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第六十一話 上級鍛冶職人

◆第四の試練

今までの部屋に比べて小さいものの、色々な素材が赤い枠の中に並べられていた。


「ここでは、作成した物の品質を確認します。枠内にある素材のみを使い、何かを造りなさい。出来上がった物は、奥のケースに入れなさい」


「おっ? 鍛冶屋っぽい試練が来たな。普通に石の剣とかで良いのかな?」

直哉は、スキルを発動し石の剣を造り出した。

「よし、会心の出来だな」

メガネを取り出し鑑定すると、『石の剣+5』となっていた。

(俺が現在造る事の出来る最上位の補正値が付いたな)

直哉が石の剣+5をケースの中に入れると、ケースの中身がスキャンされはじめた。


「あなたは、本当に面白いですね」

ルグニアから思いも寄らない言葉が出てきたので、

「あれ? 何か変ですか?」

「合否で言えば、合格です」

直哉はホッとして、

「では、何が変だったのでしょうか?」


「今までの鍛冶職人で、石の剣を試練で出した人は居ませんでした。しかもこのランクの石の剣を造るという事は、そうとう石の剣を造ってきたのですね」

「はい。鍛冶職人になって最初に造ったのが石の剣でした。思い入れはそこまでないですが、これが一番の本数を造ったのは間違いないですね」

「なるほど。わかりました。それでは、最後の試練の間へ進んで下さい」

「はい」




◆第五の試練


最後の間は、第一の間と同じ様な広さがあるが、それ以上は何も無い空間が広がっていた。

「あれ? 何も無いぞ?」

直哉が首をかしげていると、


「最終試練です。貴方のオリジナルな物を造りなさい」


「今まで以上に、ザックリしていますね。オリジナルって、これでも良いのかな?」

直哉はリリに造った、盾を取り出した。

「これが盾ですか?」

ルグニアは驚いていた。

「はい。突撃タイプの盾ですね」


ルグニアが確認すると、

「確かに盾のカテゴリーになっていますね。しかも、突撃用という事は攻撃用に開発したという事ですか?」

「いえ、あくまで防御用に造りました。表面に魔法が効きにくい素材を大量に使っているので、相手の魔法を反らしながら突撃する事が出来ます。現在の難点としては、この盾を使える者が小さくて、盾を装備すると、前が見えなくなってしまうという事ですかね。それも、宝物庫にあったポリカーボネートで解決する予定です」

「なるほど、そうでしたか。中々に面白い」

「ありがとうございます」

直哉は礼を言った。


「最終試練も合格です。これで、全ての試練が終了しました」

ルグニアの声に、


「呆気なかったですね」

直哉は素直な感想を述べた。

「鍛冶職人の試練ですから、こんなものですよ」


「そういえば、地下迷宮とかモンスターの巣窟と言うのは無いのですか?」

ルグニアは驚いた表情で、

「如何してそのことを?」

「前の国王様がそう仰っていたと聞きました」

ルグニアは納得したようで、

「なるほど、貴方は国王に近いものと、話すことが出来る者なのですね。個人的に興味がわいてきましたよ」

ルグニアは直哉に興味を示した。


「この部屋の更に下に、私の身体が埋葬されている墓地があります。そこへ通じる道が地下迷宮となっています」

「なんで、そんな事に?」

直哉は当然の疑問をぶつけた。


「私の身体は特殊だったため、死後このルグニアの繁栄のために、システムの一部として組み込まれました」

「システムの一部?」

「鍛冶職人たちの先駆けとして、鍛冶の技術を継承していく事が出来るようになりました」

「それは、資格があれば誰にでも出来る事なのでは?」

「もちろんです。ですが、その有資格者が同時に消滅した場合の保険ですね。今回の直哉さんの場合のように、上級鍛冶職人にランクアップする事の出来る職人が居ない時代が来るのですよ。その対策の一環ですね」

「今回の俺のようにですか?」

「そういうことです」


直哉は何か引っかかりを覚えたが、明確には出てこなかったので、

「わかりました。それで、どうすれば良いのでしょうか?」

「そこの扉に入って下さい。そこでランクアップ作業を行います」




◆ランクアップの間


最後の部屋は、最初の狭い部屋のような部屋で、正面に何かの機械とコンソール、そして扉があった。


「それでは、ランクアップ作業をしますので、プレートを機械の中央にあるスキャン部分へ置いてください」

直哉がプレートを置くと、スキャンが開始された。

「これは! 貴方は漂流者なのですか?」

直哉は驚いた。

「なぜ、そのことを!」

「プレートの情報に、読み取れない部分が多すぎます」

直哉は首をかしげながら、

「いままでは、そのような事を言われた事がないのですが、貴方は一体何者なのですか?」


「私は、システムの一部となり、この世界の根幹にアクセスする権利を得ました。そのデータベースから情報を提供して貰えるのですよ。あなた方のプレートはアクセスキーという事です。その鍵を使ってあなた方の情報を世界の根幹から情報を供給して貰い、必要な部分を更新するのが私の仕事なのです」

直哉は驚きながら、

「では、私がこの世界に来た原因がわかるのですか? そして、帰る方法が判るのであれば教えて欲しいです」


ルグニアは黙って何かをしていたようだが、

「残念ですが、情報は開示されませんでした。私よりも上位の管理者であればもっと知る事が出来る可能性があります」

直哉ががっかりしていると、

「バルグフルにも管理者は居ますよ。各地方に一名は必ず管理者がいるので」

「そうなんですか? でも、誰だろう?」

直哉が考えていると、

「恐らく、何か知っているはずです。バルグフルは、漂流者が溜まりやすい場所なので、上位の管理者が配属されているはずですから」

「なるほど」



直哉は情報を整理した。

「つまり、この世界には世界そのものを管理する、『システム』が存在して、それがこの世界の全ての事象を管理しているが、それを見るためには許可が居るという事ですか?」

「大雑把に言えば、そう言う事になります」

(フムム。これは、なかなか有力な情報だぞ)

「そのシステムは俺でもアクセス出来ますか?」

直哉は、切り込んで聞いてみた。

「貴方のシステムタブに《管理者に通報する》という項目があるはず、それがアクセス権限ですね」


直哉は、言われた通り触ってみたが、やはり、初日に見た時と同じくグレーになったままであった。

「そこは、グレーのままですね」

「残念ですが、アクセス権限は無いようです」

「どうしたら、アクセス権限は貰えるのでしょうか?」

直哉の質問に、

「私も、死んだ後で、システムへ捧げられたので詳しくは判りません」

「そうでしたよね。フムム」



「とりあえず、上級鍛冶職人への書き換えが終了しました。新たなスキルが発現したり、上位スキルを覚えたりする事が出来ます。また、一定以上の経験を積むと、最上級の職業へクラスチェンジする権利を得ます。そうしたら、私の元へ来て下さい。試練を行いますので。ですが、今は、新しい職業をしっかりと堪能して下さい」

「はい。わかりました」


「そういえば、貴方は上級鍛冶職人として、何をやるのですか?」

ルグニアは興味本位で聞いてみた。

「俺は、このルグニアに大きな鍛冶場を建設したいです。まぁ、現国王のアシュリー様の許可と全国民の許可が必要ですが」

「そうでしたか、それは素晴らしい事です。是非実現できることを祈っています」

「ありがとうございます」


「それでは、上級鍛冶職人直哉よ、このルグニアのため、そして、この世界のために、その力を行使する事を祈っています」

ルグニアに釘を刺されながら、試練の間を後にした。




◆宝物庫


直哉は上級鍛冶職人になりはじめの一歩を踏み出した。

「あー、お兄ちゃんが帰って来たの!」

「直哉様!」

「直哉!」

次々と直哉の胸に飛び込んでくる嫁たち。

「ただいま!」

「どうだったのじゃ?」

エリザの質問に、

「無事に、上級鍛冶職人になりました!」


そう言って、皆を安心させた。


「と、言うことは、バルグフルに帰るの?」

リリの質問に、

「いや、まだ帰らないよ、レッドムーンの件にカタをつけてからじゃないと、後味が悪すぎるよ」

と言う直哉に、エリザは安心した。

「さて、屋敷に帰って新しい職業をチェックしますか」

直哉達は帰路についた。

帰りに、アシュリーの所に上級職になったこと、レッドムーンの件の協力、宝物庫の鍵の使用方法を教えて、鍵を返した。



◆直哉の屋敷


「ただいま戻りました」

「ただいまなのー」

「お帰りなさいませ。伯爵様、皆様方」

挨拶を済ませ、みんな思い思いの場所へ移動した。

直哉とリリとラリーナは風呂へ、フィリアとエリザとマーリカは一階でくつろいでいた。

直哉は湯船に浸かりながら自分のステータスを眺めていた。


ステータス画面


ナオヤ

上級鍛冶職人

冒険者ランク2

Lv:25

最大HP:190+200

最大MP:300+200+500(魔畜棺)


力:25+20

体力:25+20

知力:60+40

素早さ:20

器用さ:20

運:20+10


ボーナス 0

スキルポイント 53


スキル

戦士系:6

○縦斬りLv5

○横斬りLv5

○リジェネLv1

○得意武器(片手剣:Lv4)

 四連撃Lv4

 盾攻撃Lv2

 急所攻撃Lv3

 ×の字斬りLv3

魔術師系:0

○魔力吸収Lv1

商人系:0

○目利きLv1

鍛冶系:12

 武具作成Lv5

 アクセサリ作成Lv3

 大工Lv5

 冶金Lv5

 精錬Lv5

 アイテム作成Lv5

 武具修理Lv4

 アクセサリ修理Lv1

 家具修理Lv3

 リフォームLv3

 リサイクルLv3

 魔法石作成Lv3

 魔法の武具作成Lv2

 魔道具作成Lv2

 鉱石変化Lv1

サイボーグ系:5

 疑似四肢作成Lv5

 疑似臓器作成Lv1

 疑似部位連携Lv5

 疑似四肢修理Lv1

 マリオネットLv5(MP補正:+50 知力補正:+5)

 操り糸強化Lv3



(新しいスキルは、鍛冶系スキルが追加になったな)


スキル名(消費スキルポイント)(前:前提条件)

鍛冶系スキル

 鍛冶技術向上(50)(前:武具作成Lv10、アイテム作成Lv10、アクセサリ作成Lv10)

 特殊アイテム作成(50)(前:魔法石作成Lv5、魔法の武具作成Lv8、魔道具作成Lv8)

 神器作成(100)(前:魔法石作成Lv10、魔法の武具作成Lv10、魔道具作成Lv10、鉱石変化Lv10、特殊アイテム作成Lv5)

 

(・・・・・なんか消費スキルポイントが恐ろしいことになってるな。それと、神器作成か。つか、前提がおかしいことになってるな。これ以外にも何か出てきそうだし)


直哉は思考を切り上げ、

「よし! やれることからやっていこう」

直哉が風呂から上がり、一階に降りていくと、食事の用意が出来ていた。

直哉が教えた餃子もどきや、焼きそばもどき、ブーブー角煮バーガーや、米の食感に近い穀物のチャーハンなどの、中華風晩御飯を堪能していた。


ご飯が終わると、

「お兄ちゃん! 鍛練したいの。今日は運動不足なの」

リリがやる気なので、

「わかった、他にも鍛練したい人は居る? 一人でも良いし、集団戦でも良いよ」

そう呼びかけると、フィリア・ラリーナ・エリザ・マーリカに加え、ジンゴロウも加わった。


リリ達が準備運動をしている時に、マーリカとジンゴロウの力を図るべく直哉が打ち合っていた。

「フン! フン! フン!」

ジンゴロウは見た目通りのパワーファイターで、何度防がれようとガンガン斧を振り回してきた。

(ふむ、この力があるならこの屋敷の防衛の要になってくれそうだな)

全ての攻撃を完全に防いだ直哉は、

「この位ですかね? つぎはマーリカの番だね」

ジンゴロウはまだ撃ち足りないようであったが、自分の攻撃をここまで受けきった人物ははじめてだったので、非常に驚いていた。


「伯爵様。おいどんの攻撃はどうでしたか?」

「強かったですよ。これからの鍛練でもっと強くなりますね」

「そうですか。本当に伯爵様はお強いのですね。おいどんの攻撃を避ける人は多かったのですが、完全に防御し続けたのは伯爵様だけです」

「まぁ、強打に対する防御もバルグフルで叩き込まれたので、何とかなりましたよ」

直哉は、ゴンゾーとリカードの事を思い出していた。


「ご主人様、準備が出来ました」

そこには、真っ黒な忍び衣装を纏ったマーリカがいた。

「よし、何処からでもかかっておいで」

直哉が剣と盾を持ち直して、マーリカと対峙した。

その瞬間、マーリカの姿がフッと消えた。

「そこ!」

直哉が不意に右手に装備していた剣[練習用]で横斬りを放った。

ガキン!


「くっ!」

一撃必殺の攻撃を防がれ、距離を取るために後方へ飛んだ。

「うりゃ!」

直哉は、着地の隙を突くために追いかけようとしたが、

「おっと!」

それを読んでいたマーリカの棒手裏剣が降り注いだ。

「ここまで飛ばせるのか」

直哉は、物凄い量の棒手裏剣とマーリカを目で追いながら、盾で棒手裏剣をはじき返して、目線が盾で隠れそうな攻撃は剣ではじき返していた。


マーリカはこの攻撃では、直哉を止められないと思い、懐から煙幕弾を取りだし地面に叩き付けた。

「ここで、さらに目くらましか」

そう言って、直哉はマリオネットを発動させ、罠を配置し、気配を感じる方向へ切り替えた。



時としては数秒、感覚にしたら長い時間、膠着状態が続いたが、煙幕の中からマーリカの声で、

「えっ?」

という声が聞こえた後、

「これは、罠!」

と言う声が聞こえてきた。

煙幕が晴れると、直哉が立っていたところに、案山子(人型の模型)が立っていて、その模型に剣を突き刺した状態のまま、案山子と一緒に防衛網で絡め取られたマーリカがいた。


「危なかった。力量を計るどころじゃないよ。もう普通に戦力としてアリでしょ」

直哉は少し離れたところで息を潜めていた。

「凄いの! マーリカやるの! 次はリリと! リリとやるの!」

「あれ以外にも、攻撃方法はあるの?」

直哉は防衛網を解除しながら聞いてみた。

「火遁の術とかの忍術も使えます」

「そこまで凄いのに、何に怯えるのかな?」

「私にも良くわからないのです」


直哉は情報を整理すると、

「リリとフィリアは俺と鍛練、エリザとジンゴロウは基本の型から、ラリーナはマーリカと鍛練を」

「えー、リリがやりたい」

「いや、ラリーナはマーリカの攻撃を無効化しつつ、殺気をぶつけて。マーリカは殺気の中でも攻撃出来るように。エリザとジンゴロウは基本を身体で覚えてください。そして、リリとフィリアは俺の相手をしてくれ」

「わかったの、お兄ちゃんとやるの」

「承知いたしました」

「やってみるよ」

「わかったのじゃ」

「やってみよう」

「ラリーナ様、よろしくお願いします」

直哉は基本の型を二人に教えた後、リリとフィリアとの鍛練に挑んだ。

その傍では、マーリカがラリーナの殺気を受けて、怯え始める身体を叱咤しながら鍛練を続けていた。


「さて、二人とも準備は良いかい?」

「本気で行くの!」

「全力で行きます!」

直哉は開始の合図を送った。


二人は膨大な魔力を込めていった。

「大気に宿る風の精霊たちよ! 我が魔力と共に立ちはだかる敵を吹き飛ばせ!」

「天より来たりし光の精霊よ、我が魔力にひれ伏しその加護を仲間に与えたまえ!」

(それじゃぁ、俺はマリオネットであちこちに防衛網を仕掛けまくろう。そして、スキル武具作成でこの部屋の高さギリギリの大きな盾を造って、魔法が効きにくい素材と強度を高める素材っと)

「お兄ちゃん覚悟!」

「ディバインプロテクション!」

その時フィリアの光の加護を受け、リリの魔法が炸裂した。

「ストームブロウ!」

リリの手元から膨大な風のエネルギーが吹き荒れた。


(あぶねぇ、間に合った)

直哉は出来上がった盾を前面に展開し防御姿勢を取った。

「でか!」

直哉以外が驚いている中、直哉はリリの魔法を正面から受け止めた。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

それどころか、風の魔法を受け止めたまま、ジリジリとリリ達の方へ進み始めた。


「不味いの!」

「リリ、早く回復を! 援護します」

リリは慌ててMP回復薬を飲み始め、フィリアが牽制のため魔法を詠唱し始めた。

(それじゃぁ、遅いんだよな!)

直哉は盾の角度をずらし、魔法を受け流した。もちろん、受け流した先には誰も居なくなったのを確認してから。

「せぃやぁ!」

完全に魔法が後方へ逸れていった時、フィリアの魔法が完成した。


「天より来たりし光の精霊よ、我が魔力にひれ伏し邪悪なる者に裁きの鉄槌を!」

「エンジェルフィスト!」

無数の光の塊が直哉をおそう。

「せぃ!」

直哉は、巨大な盾をその場に置いて、剣を巧みに使い、光の塊を叩き落としながら、フィリア達に突撃していた。

「てぃ、せぃ、えぃ!」

後方から飛んで来る塊は、新たに取り出した普通サイズの盾で打ち消していった。


「くぅ。流石直哉様! ですが!」

フィリアは光の塊がなくなる前に、新たに魔力を練り始めた。

「天より来たりし光の精霊よ、我が魔力と共に邪悪な敵を封じ込めよ!」

「遅い!」

魔力が上がりきる前に、直哉はフィリアに攻撃を仕掛けた。

ガン!

金属同士がぶつかる音が響き渡り、フィリアの装備していたハンマーが吹き飛んだ。


「まさか!」

直哉は驚いた。詠唱中は動かないフィリアだったが、今回は詠唱しながら、ガードしたのであった。

そして、その隙をついたフィリアは、魔法を発動させた。

「セイントプリズン!」

直哉の周囲に光の壁が出来上がった。

「純粋な力比べですね」

直哉はそう言いながら、盾を前面に押し出して、光の牢獄を押していった。

「ぬぅぅぅぅぅ!」

直哉が力を込めていくと、光の牢獄は段々と変形していき、最終的には光の牢獄は崩壊した。


直哉はそのままの勢いでフィリアに突撃して、剣を突きつけた。

「参りました」

フィリアは降参した。

直哉がリリの方を見ると、直哉の大きな盾を回り込もうとして、防衛網に絡まっていた。

「失敗したの」

「ふぅ。何とかなったか。よし! 休憩しよう!」

そう言って、直哉は一息ついた。

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