第四十一話 束の間の休息
◆直哉邸
日が陰り、ようやく直哉達が帰ってくると、屋敷の中は騒がしくなった。
「ただいま戻りました」
直哉の言葉に、
「お帰りなさいませ、伯爵様」
色々な種族の使用人からの小気味良く揃った挨拶が返ってきた。
直哉を先頭に、リリ達が続き、その後ろにリカード達が続いて屋敷に入ると、リビングには数多くの料理が並べられ、質素ながらも、飾り付けもされていた。
「おぉ! なんか凄いな! 直哉伯爵がここまで贅沢をしているとは思わなかった」
リカードの言葉に、
「今までの中でも、一番の豪華さですね」
直哉がそう言うと、
「さぁさぁ、直哉さん達は自分の部屋で着替えて来なさい。リカード様達は、一度城に戻りますか?」
「私達は帰るよ、今日の報告をしなくてはならないし、新伯爵邸の発足祝いだろう? 王族の私が出しゃばったら直哉に失礼だろう」
遠慮するリカードに、
「それなら、俺が招待しますよ? 王族としてが都合悪いなら友人として呼びたいのですが」
「これは、一本取られましたな。ご友人としてなら、軋轢を生むこともあるまい。報告は拙者が承ろう」
直哉の言葉をゴンゾーが後押しした。
「皆さんも如何ですか?」
直哉はラナ達にも声をかけた。新人三人は疲労が極限だったため、参加を辞退しラナとルナは参加を希望した。
「では、私も参加しよう。着替えたら帰ってくる。ルナ達は一緒に着替えに行くか?」
リカードの提案に、
「ラナちゃん達の衣装は私たちが用意するから上に行きましょう、ラリーナさんの分も用意いたします」
ミーファが答え、ティアと共に上の階へ上がっていった。
「では、また後で!」
リカードとゴンゾー、それに新人三人は転移部屋よりお城へ帰還した。
直哉は軽装に着替えて降りてくると、食卓にはキルティングの他にドワーフとエルフ、獣人のイヌ・ネコ・リス、そして亜人のトカゲが居た。キルティングとドワーフとエルフは椅子に座っていて、他の人は後ろに立っていた。
(すごいメンバーだな)
直哉が席に着くと、みなは直哉に視線を集中させた。
「とりあえず、座って下さい」
その言葉に、獣人たちはその場に座り込んだ。
「あ、こちらの椅子に座って下さい」
その言葉に獣人達は驚いて、
「め、め、め、滅相もありません。あたちら獣人が人間様とそれも伯爵様と同じテーブルに、それも椅子に座るなんて事は、恐れ多い事です」
直哉はその言葉に驚いてキルティングに、
「この世界では、こう言った事があるのですか?」
「そうですな、特に伯爵様の様に権力を持った方にそう言う傾向が多い事があります」
直哉は言葉を失った。
「ま、まさか、リカードさん達も?」
そこへ、着替えてきたリカードが帰ってきて、
「私がどうかしたか?」
「この世界には、生まれが違うだけで人として扱わない人が居ると聞いたのですが、リカードさんはどうお考えですか?」
直哉の言葉と周囲を見まわして、獣人達が目に入り、
「そう言う事か。確かにそう言う事を言っている者もおる。私の母もその一人だし、伯爵の一人もそういう考えを持っておる。だから、そこに近づかない方が身のためだな」
リカードの言葉に獣人達は項垂れていた。
「だが、俺は生まれで人を判断したりしない。直哉と懇意にしているのもその現れだと思うのだが?」
直哉はハッとして、
「そうか、生まれがどうこう以前に、俺はこの世界の人間ですら無いのか!」
「そういうことだ」
「疑ってしまって申し訳ない」
直哉は頭を下げた。
「かまわんよ」
そこへ、上の階から女性陣が降りてきた。
「さぁさぁ、そんなところで漫才をしてないで、席に座りなさい」
直哉を誕生日席へ、その両脇にリリとフィリアをその横にラリーナが座った。
近い場所から順にリカード、ラナ、ルナと続きヘーパイストス、ラウラ、ヘーニル、イリーナ、ミーファと並び反対側にキルティング、ティアと続き、ドワーフ、エルフ、ネコ、イヌ、リス、トカゲと続いた。
獣人達は最後まで抵抗を示していたが、直哉の説得により同じテーブルに着いてくれた。
「今日は、遅くまで残って頂きありがとうございます。私がこの領地を納める直哉です。これからよろしくお願いします。それでどうですか? この屋敷で働いていけそうですか?」
直哉は自己紹介と礼を言った後、思った事を聞いてみた。
まずはドワーフが話し出した。
「わしはチェスターという、見ての通りドワーフじゃ。伯爵の造り出す武具や道具に触れられるので大歓迎じゃ」
次にエルフが、
「私はエルフ族のカーディです。ミーファ様からお話を頂き、この菜園を管理させて頂けるとの事。森を自由に行き来できれば言う事はありません」
次に獣人達の方を見ると、縮こまっていた。
「どうかしましたか?」
イヌは、
「あたちも?」
「えぇ、お願いします」
直哉は頭を下げた。
「お、おやめ下さい。伯爵様ともあろうお方が、あたちごときに頭をお下げになるなどと、恐れ多い事でございます」
直哉が困っていると、
「ほらほら、面接の時に言ったでしょ、この敷地内では直哉様は、王族の次に位の高いお方なのですから、そのお方がやって欲しい事をやるのが、あなた達の仕事だと、もちろん嫌なら帰ってもらっても問題無いとも伝えましたよね?」
「うぅぅ」
イヌの顔をした獣人は困ったようでマゴマゴしていると、隣にいたネコの顔をした獣人が代わりに口を開いた。
「ボクが話しても良いですか!」
「もちろん、どうぞ」
直哉の許可を得て、
「ボクはチュニ! ネコの獣人です。スラム街そばの宿屋で受付をしていたのですが、最近ボクの代わりの人が来たので、解雇されちゃいました。このままではスラム街にお世話になると思った矢先に、この宿付きのお話を頂いたので、受けてみたら受かっちゃいました! 何でもしますから、これからよろしくお願いします」
「次はあっしの番で、あっしはチノ、リスの獣人です。衣・食・住の為に頑張ります!」
縮こまっていたイヌが、
「で、ではあたちが。あたちはイヌの獣人でキャミと申します」
ぺこりと頭を下げた。
「最後に、おいらはトカゲの亜人でサブリナだ。見た目はこんなだが、一応レディだそのつもりでよろしくな」
と、トカゲの鱗を見たリリが、
「サブリナさん、鱗に触っても良いですか?」
サブリナは服を脱ぎ背中を見せて、
「リリお嬢様どうぞ」
リリは恐る恐る触ってみると、
「なんだか、懐かしいの。安心するの」
「珍しいですね、ほとんどの人はおいらの肌を見ると嫌悪感を見せるのに、リリお嬢様は好意を示してくれるなんて。この事だけでも、このお屋敷で働きたいと思う」
そのまま、リリはサブリナの横に腰掛けた。そして、
「リリはリリなの! よろしくなの!」
「私はフィリアと申します。直哉様をお支えしております」
「ラリーナだ! 今日から世話になる」
ラリーナの紹介にミーファが驚いて、
「直哉さん! 私は聞いておりませんよ?」
「えぇ。先ほど決まりましたから」
ラリーナは銀狼の里が直哉の領地になり、守り神の必要が薄れたので、自分のやりたかった直哉との旅に出る事覚悟を決めていた。
すました顔の直哉に、
「後で話しがあります!」
と、呆れ半分怒り半分で言い放った。
リカード達の紹介も終わり、宴を開始した。
いつもの様にリリは大量の肉を取り分け、使用人達を驚かせていた。
直哉は出されていた料理を堪能していた。まずは、サラダ。葉っぱや果実等がふんだんに使われていて、横に色々なドレッシングが置かれていた。直哉は色々なドレッシングを試しながらサラダを堪能していた。
(ドレッシングの種類が増えてきたな、そろそろマヨネーズが恋しくなったけど、卵と油となんだっけ? ミーファさんに相談してみるか)
続いてスープを取りに行くと、色々な種類のスープが置いてあり、甘いスープから辛いスープ、野菜たっぷりのスープ等があり、少しずつ取り分けて堪能した。
(ん? コレはワンタン? いや、具が入ってないからすいとん? 餃子の皮っぽい味だな。ってことは、野菜や肉をコレで包めば餃子が作れそうだな。それと、うどんのレベルがどんどん上がってきているのは嬉しいな。って、このうどんはやけに色が黄色いな、なんだコレは・・・。この食感はパスタ? こっちはラーメン? なんで?)
直哉は使用人達と会話していたミーファに、
「ミーファさん、この麺は一体どうやって作ったのですか?」
「あぁ、それは麺を作る粉を変えてみたり、混ぜる水を替えたりしたら味や食感が変わったので出してみたのですが、お口に合いませんか?」
「いやいや、これは大発見ですよ! これで、料理の幅が広がります!」
「そう? それでは明日にでも、新料理を試してみますか?」
「はい、よろしくお願いします」
直哉は鼻歌を歌いながら戻っていった。
(これで、新たな麺料理が出来るぞ! うどんを気に入ってくれたフィリアに新しい麺料理を出す事が出来るぞ)
メインの肉系は焼いた物や煮た物が多く、揚げた物は一つもなかった。
(唐揚げとか、天ぷらが恋しくなってきたな、鶏の唐揚げなんか、リリが喜びそうだよ)
魚系料理も美味しく、直哉はご満悦だった。
使用人達との会話も弾み、そしてしばらく続いた宴はお開きになった。
使用人達が後片付けをしている時、ミーファに料理の話しをして明日にでも試そうという事になった。
その後、ラリーナの部屋を整えて、その日の疲れを取るために温泉に浸かり眠る事にした。
◆次の日
銀狼の里の様子と、その周辺に設置した『安全地帯』の状況を調べに来ていた。『安全地帯』の範囲は銀狼の里を中心に里の二倍ほどの大きさに囲んでおり、広大な面積が直哉の領地に組み込まれた。
「予想以上に酷い状況だな」
現在銀狼の里に住む人数は二十名ほどで、そのほとんどが女子供だった。男性は怪我をして動けなくなった者が数名のみという、悲惨な状況であった。
直哉は、回復アイテムとフィリアの魔法を使い怪我人の回復をしつつ、ラリーナとリリで破壊された家の中から使える物の運び出しをしていた。
初めのうちは余所から来た直哉達に、奇異の目を向け恐れを抱いていた住人達も、次第に直哉達を受け入れ始め、怪我人の介抱や瓦礫の撤去作業などを手伝うようになっていった。
「さて、壊された建物を修復しますので、皆さんは下がっていてください」
直哉の言葉に半信半疑で遠巻きに見つめている中、土地タブの中から新たに追加された銀狼の里を表示させ、半壊・全壊の建物をクリックし修復を実行させた。
「ほぇー」
ポンポンポンっと家が直っていくところを見せられた住人達は、
「神様! ありがとうございます!」
と、直哉を崇め奉るようになってしまった。
直哉は『安全地帯』の効果を説明し、さらにその範囲を説明した。
里の者達は、十分な狩り場と畑を手に入れる事となり、自給自足をするには問題が無い程に生活水準が向上した。
新しく生まれ変わった里を巡回していると、怪我の治療を終えた若い銀狼の男が直哉へ突っかかってきた。
「お、俺はまだ、お前を信用した訳ではない!」
直哉は困ったなという仕草をしながら、
「では、どうすれば信用してもらえますか?」
と、聞いてみると、
「俺より強かったら信用してやる!」
と、持っていた槍を突きつけてきた。
「それで納得するのであれば一勝負お願いできますか?」
直哉が武具を装備する前から、というか開始の合図が無い時から攻撃を開始した。
「うりゃー」
折角槍を突きつけていたのに、わざわざ引いてから大振りをするという大きな隙を造りながらの攻撃に直哉は、
「本気出来て下さい!」
振り降ろされた槍の棒部分を素手で掴み攻撃を防御した。
「くそー、放せ! 放せ−!」
直哉が片手で掴んでいる槍は、銀狼の男が両手で持って何をしようとしても動く気配が無く、ジタバタしていると男の後ろに立ったラリーナが、
「コラ!」
ゴツン! と拳骨をお見舞いしていた。
銀狼の若い男は、突然現れた訳のわからない連中にラリーナを取られると思い、攻撃してきたという事だった。
「それ程の気概があるのであれば、今日からこの里の守り人になってみないかい?」
直哉は男に聞いてみた。
「でも、俺は弱いから」
「だったら、強くなればよい! 新たな選択肢が生み出せるほどに強く!」
直哉はミーファに言われた事を、若い男に伝えた。
「少し考えてみます」
そういうと、一人になるために里の外れの方へ行ってしまった。
直哉達は昼食におにぎりを食べた後、銀狼の里を出て、領地内の散策を続けた。
直哉の屋敷から銀狼の里までは細い道を私有地として確保し、周りはそのまま森としておいた。
元祭壇周辺は王族の直轄地として登録され、周囲の森は王族の管理下に置かれるようだった。
直哉の領地は、元の屋敷から新しい屋敷にかけての範囲と、温泉の水源、そして銀狼の里とそこに通ずる細い道となり、バルグフルで一番の土地持ちとなってしまった。
元の屋敷から新しい屋敷にかけての範囲は、まだ街として登録されておらず『安全地帯』も設置していない部分があり、そこには魔物が住み着いている部分があった。今回はその魔物を領地より追い出す作業がメインで、素直に逃げてくれる魔物も居れば、全滅するまで抵抗を続ける魔物もいた。領地内の魔物を追放し終わると、今度は領地周辺の魔物の生息範囲を調べる作業に入った。
(街から遠く離れると魔物が大型化するのだな。街の近くにはゴブリンやコボルトが生息し、少し離れるとオークやリザードマンが住み着き、山の方へ入ると一気に敵が強くなる傾向だな)
メモを取り、今後の鍛練や領地内への脅威の分析などを行い、領地内の安全の確保に心血を注いだ。
(とりあえず、領地の整備はこのくらいかな)
四人は領地の散策を終え、屋敷へ戻ってくると、ミーファが出迎えてくれた。
◆直哉の屋敷
「みんな、お帰りなさい」
「ただいまー(なのー)(です)(もどりました)」
四人は挨拶を返し汚れを落とした後、台所で新メニューの作成に取りかかった。
「まずは、餃子を作ってみましょう」
「餃子?」
直哉は、昨日のスープに入っていた具を用意して貰い、それを餃子の皮の大きさにしていった。
「みんなも、この大きさ、薄さの皮を作ってみて」
ミーファの他に、リリとフィリアが料理に挑戦していた。
ミーファとフィリアはすぐ作れるようになったが、リリの皮は全てがバラバラで、個性的な仕上がりになった。
「さて、次に野菜を刻みます。この大きさに切って下さい」
そう言って、直哉は細かく切っていった。ここでもミーファ達は小さく刻み、リリはおおざっぱになっていた。見かねた直哉が小さくしたものをリリに渡した。
「ブーブーの肉も同じように小さくして下さい」
「えー、勿体ないの!」
「そして、それをこんな感じにこねる」
と言いながら混ぜ合わせていった。
「あちょちょちょちょ」
リリはもの凄い勢いでかき混ぜていた。
「良く混ざったら、この皮に入れて包みます」
不格好だが一つ作りみんなに見せた。
三人は四苦八苦してながら作っていたが、ミーファとフィリアは素早く作れるようになっていた。
「さて、焼き始めますか。まずは、鍋に餃子の半分くらい高さに水を入れ、火にかけた後、餃子を入れてフタをする。その後水が無くなったら、平べったい鉄板に油をひいて餃子を移して焦げ目を付けて出来上がり」
直哉は皆で作った餃子を順番に焼いていった。
「なんか、良い匂いがしてきたの!」
「不思議な匂いです」
「美味そうだな」
「皿に盛りつけして完成!」
みんなで味見をしていると、リカードとゴンゾーがやってきた。
「鍛練場を貸してくれ。って何か良い匂いがするな」
直哉達が何か食べているのを見て、
「見た事無い食べ物だな、直哉の世界の食べ物か?」
「そうですね。俺の居た世界では一般的な食べ物でした」
そこへ、白いクリーム状のソース持ったミーファがやってきた。
「直哉さん、こんな感じでよいですか?」
「おぉ! 見た目は完全にマヨネーズですね! では、味見を」
直哉が舐めてみると、あの独特な味の調味料が出来上がっていた。
「完璧です。俺の記憶にあるマヨネーズと同じ味です」
そこへ、
「お兄ちゃん! 唐揚げっていうの食べたいの!」
「私はパスタという、うどんを食べてみたいです」
「わかった。二人とも待ってて」
直哉がそう言って、マヨネーズの使い方を説明しようとしたら、
「直哉。これは、不味いぞ。ソースを付けずに食べた方が美味い」
と、リカードが餃子にマヨネーズを付けて食べていた。
「あぁ、そのマヨネーズはサラダにかけて食べるものですよ」
「それを、はやく言ってくれ」
「説明する前に食べられちゃったので」
直哉は、気を取り直して唐揚げとペペロンチーノを作り始めた。
鶏肉を串で滅多差しにした後で醤油で下味を付けて、うどんを作る粉をまぶして高温の油で一気に揚げていった。
その横では、ミーファがパスタを作っていた。普通のうどんを作る粉では無い粉を取りだして、それと水を混ぜ捏ねていった。油の横では大量のお湯が沸かされていて、反対側ではにんにくとそのまま食べると辛い実を油で炒めていた。ミーファが作った麺をお湯の中に入れ、どんどんパスタを茹でていく横で、直哉は唐揚げをどんどん作っていった。茹で上がったパスタは、後ろの鉄板に移され、一緒に軽く炒められてお皿に盛られた。唐揚げも作り終わり、ペペロンチーノも出来、テーブルに料理を並べた。
さらに、直哉は唐揚げの後で卵を溶いてさらにまぶし、野菜の天ぷらを作っていた。
「よし! 完成!」
テーブルには、サラダ、餃子、鶏の唐揚げ、ペペロンチーノ、野菜の天ぷらが並んだ。
「さて、試食してみましょう」
「おーいーしーいーのー」
リリは唐揚げを口いっぱいに頬張りながら叫んでいた。
「こら、リリちゃん、お行儀が悪いわよ」
「このおうどんはピリッと辛くて癖になる味ですわ」
「この天ぷらは酒が進むな!」
全ての料理の試食はあっという間に終了した。
「ほぁー、直哉は元の世界でこんな美味い飯を食っていたのか。羨ましいな」
大満足の試食会の後で、リカード達と合同鍛練を行い、明日の火山行き準備を進めた。
直哉とリカードは、
「明日は火山へ向けて出発ですね」
「あぁ、便りにしている」
「何の問題も無い事を祈りますよ」
「そういえば、雇った冒険者達が先に向かっている、この者達とは火山で合流する予定だ」
「その方々が解決してくれていると楽なんですが」
「それは無理だろう、今朝出発したばかりだからまだ火山にすら到着していないだろう」
「そうですか、では、明日の準備をしておきましょう」
そう言って、回復薬で使用するハーブの量産をお願いし、暑くならないマントの量産と、火炎瓶の元やフロスト瓶の元も用意しておいた。各々が準備を進め当日を迎えた。




