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リリアム、膝枕をする

「もう、いいからセシルは少し休みなさい。10歳児は睡眠を取らないと大きくなれませんよ。」

まだ宵の口だが、セシルは疲れているようだ。

天使の顔にうっすら隈がある。隈がある10歳ってどうなの?夜ちゃんと寝てるのかな?


「眠る時間が勿体ないな。リリアムと一緒にいるのに。」

10歳児の言葉が気に入らないのか、10歳とは思えない色気で語りかける。


「もう!いいから寝なさい!」

わたしは顔が赤くなるのを自覚しながら、セシルの頭を自分の膝に誘う。


「リリアムの膝枕が一番落ち着きます。ずっと寝てたいですね。」

セシルはわたしの膝枕がお気に入りのようで、膝枕をするといつの間にか寝てしまう。


寝てしまったセシルをどうするか…。勿論、わたしがセシルの寝室まで運びますよ。

10歳の男の子だと運ぶのはちょっと無理だけど、セシルは大丈夫。


数分後、わたしの膝の上には…。にゃんこ、いや獅子の子がいる。セシルは獅子の王に愛された不動の王の子孫。セシルもまた獅子の王に愛されたのだ。限られた人しか知らない秘密…。


獅子の姿で産まれ、実権のない王の子供として、地位の危ういセシルがシューエン国でどう育ったのかは知らないが、気の休まる日はなかったはずだ。

父様は獅子の王に愛されたセシルを保護し、成人するまで育てる覚悟である。しかし、セシルが父様の及第点に届かないなら、父様は見限るであろう。父様もまた統治者としては残酷な一面がある。顔だけのお人形には興味がない。

そう言った意味でも、セシルは日々の課題に気が抜けない。毎晩遅くまで頑張っている。


そんなセシルがわたしの前ではくつろぎ、獅子の姿で膝の上で丸くなる。口元をなでると甘噛みしてくる。いつもは生意気だが、眠る姿はとても可愛らしい。



まだ、10歳。子供らしく甘えることも出来なかったであろうセシル。ゆっくり大人になればいい。


セシルの部屋は花の館の近くにある。元々後宮であった場所を父様が改装しセシルの部屋を作ったのだ。誰にも会わないようにセシルを部屋へと運ぶ。





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