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リリアム、セシルと共に

「駄目だ!リリアムは俺と一緒に帰る。」

父様にセシルと一緒に残ることを伝えるとダメ出しをされた。


「まだ早い。セシルは11歳になったばかりで、国も安定していないのにリリアムを置いておけない。そんなに急がなくても婚約だけしてセシルが婚姻できる18までリリアムはアムールノ国に居ればいいじゃないか。」

父様は正論を言って美しい顔を歪める。確かに父様は正しい。


「父様は正しいわ。でもわたしはセシルを側で支えたいの。だってセシルはまだ子供なのに、一国を背負わないといけないのよ。」


「セシルなら大丈夫だ。何せ王弟を失脚させるために、宰相に裏から手を回して王弟を唆し、噂好きの侍女に自分が紛れ込んでいると情報を流し、王弟に自分の居場所をそれとなく予想させて裏山に誘い込んだくらいには腹黒いからな。」


わたしは驚き隣のセシルを見ると、セシルはなに食わぬ顔をしている。


「ロゼアム陛下。実はビオラ様から陛下から反対されたときのためにと手紙を預かってきました。」

セシルはポケットから、アムールノ国の紋章が入った手紙を取り出した。父様に渡すと手紙を開け読み上げる。


『ロゼアム、いい加減に子離れしないと嫌われますわよ。わたくしが慰めてあげますから早く帰ってくださいまし。』

読み終えると手紙を抱き締める父様。


「ビオラ…。ビオラに会いたい!しょうがないから二人で頑張るのだぞ。俺は帰が、リリアム3日に一度は手紙を書くのだぞ。あと1ヶ月に1回は帰ってくること。」

さすが母様。父様の扱いに慣れている。父様が1週間も母様と離れるなんて異常だもの。会いたいのを我慢している所に早く帰ってきてと追い討ち。


父様は慌ただしく帰国の準備を整えた。見送るわたしたちを抱き寄せる。


「セシル、リリアムを頼んだぞ。リリアムしっかりな。」

父様はわたしとセシルの頬にキスをして別れを告げた。






それから瞬く間に時は過ぎ…


綺麗に手入れされた裏山の広場。陽だまりの中、波打つ黒髪の紫色の瞳を持つ女性は、大きな獅子に寄り添っていた。


大きな獅子の背中や女性の膝の上には獅子の子供たちの姿があった。


時折寝返りをする我が子をお互いに愛しそうに見つめる。


紫の瞳の乙女は愛する者の側でいつまでも幸せに暮らしました。











本文は完結しました。

大人になったセシルとの番外編を書く予定です。

拙い文章でしたが、皆さんに少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。応援ありがとうございました。

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