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なんで "みんなと同じ"  ってそんなに大事なの?

作者: Puchi

私はコラムニストをしています。扱う内容は主に日本と海外の違いです。


今回は私の取材に対して、北欧に住む友人の知人である女性が、なかなか興味深い内容のものを送ってくれました。


それに対して、私の友人がとても興味を持ったようで、今からホテルのロビーで待ち合わせをしています。


あっ、来ました、来ました。


「久しぶりー。」


「元気かー。何年振りだっけ?」


「3年。」


「マジ?もうそんなになる?」


「早いよなー。」


「で、例のものは?」


「あー、はいはい、ちゃんと持ってきたから安心しろって。メールでも送れたのに。」


「まーそういうなって、お前にも久しぶりに会いたかったし。」


「"も"ってなんだよー。」


「まあまあ、で?」


「ほれ、どうぞ。」



以下 北欧在住女性から送られてきた文章


私の名前は有田真理子です。現在32歳。A型。身長は173cm、足のサイズは26cm。身長は昔から大きくて、幼稚園の時からすでに並ぶ順番は一番後ろです。現在は、大学時代に短期留学していた、北欧、スウェーデンに住んでいます。ちなみに夫はスウェーデン人です。


知り合いのレストランを手伝っています。あまり健康体じゃないのが悩みです。と言っても生死に関わる大病を持っているわけではなく、肩こり、腰痛に常に悩まされていました。10代の頃から肩こり、首痛からくる頭痛があり、頭痛薬は手放せない存在でした。痛い部分の首の後ろがなくなればいいのにと、実際無くなったらもっと困るなんて事も考えず、よく思ってました。前に一度口に出して言ってしまったときには、実際なくなったら、頭を支えきれなくなって、もっと痛くなるよ、むしろもっと筋肉つけなって言われて、納得しました。それからは寝る前に毎日首の運動してます。

現在は1か月に一度はカイロプラクティックに通っています。カイロプラクティックの先生には姿勢が悪いと注意されます。少し大げさですが、例えると、ゴリラのように顔が前に出ているとのこと。そのため頭の重さを首が支えきれず、首への負担が増え、首が痛くなるとのこと。骨盤は開きすぎていて、その結果、本人はまっすぐ立っているつもりでも、ふくらはぎや膝がついていなくて、周りから見ると足が真っ直ぐじゃない状態です。スウェーデンで曲がってる足の人はあんまりいないので、先生から見ても不思議なのかも。それにしてもなんで私の体ってこうなんだろう。


実は私結構凝り性で、一度気になったら、とことん追及したくなるタイプ。私の体の謎。頭痛、首痛、肩こり、腰痛、外反母趾。そして、沢山できたニキビ。おまけに胃腸も悪いです。


私の夫は超健康体。近くに良い例があったため、ネットや本で調べる他に、実際に、悪い例の私、良い例の夫で比べることができました。夫は頭痛なし、首痛なし、肩こりなし、腰痛なし、外反母趾なし。ニキビもなくて、胃腸も丈夫です。


調べていくとやはり、私の不調の原因は姿勢の悪さ。そこまでは大体わかってました。しかし、そこに様々な原因が潜んでいようとは。よく言われるように、ほんとに体って全部繋がってるんですね。足は外反母趾で土踏まずがなく、浮指です。それに加えて骨盤が前に出ています。そして肩が内向きになっている、巻き肩です。そしてバランスを取るために、顎が前にでてしまっています。これって遺伝?いやいや、赤ちゃんからこうではないよなー、と思い、こうなってしまった原因を探っていくと、やはりいろいろと見つかりました。まず結論から言いますと、


"知識不足(私の幼児期は親には失礼ながら親の知識かもしれませんが) 、そして私の弱さ"


でした。


弱さって少し抽象的ですが、私の場合は周りの人と違う事、目立つ事を避けようとしていました。つまり周りの人の目をとても気にする人間(子ども、学生時代はさらにそうでした)でした。


もしかしたら、こういう風に思うのはスウェーデンに住むことで、いろいろな事に対しての私の見方が変わったのかもしれません。


知識不足に関しては、私は子供のころから、よく床に座っていました。学校、習い事、自宅、友人宅、しかも、足は延ばさず、曲げていました。正座、体育座り、斜め座り、挙句の果てにはおっちゃんこ座りまでです。小さい頃からこういった習慣で、むしろ骨盤が歪まない方がおかしい行動をすごい勢いで行っていました。

ヨーロッパやアメリカではしゃごむ事が出来ない人も多いみたいです。実際にその場面に出くわすことは、そんなにありませんが、私も何度かその場面に出くわしました。私がしゃごんでいると、不思議そうにまねをして、どうしてそんなことができるのかと聞かれた覚えがあります。おっちゃんこ座りもできない人が多いと思います。床に座る機会がないので、骨盤がゆがむ行動と言えば、必然的に足を組むぐらいしか、ないようです。それでも全員が完璧にまっすぐではないようですが、お尻が垂れている人や、膝がつかない人はかなり少ないと思います。(骨盤が前に傾くと、お尻が垂れるようです)


私の弱さに関しては、大部分で私の身長が日本での女性の平均身長を大幅に超えている事、私の足の大きさが日本の女性の平均サイズを大幅に超えていること、そして第一には、私が周りの目を気にする性格であり、人と異なるということに、コンプレックスを持つ性格だったという事です。


私の身長と足のサイズは子供の頃から常に大きく、少し大きいぐらいではなく、一番大きいほどでした。

今だから言える事ですが、当時から私がそれ以降に体験する体調不良の数々を予測できていたならば、こんな事は絶対にしなかったという行動をしていました。


しかしながら、実を言いますと、体調不良の予測だけでは、実際に後でどんなにつらいかわかっていても、周りの目を気にする事、自分で勝手に作っているコンプレックス(なぜか脳に宿った洗脳っぽいもの)を克服できていたかは自信がありません。やはり、もしもスウェーデンの暮らしをした後の私の脳、メンタルがあった場合としておきます。


私は小学生のころから、あえて自分の足のサイズより小さい靴を履いていました。両親に買ってもらえなかったからなどの理由ではなく、当時の日本では子供靴のサイズが私の足に合うものがなかったのです。そして、私は大人の靴を履くという選択もせず、無理に子供靴を履いていました。今思うとなぜ大人の靴を履くという選択肢を取らなかったのかと思いますが、やはり、小さな靴を履くと外反母趾や浮指の原因になるという知識が不足していたことに加え、周りの人と違う事をしたくないという思い、大きな足へのコンプレックスがあったのだと思います。


そして、この靴についての行動は中学、高校になると、大人の女性靴でも私の足に合うサイズがなく、またもや、小さな靴を無理して履くという行動に繋がりました。身長についてコンプレックスがあったため、ヒールなどはまず履きませんでした。外反母趾になってしまった理由は、骨盤の歪みに加え、この辺りにあったのだと予想されます。


中学時代にも、知識不足、自信のなさ、そして周りの人の目を気にするという性格のため、私は今考えるととてもおかしな行動に出ていました。なんと無謀にも身長を小さくしようと試みていたのです。ある時には、体育館での集会で、一番後ろに並ぶのが嫌だったこと、目立つことが嫌だった事があり、足を短くしようと試みていたことがあります。わざと姿勢を悪くし、休みの姿勢で片足をできるだけ曲げ、全体的にできるだけ斜めに立ち身長を縮ませ、身長が高い事を目立たなくしよう試みていました。その結果、骨盤はさらに歪み、足の根本の関節も飛び出し、O脚になり、横に広がったため、おおそらく見た目的には少しは短くなりました。


ある時は、席替えのくじ引きで一番前の席になった時でした。私の身長で一番前、毎日の最大の課題はどうやって座高を低くするかでした。その結果、あみ出した施策は、できるだけ浅く座り、上半身を斜めにすることでした。その結果頭だけは前に飛びださざる負えなくなり、今考えるとゴリラのようになっていたと思います。まさにカイロプラクティックの先生から指摘されたことは、自業自得で、自分で作り出していました。知識不足、自信のなさ、そして周りの人の目を気にするという性格がゆえに。

そして、首の痛み、頭痛はすでにその頃から発症しました。片頭痛になり、保健室で吐いてしまうこともありました。今思えば、あれだけ、無理な姿勢で座っていて、首に負担をかけていてれば、当然だった気がします。


私は学生時代からなぜか、胃腸も弱かったです。これについては遺伝かとも思い、対策はない物だと思っていましたが、実はまたもや知識不足でした。北欧ではアレルギーテストをたくさんの人が受けていて、子供のころから、ちょっとした不調でも、アレルギーを疑います。もちろん、テストで少しでも反応したものはとらないように気を付けます。たとえ、口がピリピリしたり、かゆくなったり、少し調子が悪くなる程度でも、アレルギーはアレルギーなためです。当時、私のまわりでは目に見える症状、肌に湿疹ができたり、息が苦しくなったりなど、がなければ、あまりアレルギーとは思っていなかったようでした。しかしながら、微弱なアレルギーというものもあり、食べると、胃腸の調子が悪くなって、少しおなかが緩くなったりと、その程度のアレルギーもあるらしいので、アレルギーだった確率は十分にあり得ます。アレルギーの可能性に加え、歪みからくる胃腸の不調も考えられます。生理痛なども骨盤が歪んでいるとおきやすいらしいです。


当時はなぜか、学校でトイレに長くいる事や、授業中にトイレに立つのは恥ずかしいと認識されており、またもや私の自信のなさや、弱さのせいで、人の目を気にしてしまい、それがストレスになり、さらに腹痛がやってくるという、悪循環でした。


ニキビについてですが、学生時代から、きつい頭痛薬、胃腸薬を飲んでいたため、大きなニキビが沢山できていました。やはり、飲むとできるの繰り返しでしたが、飲まざる負えない感じでした。やはり、当時は知識不足、人の目を気にしていたりで、とにかく周りの人に迷惑をかけないように、変わっていると思われないように、と行動するのに必死で、体調が悪いならば家で休養をとればよい、カイロプラクティックにいけばよい、マッサージに行けばよい、という方向には向かず、自分の体の事はお構いなしで、目の前の事はだけ考え、一時しのぎの行動をとっていました。


しかしそれらにおいても、元をたどれば、姿勢が悪いことが原因ということになります。



今は、おかげさまで、頭痛薬は全くと言うほど飲んでいません。ニキビもほとんど出てないです。肩こり、首痛はありますが、薬なしでも大丈夫なので、以前とは比べ物にならないほど、向上していると思います。カイロプラクティックに月1で行っています。どうにか外反母趾を直そうと包帯巻いています。ちなみに外反母趾は関節が緩んでいるので、包帯でしめるといいようです。これで大分、姿勢が改善したと思います。同時に浮指も改善されてきました。開脚ストレッチをして、骨盤をしめるようにしています。これで、膝と膝の間も狭まってきました。加えて、スニーカーにはインソールを入れています。土踏まずづくりです。コンピュータを使う際は、姿勢が良くなる椅子を使っています。毎晩、寝る前にストレッチをやっています。夫が毎晩15分ほどマッサージをしてくれます。



みんなと一緒ってそんなに必要な事なのかと、


いろいろと調べて、経験し、考えた結果、私の結論は


"No"


です。


"みんなと一緒"  ではなく  "自分の健康" が大事です。


実際問題、学校で自分だけ体育座りしないのとか無理じゃん、と少しは思いますが、今の脳なら休むかどうかして、避けます。なぜなら、後々どうなるのか知っていて、人の目を気にする事と、自分の健康どちらが大事かわかるからです。


背が高いコンプレックスについては、例えば誰かが、

"背が高いのっていいじゃん、羨ましい"

と言ってくれたとしても、私自信が自分に自信がなく、人の目を気にする人間である限り、素直に受け取ることはできないです。なぜなら、私が、日本の平均身長より大幅に背が高い事は事実であり、全員が目立つことは良い事、高身長が良いと思っているわけではないからです。私がそちらの意見へ注目する限りは、私の中でコンプレックスは消えないです。


例えば、足が大きい場合は羨ましと思ってくれる人は、あまりいないと思います。


そのため、この問題を解決するには、この一部の出来事のみへではなく、自分自身が、周りの人目を気にするよりも、自分にとって何が一番大切かを知り、尚且つそれを行動に移せる人間、そういう人になる事かなと。


そして、この場合、私が人の目を気にしないで行動したとしても、実際には誰にも迷惑かけることはなかったです。例えば、私が体育館での集会にでなくても、誰にも迷惑はかけなかったです。私が大きな靴を履いても誰にも迷惑かからなかったです。私がクラスで一番前に座らなくても、誰にも迷惑かけなかったです。むしろ座ったほうが迷惑をかけていました。私が授業中にトイレに立っても誰にも迷惑かからないです。(実際は少し音がしますが、それは仕方ないです)私がアレルギーテストを受けても誰にも迷惑かからなかったです。


大体のことは、きちんとした理由もないのにとっていた行動でした。そしてその結果、将来の健康体という、大変貴重なものを犠牲にしていました。


後の祭りではありますが、これからは、"必要な事"はやっていく、そして、"いらない行動"はしない事も重要だという事を学びました。




「ふーん。まーわからんでもないなー。正直、俺も結構こんな感じだったかも。身長低いから、逆だったたけど。無理して大きいサイズの靴履くとか、笑」


「笑、そうかー?お前全然コンプレックスあるようには見えなかったけどなー。」


「そりゃあねー。あの頃は多少いじめとかあったって、親にも言えなかったもんなー。なんでだろー。それこそプライドっていうか、自分でも認めたくないっていうか、知られたら家の中の自分の居場所までなくなるっていうか。なんか説明難しいけど。」


「あー、でもそれわかる気がする、友達はもちろん親でさえも、条件付きで認められてるっていうか、俺自体っていうより、条件付き俺にだからこそ居場所があるっていうか、人間ってだけじゃ価値が認められないっていうか。」


「そうそう。まー実際ほんとに親とか友達がそう思ってたのかはわかんないけどね。俺まだ親になってないし。」


「考えてみると、正直、自分もそういうとこあるかも。例えば、やっぱ俺も娘が学校で他の人と違うことすると、心配しちゃうかも。もし、床に座ると姿勢が悪くなるから、学校の集会でないとか言い出したりしたら。他の人と違う事して、先生とか友達にいじめられたらどうしようとか思っちゃう。」


「まーねー。でも将来不健康で毎日つらくなるぐらいなら、いじめられても、健康体を選んだ方が自分にとって幸せだって言われたりすると、なんも言えなくない?」


「んー。そう考えると、俺自身、大人になっても人の目とか気にしてるのかも、もし娘がいじめられて、学校行かなくなっっちゃったら、大変だし。俺自身も、面倒っていうか。システム自体変えられるならいいけど、どうせ変えられないし、それならそこで我慢して、卒業して、無難に就職してくれーって思っちゃうかも。将来的に体が辛くなったって、周りもみんなそうなんだから、それぐらい我慢してよって。実際、俺が娘の事一生食べさす自信ないし。それこそ女の子だから誰かいい人見つけてくれたらいいけど、学校も卒業してないとか、引きこもりって感じだし。そんなんだったら、いい人いるわけないしねー。あ、そうすると、やっぱ俺、引きこもりの娘とか認めたくないかも。条件つきだわ。

というか、むしろ留学とかしちゃうとそういうことリアルにわかって、良くないかもね。他の国の様子とか知らなきゃ知らないでいいのに。笑」


「おーい、それはないだろー親父さんー!笑」


「笑、まーそれは冗談としても、やっぱ、人の事はどうとでも言えるけど、現実問題、自分に降りかかってくると、人の目を気にするより、自分で大切な事をわかってしかも行動するって結構な難関かも。やっぱ周りと比べたりしちゃうよなー。」


「ん、結構深いねー。よし飲みに行こ―!」


「賛成!」



















あとがき


そのあとも俺たちは度々、この事について話すが、未だに、きちんとした結論はでない。

でも、俺の考え方や行動は少しずつ変化している。

娘は素直で良い子だが、以前はなんていうか、娘に対して、もっともっとと、求めすぎていた気がする。

しかも、俺の考えを基準にした、"上のランクなるもの"、を押し付けていた。それこそゴールなく走ってるというように。上に行けるのに行かないなんて、求めないなんて損する気がしてた。


最近では、娘への期待が少し弱まった、とはいっても、悪い意味ではなく、娘を信用してるというか、娘を私の人生に巻き込んでいないというか。なんだか、彼女ものびのびやっているみたいだ。特に何も言わなくても自分から興味があることを見つけて、知識を得たりしているようだ。割り切るのはなかなか難しいが、周りと比べるのをやめると、私自身のストレスも大分減ったようで、なんだか、毎日朝からワクワクしている。最近はプログラミングなんて趣味もできて、趣味と思ってやっていたら、これがなかなか楽しくて、はまってしまい、海外の知人から、システム作り等を頼まれて、結構な報酬までもらってしまっている。楽しみながら、しかも感謝されて、報酬もある事ってあるんだなと、最近はしみじみと感じている。


私自身の環境が変わると、娘への考え方も結構変わってしまったようだ。以前は何を恐れていたのか、生きるために我慢しなければ、等と本気で考えいたことがずっと遠く昔のようだ。現実的には、世界の中で明らかに恵まれている環境の、現在の日本では、生命を維持する事自体はまったく難しい事ではない。今ならわかる。ようは、自分自身のマインドの問題だ。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 私も少し前まで他者の目を極端に気にしていたので、共感しました。 [一言] 仮に我々が同じ性別、身長体重、顔の形、持病がないという条件で生まれてきたならば、みんなと同じと言えるかもしれない。…
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