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28日目.お披露目会

 ついにお披露目会当日を迎えた。


 私は朝早くからいつも以上にしっかりとヘアメイクを施され、今日のために新調されたローズピンクのドレスに身を包んだ。

 私の髪色に似合うようにと、ルーク様が用意してくれたものだ。


「とてもお似合いです……! フラッフィーナ様!!」


 その姿を見て、なぜかアリエラは瞳に涙を浮かべて言った。


「どうして貴女が泣くのよ、それにまだ早いわ」

「すみません……っ、つい!」


 グズっと洟をすすると、アリエラは「ルークアルト様を呼んでまいります!」と気合いを入れ直して部屋を出て行った。


 その数分後、ノックと共にアリエラの声が聞こえ、扉が開くと完璧なまでに美しく正装されたルーク様の姿。


「……フィーナ、とても綺麗だよ」

「ルーク様も、素敵です……」


 しばし、お互いの瞳にその姿を映し合ってぽーっとしてしまった私たちは、フェリオンの「そういうのは後でやれ」という声にハッとして頬を染めた。


 でもルーク様……本当にかっこいい。

 いつもかっこいいのに、今日はいつも以上に決まっている。

 優しく微笑んで腕を差し出す彼の逞しいそれに掴まり、エスコートを受けながら私たちは会場へ向かった。


 王宮内で一番の、大広間。

 そこには国中の貴族や王宮の騎士に魔道士たちも集まっていた。もちろん知っている顔もたくさんある。


 わっという歓声と共に祝福され、一身に注目を集めて少し緊張する。

 けれど私の隣でルーク様が優しく微笑んでくれたから、大丈夫。そう思い、彼の腕を強く掴んで進んだ。


 中央で立ち止まりお辞儀をすると、ルーク様と向かい合って手を取り合う。


 音楽が流れると、私はルーク様とダンスを踊った。


 緊張する。でも、大丈夫。何度も練習したし、昨日もちゃんと踊れたから。


 ルーク様は終始私に優しく、熱い視線を向けてくれていた。とても優しくリードしてくれる。


 次第に緊張は解け、私は純粋にルーク様とのダンスを楽しんだ。


 曲が終わり再びお辞儀をすると、各方面から拍手が沸き上がった。


「おめでとうございます!」

「フラッフィーナ様、とてもお綺麗です!」


 などという声があちこちから聞こえて、ルーク様と顔を合わせて微笑み合う。



 その後は来賓の貴族たちから次々と挨拶され、目の回るような忙しい時はあっという間に過ぎていった。


 けれど時折「大丈夫?」と私を気遣って声をかけてくれるルーク様の顔を見れば、私から疲れは吹き飛んでいく。


 私は、この方の婚約者なんだ……。


 それを思えばとても幸せで、自然に笑顔が浮かんでしまう。


 式は来年だけど、私たちはきっと幸せになれる。

 そしてこの国の民も、幸せにする。


 このパーティーが終わったら、ルーク様と二人きりでゆっくりお話をしよう。


 まずはそれを楽しみに、お披露目会はつつがなく進んでいった。



 会が終了し、私とルーク様は退場するためにもう一度お辞儀をした。


 鳴り止まないあたたかい拍手を受けて、とても幸せな気持ちになった。

 そして、目が合った両親が涙を流していることに気がついたのはその時だった。

 確かに、今日はゆっくり話せそうにないから、ルーク様には本当に感謝しなければ。


 それになぜか、後ろでアリエラが私の両親以上に涙を流していたけれど、なんでだろう?

 その隣ではフェリオンが微笑んでくれている。

 ラステリーも、ジェラルドと共に拍手をしてくれている。その顔にはうっすらとだけど笑みが浮かんでいた。


 アリエラには後で、ゆっくりお礼を言おうと思う。

 私のために今日まで色々と頑張ってくれた。一人で不安だった頃から、一緒にいてたくさん話をしてくれた。

 私はアリエラが大好き。できればこれからも私の侍女として一緒にいてほしい。


「フィーナ、これを君に」

「ルーク様、これは……」


 その時だった、あとは退場するだけという流れだったはずなのに、突然ルーク様は私に向かって片膝をつき、左手を取ると薬指にイエローに輝く宝石が埋め込まれた指輪をはめた。


 ルーク様の瞳の色と、よく似ている。


「フィーナ、貴女を生涯愛し抜くと誓います。私と結婚してください」

「……ルーク様、」


 改めてプロポーズされ、ドクンと胸が高鳴る。


 エンゲージリング――これは誓いの指輪だ。

 私の前世の世界とその意味は少し似ているけれど、この国では魔王が一番愛した、ただ一人の女性に贈るものとされている。


「はい――。ルークアルト様、私も貴方を愛しております。一生、貴方と添い遂げます」


 それをまさか、今日この場でいただけるなんて。


 胸を熱くさせながらもニコリと微笑み、精一杯その気持ちにお応えする。


「この指輪には特別な魔法で私の魔力が込められている。いついかなる時も、君を守るだろう」

「……ありがとうございます」


 ルーク様はそう言うと、リングの上から私の指にキスを落とした。


 再び拍手と祝福の言葉が私たちを包み込む。



 ――今日までのこの四週間は、私にとってとても長く、濃い時間だった。


 この時間を、私は生涯忘れることはないだろう。


 そしてこれからも、この方と共に大切な時間を刻んでいく――。

これにて終了です!


最後までお付き合いいただきありがとうございました!!


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