛撫し始め、唇を吸いながら、シノの上に自らを重ねました。


翌朝、目が覚めると、窓から明るい陽射しが差し込んでいました。もう、早朝と呼べる時刻ではなさそうです。

ワクは、自分の隣が妙に広いことに気づきました。シノがいません。

(便所にでも行ったか。あれ、この小屋に便所なんてあったっけ?)

寝ぼけた頭が少しずつはっきりしてきますが、シノは戻りません。だんだん不安になってきました。

「おい、シノさん!」

小さな小さな小屋の中。叫び声など上げなくても、探し回ったりしなくても、シノがいないことは一目瞭然です。

「シノさん…。」

気づくと、枕元に小さな紙片があります。書き置きでした。

【坊やへ 楽しかったよ、ありがとう。あたしも、自分のために何かを見つけてみようという気持ちが少しは持てた気がする。あんたのおかげだよ。幸せにおなりよ。 シノ】

ワクは、何とも言えない侘しい気持ちが胸に湧いてきて、静かに涙を流しました。

(なんで黙って行っちまうんだよ。あんなに愛し合ったのに。)

自分の過去や心情をさらけ出したため、もう顔を合わせ辛いのかもしれない、シノの美学としては。ワクはそう思いました。

小屋から外へ出て、岸壁に立ちます。ここにたたずむシノに突進し、体当たりを食らわせた。海風の中。無表情なシノ。薄笑いを浮かべるシノ。妖艶で美しいシノ。

どこへ行ったかも分からない。また偶然会えるかどうかも分からない。けれど、シノはこれから、今よりずっと幸せになっていくに違いない、とワクは確信していました。

(お互いに、自分の人生を味わい尽くそうじゃないか。なあ、姉さん。)

――肝心なのは生きる時間の長さではない。いかに楽しんで、または苦しんでもいいが、濃い、充実したときを過ごすか、ということが大切なのだよ――

ジロウを亡くしたときに出会った、あの老人の言葉が急に脳裏に甦りました。

(そう、俺たちは皆、色んな出来事に出会い、喜んだり悲しんだりする。良い時ばかりじゃない。けど、良い事、悪い事全部ひっくるめて、どれも一生懸命に味わうこと。その時、その出来事、その感情を十分に味わうこと。それが大事なんじゃないだろうか…。)

ですがその問題は、少し分かりかけて来たような気がするものの、ワクにとってはまだ少し難しく、結論を出すには今少し時間が必要なようでした。

午前中の明るい光が、斜め上から燦々と降り注ぎます。荒い波の音、吹き付ける風の音。カモメの鳴き声。

そして、また独りぼっちになってしまった。

ワク、四十三歳。一人で、人生に対する想いを噛みしめます。


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