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第四十四話 火山 〜後編〜

◆次の日


リカードは眠い目を擦りながら表に出ると、ルナとミシェルが元気に活動していた。

「あっ、王子! おはようございます」

二人と挨拶を交わし、状況を確認すると、

「直哉様達は、隅っこで一緒に寝ています。また、救出した冒険者達は未だ意識が戻りません。ゴンゾー様とラナお姉様は、怪我のせいで体調が優れないそうです」

「デイジーとヘレンは?」

「お二人には朝食になりそうな獲物を捕りに行って貰ってます」

「直哉の容態は?」

「あの空間に入り込む勇気はありません」

リカードとルナが話している間に、ミシェルは馬車に携帯セットが入っていたのでそれを使って簡易竈を作り、お湯を沸かしていた。


「おぉ! それは携帯セット! そういえば、直哉に出会う前はこうやって竈を造るか、携帯用食料で我慢していたんだよな」

リカードはお湯を貰い身体の汚れを拭いていた。そこへ、デイジーは鹿を狩り、ヘレンは山菜を摘んで来て朝食の準備を始めた。

「何か良い匂いがするの」

リリがもぞもぞと起きてきた。

「おはようなの! お肉の焼ける匂いなの!」

「お湯を沸かしてありますので、あちらで顔と身体を拭いてきてください」

リリが何かを思い出したようで、

「そういえば、お兄ちゃんは?」

ラナは呆れ顔で、リリが寝ていたところを指差した。

「あ!」

リリは全てを思い出したようで、直哉の元へ戻っていった。

「呼吸よし、顔色よし。後は目覚めるだけなの。ご飯の準備なの!」

ラリーナとフィリアも目覚め、直哉に厚めのコートを掛けて二人も朝食の準備に取り掛かった。

三人とも沐浴を済ませ、フィリアは調理、ラリーナとリリは鹿だけでは足りないと新たな動物を仕留めに行った。狩場からリリの叫び声と、狼の遠吠えが木霊していた。



◆直哉の夢の中


直哉は夢の中にいた。

そこは地球の風見家で一家団欒でテレビを見ているところだった。

父親である正哉から、

「学校の成績がまた上がったらしいな。本当に俺の職業を継ぐのか?」

正哉は開業医で、最近では前に勤めていた大病院へのヘルプで忙しく、帰ってくる日は少なかった。


「うん。勉強かゲームしかしてないからね」

「ゲームか? 直哉はどんなゲームに興味があるんだ? 女体か?」

「女体って、あなたは何時の時代の人ですか?」

二人の会話に入ってきたのは母親である晶子であった。晶子はシステムエンジニアで、家のネットワークの構築は朝飯前であった。最近では大企業への出向が多くこちらも帰ってくる日は少なかった。

そんな家族が揃っている状況に、直哉は疑問に思いながらも話を進めた。


「今は、《ドラゴンバルグ》という、MMORPGをやっているよ」

「どういうゲームだい?」

「大雑把に説明すると、現在のインフラの代わりに魔法が使える世界に生きる人間として人生を謳歌するゲーム?」

「お母さんには生きられない世界ね。直哉はどのようにして人生を謳歌しているの?」


「最初の人生はナイトになって、国のお姫様を守る人生を送ったんだ」

「あらあら、お嫁さんはお姫様なのね」


「次の人生は、世界最狂を目指した魔法使いで、ほとんどの街や城を廃墟にしてまわった」

「結構物騒なんだな」


「三つ目は、商人で一財産を稼ぐ旅に出ていた」

「そして、今に至ると」


「うん。でも今が一番楽しいかな」

直哉は両親との会話を楽しんでいた。


すると、食事場面からリビングでくつろいでいる場面に切り替わり、話しが進んだ。

「そうだ、直哉! この前ナイトになって旅してるって言ってただろう。だから今回の誕生日のプレゼントとしてこれをプレゼントしよう」

そう言って、一本の剣を取りだした。直哉には見覚えがあった。

「この剣は、お父さんからのプレゼント! 部屋に飾っておいたやつだ!」

この時、直哉は今起きている事は、記憶の中の出来事をなぞっている事に気がついた。


(これの説明をお父さんから受けた気がする)

「この剣は本物の力を持っている業物で刃は落としてあるが、力はあるって言っていた」

「う、胡散臭すぎる」

「私からは、この全身鏡ね。お姫様と結婚するのだから身だしなみはしっかりとしなきゃダメよ」

「つか、俺自身の身だしなみを気にしてどうするの?」

そう言いながらも、両親からのプレゼントを喜んで自分の部屋に飾った。

そして、家族の団らんを楽しんでいると、急にフィリアの存在を感じ始め身体の芯が暖かくなってきた。


(なんだろう、この感覚は。心の奥底が暖かい)

そう感じると、辺りが急にぼやけ始めた。

「直哉! 何処に行くんだい!」

「まって直哉! 行かないで!」

両親は涙を流しながら直哉を止めていた。

(これは夢か)

その瞬間、直哉は目を覚ました。



◆火山の麓


直哉が目を覚ますと、鹿と山菜の調理を終えたフィリアが直哉の元へやってきた。

「あれ? こ、ここは?」

「おはようございます。直哉様。ここは火山の麓ですよ」

直哉はまだぼーっとしているようで、

「なんで、俺はこんなところに・・・・そうか、リカード達と火山の調査に来ていたんだっけ」

そういうと、静かに涙を流し始めた。

「な、直哉様? やはり、どこかにお怪我がありますか?」

「いや、この涙は昔の夢を見たから懐かしくなっちゃって。あぁ、まだ頭がボーッとして身体が怠いな。でも痛みはないね」

「昨日はあれだけの血を流したのですから、仕方がありませんよ」

直哉はフィリアに掴まりながら立ち上がった。

「くっ!」

目眩がしてよろめきそうになったが、フィリアのおかげで助かった。

「おっ! 直哉! 調子はどうだ!」

直哉が起きたのを見て、リカード達が集まってきた。


「まだ、目眩が残ってますが、大丈夫です。状況を教えてもら得ますか?」

「うむ。冒険者二人はまだ意識不明だ、原因はわからない。ゴンゾーとラナが昨日の怪我で今は、馬車内で療養している。彼女達は朝食の準備をしているね」

直哉が目を向けると、ルナとミシェル、デイジーとヘレンが手分けして食卓を準備していた。

「あれ? リリとラリーナは?」

その時ひときわ大きい魔力の奔流があった。


「ぎぇーす」

魔物の叫び声とともに、大きな魔物が空に舞い上がった。

「あれは、ワイバーン!」

以前、蛇神の森で戦った事があり、臨戦態勢を取ろうとした直哉であったが、極度の疲労により戦闘行為は困難であった。

「ちっきしょう」

直哉が悪態をついていると、

「ちぇっすとー」

リリがサクラを展開しながらワイバーンに向けて飛んで行った。

「一人でなんて危ない!」

だが、その心配は杞憂に終わった。ワイバーンに向かってまっすぐ飛んで行ったリリは、ワイバーンからの攻撃はサクラにガードさせて拳に力をためて、

「これで終わりなの! 魔神氷結拳!」

頭に直撃しその生命活動を終えた。


「やったの! お兄ちゃんのご飯を確保なの!」

と喜んでいたが、魔物はキラメキながら消滅した。

「あー、お兄ちゃんの朝ご飯が消えちゃったの!」

そう言いながら、風の魔法を使い空から器用に降りてきた。

「ちぇ、なの」

降りてきたリリは直哉を見つけて、

「お兄ちゃーん、ごめんなさーい。朝ごはん抜きなの!」

「いや、俺は出来てるものを食べるというか、アイテムボックスからご飯出すよ?」

その言葉に、


「そっか、お兄ちゃんが起きたら、わざわざ捕りに行く必要は無かったの!」

そこへ、狩りに出ていたラリーナが大きな鳥を担いで帰って来た。

「おっ! 直哉! 起きたか。見ろ、飯だ」

「これは、魔物ではなく動物扱いなんですね」

ラリーナの狩ってきた鳥は見るからに凶暴で、魔物と言っても納得しそうな顔をしていた。

「そうだな、タグと呼ばれているコアが無いからな」

「と、言う事は始めて見る奴は、倒してみないとわからないって事ですね」

「そうなるな。ただ、見た事無い生き物はここ数年発生してないけどな」

直哉はラリーナの言葉を整理していると、お腹が〔くー〕となった。

「お腹すいた! でもその前に」

直哉はスキルを使い、コテージを展開させた。


「とりあえず、ゴンゾーさんとラナさんをこちらへ、治療をして見ます。冒険者の方々は外傷とか無いのですよね?」

「そうですね、外傷は無く眠っているだけの感じでした」

直哉は少し考えて、

(俺のときと同じ症状なのかな? そうなると良い夢を見続けてる可能性があるな。これも魔族の攻撃になるのかな?)

「とにかくゴンゾーさん達を診てから、判断しましょう」


ゴンゾーとラナは色々な状態異常にかかっており、直哉の薬だけは完治は不可能であった。

「これは酷いですね。俺の回復薬では回復しきれません。フィリアは何かある?」

「申し訳ありません、回復系は直哉様任せだったので、何も覚えておりません」

「それじゃあリカード、二人に治療と冒険者の搬送をして貰うというのはどうだい?」

「ゴンゾー、経緯を説明することは出来るか?」

ゴンゾーは横たわったまま答えた、

「一応は出来ますが、私たちが帰ってしまったらリカード様をお守りする盾が少なくなりますが?」

「今でも少ない状態だろう?」

「こんな身体でも、敵の攻撃を受け止める肉の盾になる事が出来ます」

リカードは呆れながら、

「それでは困るから治してこいと言っているんだよ」

「フム。了解した。どうせこの身体では足手まといだからの」

「でしたら、馬車をオートで街へ帰しますので、それでラナさんと一緒にお城で治療してもらってください。それと、この二人の冒険者も、残りの冒険者の遺体も運ばなくてはなりません。この二人の冒険者は、夢を見ているのだと思います。覚めない夢を。俺がどうやって目を覚ましたのかは不明ですが、治療法はあると思います」

ゴンゾーは、自らの治療と冒険者達の搬送を引き受けてくれた。

「もちろん、ゴンゾーさん達は治療が済み次第戻ってきてくださいね」

「承知した。直哉殿、リカード様の事をお頼みいたします」

「はい。ですが、その言葉は近衛兵にかけてあげるべきかと」

ゴンゾーは、

「もちろん心得ております」

軽く朝食を済ませた後、ゴンゾー達を乗せた馬車は最大速度でバルグフルへ戻っていった。


「さて、私たちは火山に登りますか」

「そうですね、俺もようやく身体の調子が戻って来ましたので」

直哉は朝食後、身体の疲労が取れたためマリオネットを展開し、回復用の珠と接続してから回復アイテムや全員の武具を修理していった。

昨晩のオメガベヒモスのドロップアイテムとタグ、ヘビのぬいぐるみが操作していたロボットの残骸、そして今朝のリリが仕留めたワイバーンのアイテムを回収した。

直哉はリカード立ち会いの元で、目録を作りイベントボックスへアイテムをしまい込んだ。

「毎回思うけど、そのボックスとやらは便利だな、造れないのか?」

「現状の職業では無理ですね、でも上級職になればもしかしたら造れるようになるかも」

「もう、上級職へクラスチェンジ出来るのか?」

リカードは驚きながら聞いてきた。

「はい。火山の調査後、その足でルグニアに向かう予定です。そこで上級職を目指します」

「早いな。リリちゃん達はなれるのかい?」

「まだですね」

リカードは少しホッとした表情を見せた後で、

「しかし、ルグニアに行くとなると寂しくなるな」

「そうですね、ですが俺は冒険者ですし、最終的には元の世界に帰るのですから」

「そうだったな。では、後顧の憂いを無くすべく火山の調査を終わらせますか」

「はい!」

直哉達一行は、リカード達と共に火山の攻略にはいった。



◆火山


先頭にラリーナとリリとミシェル、次にフィリアと直哉とリカード、最後方にルナとヘレンとデイジーという編成で突き進んだ。

リカードは直哉に、

「この冷気のマントは凄いな! これだけ熱源が近いのに暑くならないとは」

「防火能力はないので、あまり近づくと燃えますよ!」

普通だったら熱で体力を消耗させられる場所だったが、直哉の造ったマントで熱による消耗は皆無で登る事が出来た。登っている最中はあまりにも敵が出てこないので、直哉は鉱石を見つけては、マリオネットで採掘しながら山頂を目指していた。溶岩石に加え、ルビーやサファイヤそれにダイヤモンドの原石を入手していた。


(やっぱり火山は採掘の聖地だよな)

そう思いながら登っていると、半日ほどで八合目付近まで登ってこられた。

「この辺に拠点を造ろう、出来たら今日は休息だな。明日の朝一番で頂上を目指そう」

リリ達はまだ行けそうだったが、新人近衛兵達がダウンしていた。

直哉が山小屋を造り出して、そこで晩飯となった。


「そうそう、リリちゃん達が使っている、あの武器は私たち用は無いのか?」

「あの武器?」

「防具からパーッと散って、身体の周りに展開するカッコイイやつ!」

「あぁ、念動石を使った装飾品ですね」

そう言って、念動石を見せた。

「コレがあれば、私にも造ってもらえるのか?」

「念動石の他に、ゴーレム岩という念動力を伝える鉱石が必要です」

「先ほどのベヒモスの残骸は駄目なのかい?」

「駄目ですね、あのヘビはどうやって動かしていたのだろう?」

「そうか、残念だ。城に帰ったら材料を揃えておこう」

「そうしてもらえると、助かります」


そう言って、直哉はおにぎりを囓りながら味噌汁もどきをすすった。

「はぁ、懐かしい味だ」

ミーファに料理の相談をした時に、調味料を味見したところ、醤油っぽい味や味噌っぽい味、ソースっぽい味のものなど色々とあった。この調味料はミーファのお手製で市販には出回っていなかった。

そこで、この味噌っぽい味の調味料を使い、味噌汁もどきが出来た時は涙を流して喜んだ。

具材はネギだけというシンプルなものだったが、直哉は満足であった。

「そのスープは凄い匂いと色だが、美味いのか?」

直哉が飲んでいた味噌汁を見て、リカードが興味を示した。

「味見してみますか?」

リカードは勢いよく肯いた。直哉は別皿に味噌汁を少量よそい、

「どうぞ。気に入ったらもっと入れますよ」

と、手渡した。恐る恐る口に含んでみると、強烈な匂いが口に広がり、飲み込むと、その匂いが鼻から抜けていくのがわかった。

「う、うむ、美味い? いや、しょっぱいか。でも癖になるな」

その後、風呂で汗を流した後、各自ゆっくり休んで疲れを取った。



◆次の日


次の日の早朝、地震で目を覚ました。

みんな山小屋の外へ出て山頂を見ると、小さな狼煙のような噴煙が吹き出ていた。

「噴火の兆候ですね」

「急ぎ準備して登ってしまおう」

後片づけ後、山頂へ到着すると『シュー』と噴煙が出ている所が複数ある事に気がついた。

「結構危険な感じかな?」

「今、噴火が始まったら死にますね」


その時、直哉のクエストタブに更新マークがついている事に気がついた。

「おや、火山のクエストが始まったのかな?」

確認すると、


火山の噴火による被害を最小限に抑えよ!

この火山はこのクエスト開始から一〇〇日後に噴火します。これを止める事は出来ません。今回の噴火による被害は噴石、溶岩、降灰になります。噴石はバルグ・ルグニア・バルグフル、溶岩はバルグフル、降灰は風向き次第となります。各街それぞれの被害を最小限に抑えよ。

火山噴火まで後一〇〇日


(あちゃー、始まっちゃった)

クエストの内容をリカードに伝えると、

「時間制限というか、噴火の日時や被害の内容まで示してくれてありがたい。城に戻って方針を検討しないとな」


直哉は周囲を見まわして、鉱石として使えそうなものをマリオネットを駆使して採掘しまくっていた。

リリとラリーナは退屈だったようで山頂で鍛練を始めていた。

リカード達も周囲を調査して異常は見つからないので、下山する事に決めた。

「魔族の造ったと思われる祭壇は見あたりませんね」

「そうだな、仕方ない下に戻るか」


下山途中で、

「そう言えば直哉達はルグニアに向かうのだったな」

「はい。その予定ですよ」

「ならば、バルグフルからの親書を届けてもらえぬか?」

「俺で良いのですか?」

「伯爵だし、今回の火山の件だからな」

直哉は少し考えて、

「ですが、これからバルグフルで方針を話し合うのですよね? その結果が出た後でよいのでは?」

「もちろん、本命は後から送るよ。直哉に渡して欲しいのは先触れだと思ってくれ」

リカードは何かを隠しているようであったが、

「わかりました、届けましょう」

と、リカードを信頼しているので引き受ける事にした。


下山すると麓には、二台の馬車とゴンゾーとラナ、そして何故かシンディアが待っていた。

シンディアはゴンゾー達が先に帰ってきたため、リカードの事が心配で駆けつけていた。

そんな事はお構いなしに、リカードは調査結果を説明すると、シンディアがため息をつきぼやきながら直哉の方を向き、仕事モードに入りながら聞いてきた。

「なるほど、それで親書を直哉伯爵に届けて貰うのですね? 直哉伯爵、そのクエストの内容をもう一度読み上げてもらえますか? 文章に起こしますので」

直哉が読み上げると、真っ白な巻物にクエストの内容が書きこまれた。


「最後の日数が制限時間という事ですね。後九十九日ですか。今日の日付も入れておけばわかりますね」

そう言いながら、同じ物を三つ造り出した。これがこの文書の大元です。この二つが複製になります。

「その複製と、こちらの文書を親書としてお渡しします。直哉伯爵に命じます、この親書をバルグフルからの先触れとしてルグニア国の国王アシュリー様へ届けなさい」

「承りました。火山の件は全面的に信じてもらえるのですね」


「当たり前です。それだけの事を成し遂げられた人物ですから。そして、こちらの親書をリカード様にお任せします。一度バルグフルへお戻り頂き、正式に訪問してください」

「わかったぜ! 直哉、そっちは任せるぜ! そして、噴火の前には戻って来てくれ!」

「何とかしてみます。それでは行ってきます」

直哉はリカード達と握手を交わした。


「そうだ、シンディアさんそちらの馬車に空きはありますか?」

直哉は戦闘で得たドロップアイテムを取り出して、シンディアへ渡した。シンディアは順番にその場へ置きながら、

「これは、何のアイテムですか?」

「今回の火山調査をしたときのドロップアイテムです。量があるのでこの場で引き渡そうと思ったのですが、大丈夫ですか?」

シンディアは四苦八苦しながらドロップアイテムを馬車へ詰め込み、目録とアイテムを確認していった。


「問題ないようですね。バルグフルへ戻ってきたら、相応の代価を支払います」

「お願いします」

直哉はシンディアに頭を下げた。

「では、直哉伯爵はこちらの馬車を使ってください。ルグニアの登録も済んでおります」

「ありがとうございます」

直哉達は馬車へ乗り込み、ルグニアへ向けて出発した。

これで、バルグフル編が終了いたします。

次話からはルグニア編を開始します。

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