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リリアム、噂話を聞く

さて、セシルはどこにいるのだろうか。

まず、選択肢はいくつかある。


①アゼル王弟を監視する

②シューエン国王の無事を確かめる

③戴冠式まで動かない


うーん。セシルだったら③かな。戴冠式へは必ずアゼル王弟もシューエン国王も出席するはず。

それに、他国の王族や代表者も出席するはずだから、セシルが現れたとしても下手なことは出来ないからね。


それなら、あと2日の猶予がある。わたしは廊下を颯爽と歩きながら窓から警備態勢を確認する。さすがに隙はなさそうだ。


まぁ、普通の人間相手の場合ですけどね。


ちょっとだけ、ハイスペックな母様と父様に仕込まれたわたしは警備の網を潜り抜け、食堂へと向かう。情報が欲しい。情報といったらまずは食堂の無駄口だろう。


「すみません、ここ空いてますか?」

わたしはトレイを手に持ち、新人風情の女性のグループに話しかける。ベテランだと口を割らない可能性が高い。その点、この新人達らは先ほどからおしゃべりが止まらず、噂話も好きそうだ。


「ええ、空いてるわ。でもあなた見ない顔ね。」

グループの一人が話しかける。


「臨時なもので、戴冠式の前後だけ急遽働いてます。」

席に座り、ランチの鶏肉を切り分ける。

「あら、それならあの噂って本当だったのかしら?」


「噂って何ですか?」

鶏肉を口に運びながら尋ねる。うん。この鶏肉は美味しい。塩コショウのシンプルな味付けだが、ニンニクを油で焦げないように炒め、香りを付け皮がパリッとなるまで油をかけてソテーしている。肉を切ると肉汁が出てくる。付け合わせはサワーキャベツで鶏肉の後の口をさっぱりしてくれる。しかもレッドオニオンも加えて彩りがよい。……いや、鶏肉を味わっている場合じゃなかった。情報、情報。


「あなた見たいに臨時に手伝いをしてくれる人の中にセシル王子がいるのではないなって噂になってるのよ。」


「セシル王子ですか?」


「大きな声じゃ言えないけど、アゼル新国王へ反乱を起こすのではないかって噂。セシル王子は冷遇されてた上、王の座も奪われるのよ。そもそも生母である亡き王妃のお墓だって、代々のお墓ではなく、裏山にあるのよ。」


王妃の墓が裏山?わたしは口元をナプキンで拭き立ち上がる。

裏山にセシルがいる可能性が高い。

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